Ep.3 いい日旅立ち
「ただいま〜!お母さん、違う世界から来た人に話しかけたら、仲間になってもらえたよ!」
「よかったわね、ショナ。あなたがカケルくんね、うちのショナをよろしくね。」
「あ、はい!守らせていただきます!」
「ショナのお母さん、めっちゃ優しかったな…ちょっと錆びてるけど剣と防具もくれたし…」
「でしょ!…あと、守るって言ったんだからしっかり守ってよ?」
ショナが照れた顔でそう言った。本当天使。その後に僕たちは宿へと向かった。
そして今、僕は宿の中、女子と2人で寝ているのだ。しかも、その女子が可愛い。何事もなく一晩休めるだろうか…とこちらの不安をよそに、ショナが気持ちよさそうに隣で寝ている。
「…寝るか」
翌朝、僕らは村を出た。日差しが暖かく、程よい風が吹いていて出発にはとてもいい日だ。
「よし、行こっか!カケルくん!」
「うん、そうだね。戦闘の基本とかわからないところは教えてね?」
「もちろんだよ!わからないことはお互いあるからね!あ、私もわかんないところは教えられないかなぁ…」と困った顔をしながら言った。はにかんだその顔にはえくぼがあり、ふわっとしている。そう、これから僕らは街へ行くのだ。リュックの中にショナのお母さんからもらった食料や少しのお金を入れて、僕らは村を後にした。