Ep.2 仲間
草原の中を歩いて行くと、向こう側に村が見えた。所持金などは当たり前ながら持っておらず、どうなるかわからないが目的地は決まった。
「まずは情報調達だな…わからなくては何もできないからな…ん?なんだ…あの人っぽい何かは…?」
遠目に見ると、なにやら棍棒らしきものを持った緑色の生物が見える。
「ん…?近付いてきたぞ…なんか、走ってる…?あ、これ絶対やばいやつだ。逃げよ。」
僕は全力で村へと逃げた。
「はぁはぁ…なんだよ、あれ…初心者に対して鬼畜だろ…パラメータが身体能力反映しててよかったわ…」
「ねぇ、そこの黒髪眼鏡くん、大丈夫?」
ふと、見上げるとそこには女の子が顔を覗かせていた。年齢は僕と同じくらいの高校生で、ピンク色の短髪。服装は動きやすそうで胸は普通くらいだな。
「あ…あぁ…大丈夫だ…ところで、あのモンスター?みたいなやつってどうすればいいんだ…?」
「君も違う世界から来たの?」
「あ、あぁ、そうだ。こういう世界の常識とかが全くわからないからな…とりあえず情報収集として、この村に来た…」
…ん?今、この子『君も』って言わなかったか?
「ごめん…君、名前なんて言うんだい…?」
「ん?私?私はショナって名前だよ〜」
「ショナね、わかった。僕は…カケルって名前だ。よろしくね。それでショナ、『君も』ってどう言う意味かな?」
「言葉の通り、この村にはたまに違う世界の人が来るんだよね。なんか、妙にこの世界に詳しい人だったり、モンスターの倒し方とか知ってたり。君もそう言う感じなの?」
「いや、僕は全くわからない。無知といってもいいだろう。モンスターなんてのもわからないし、この世界の事なんか本当に知識がゼロだ」
「じゃあ、私と一緒に冒険しようよ!私はこの村から出て、お金稼ぐんだ!そのためにモンスター討伐の依頼とかを受けた時に仲間が欲しかったの!…ねぇ、お願いしても…いいかな?」
一言で言おう、可愛い。うるうるした目で見つめられては困る。あと、死んでから会った女性(二人だけだが)がみんな可愛い。手を握って来られてるこの状況は非常に断り辛い。
「…僕でいいなら、手伝うよ。でも、お金も持ってないし、武器も防具もないよ?多分足手まといになるよ?」
「大丈夫!私もまだ弱いから!一緒に強くなろ!」
はい、笑顔が眩しいです。可愛すぎます。
「じゃあ、よろしくね、ショナ」
「うん!よろしく、カケル!」
こうして、仲間が出来ました。