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鼓舞激励


休憩に出た2人は会社の近くにあるカフェへ

篠宮はクリームパスタとココア、逢坂はボンゴレとブラックコーヒーを注文し席に着いた


「篠宮は甘党なんだな」

「あ、はい…ココアが特に大好きでつい頼んじゃうんですよ」

「女子は好きだよな甘い物…そういう俺も甘い物嫌いではないんだけどな」

「え、でもブラックコーヒーって大人な感じじゃないですか!」

「ははっ、大人って訳じゃないさ」


そういいながら2人は仕事の話になった

逢坂が連れ出した理由は先ほどの仕事場の環境が気になったのもあったからである


「なあ、篠宮はなんでこの会社に入ったんだ?」

「私は学生の時に就職が全然決まらなくて、最初に就職したのは広告関係で嬉しかったんです…でも契約社員出したので半年後にはもう契約は切られました」

「最初は広告やデザインの仕事がしたかったんだな」

「はい…そして会社を辞めるって時にこの会社の求人応募を見て”やってみよう”と思ったんですよ」

「そして合格して配属が販売の担当になった訳か」

「そうですね、最初は窓口なんて大嫌いな仕事でしたから怖くて…でも頑張って今までやってきたつもりですけど何年か後にはこの会社のデザイン部に行きたくて頑張ってるほうが強いですね」


篠宮にとってまさに逢坂は憧れの的である

自分が何年も恋い焦がれた部署から来た人はキラキラみえてしょうがない


「俺もまだこの職場来たばかりだけど…大丈夫か?」

「はい、もう慣れました…って慣れちゃいけないんですけどね」

「俺はこの部署は本社にも噂が聞こえてくる位環境は正直劣悪だと評判だった」

「まあ…私の同期も1年もしないで辞めるし後輩も辞めていくしそうなりますよね」

「さっきも見てて篠宮が正直よく耐えてると思ったぞ」

「ああ、あの人達は”自分たちが”働きやすい職場がいいんで邪魔な奴は消したいんですよ」

「…篠宮」


思わず逢坂は篠宮の頭をクシャクシャと撫でまわす

篠宮はビックリしながらも少し嬉しい気持ちにで自分を心配してくれる逢坂に感謝した


「何かあったら俺に言えよ、下手に上に言うとあの様子からしたら結局お前が悪いという風になりかねないからな」

「は、はい」


逢坂は自分の携帯を取り出し篠宮に連絡先を教えた

何かあったら会社で話すとまたチクチク言われるからLINEで話そうと約束し休憩から上がった


------------------------


そして昼から上がりドアを開けると見慣れない人物がいた

これまた長身でスラっとした美形の男性が先輩達と話している

その男性は逢坂を見るなりニヤーとしながら近寄り肩を叩いた


「久しぶりじゃねーか!逢坂元気だったのかよ!」

「お前がいなかったお陰で静かで平和だったんだがな…まさかお前もこの支社にいたのか」

「おうよ!俺は遼に会いたかったぜ!また飲みにでもいこー…ってお前もう彼女でも作った訳?」

「は?」


ちょうど休憩からあがったものだから逢坂の隣にはちょうど篠宮が立っていた

逢坂がバカ野郎と言いながら額にデコピンを一発かます


「俺の後輩の篠宮だよ、馬鹿かお前は」

「ひどいなお前…どうせお前の事だ、彼女でももういるのかと」

「生憎俺はいま女の存在など皆無だから期待通りにいかなくてすまないな(レン)

「…あの、逢坂さんこの人は?」


篠宮と、何人かの社員もこの人は誰なんだろうと思いつつ会話を聞いていたがついに突っ込んだ

するとその男性が笑顔で篠宮のほうを向いて自己紹介を始める


「初めましてかな?販売に滅多に来ないからな初めての人も多いと思うけど桜庭(サクラバ) (レン)と言いましてこの支社でいま企画関係の部署に所属しているんだ」

「そうなんですね!私、篠宮って言います」

「篠宮ちゃんね、よろしくー」


笑顔で篠宮と握手を交わし逢坂の肩をポンポン叩き「またな」といい去っていった

まるで嵐が去っていったような感覚


「あ、逢坂さん」

「………なんだ」

「随分明るいお方でした、ね」

「あいつの取り柄はそこ抜けた明るさだからな…でもああ見えて本当はかなり計算高い」

「そうなんですか」

「ちょくちょく遊びに来ると思うからその時は…一発殴ってやってくれ」


皆その言葉を聞き内心無理だからと思いながら作業にそそくさと戻ったのであった

しかし…その中でもまた不穏な動きが見え始めていた







「篠宮さんばっかり、ずるいなぁ…」

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