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鉄の竜騎士 -元AI少女の冒険譚-  作者: 御堂廉
第五章 英雄ディノス編
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第百五十話 出発の日

「ただいまー……」


ぐったりとして屋敷に戻ってきたのはニールだ。

研究所と学園両方を行ったり来たりして居たわけだが、やっと解放されたという所だった。

新素材の開発についての講義を行いつつ、実習として研究所に学生を招いて実験とその為の設備などの説明をして……と色々と頑張っていた。


忙しすぎて帰ってくることが出来ずに研究所の自分の部屋で寝泊まりしていたが、ついに今日一段落して帰ってくることが出来たのだ。


「お帰りなさいませ」

「ニーナ久しぶり……悪いけど食事何か残ってる?」

「すぐに作れるものをご用意します。その間に少し身体を流して着替えをするとよろしいかと」


はっとなって匂いを嗅いでみる。

……ちょっと汗臭い……。

他人からしたら結構匂いがきついかもしれない。


「あー……洗濯も頼むね……うわ袖口色ついてる……」


折角綺麗だったシャツも既に黄ばみが付いていた。

軽く洗ったつもりでは居たけどそれでもきちんと洗うのとは全然違う。

更に言えばシャツはくたくたになっており、のりも全く効いていない状態だった。


研究所の白衣は試薬や材料の汚れが付き、手にもその色が染み込んでいる。

端的に言って、汚い。


テンペストと入る地下の風呂ではなく、元々作ってあった方に入る。

大分広い為になんとなく1人で使うのは気が引けてしまうのだが、それはやっぱり貧乏くさい考え方なのだろうか。

湯に浸かるととても落ち着いた気分になる。テンペストと一緒に入るのも楽しいが、こうして一人でゆっくりとというのもなかなかいい。


さっぱりして出ていけばしっかりと着替えも用意されていた。

着替えをして出れば既に美味しそうな匂いが漂っている。

研究所では自分で作って食べていたりするので、人に用意してもらうというのがこんなにありがたいものなのかと再確認するのだった。


「ニール、帰ってきたのですね」

「あ、ただいまテンペスト。もー本当に疲れたよ……」

「研究していたものは出来たのですか?」

「うん。様々な素材の配合比で試してたけど、やっと満足の行くものが出来たね」


結構地味な実験などを地道に行っているニールの研究だが、素材を開発することは新しい技術に繋がる。

今回のは新しい塗料の開発だ。

様々な色を再現できて、尚且つそれ自体が防護膜となるものだ。

サイラスの無茶振りによって実現させられたものだが、実際に出来上がってみればいろんな用途に使えることが分かる。

魔導車の車体だけでなく、家などへ使うことで雨や雲龍による嵐、雪などから屋根や壁を守りつつも色を使うことができるようになる。

道具に使えば錆を防ぎつつ、見た目も少し派手になり自分だけの道具が出来上がる。


「博士が大体考えたやつだけどね。やってる内になんとなく分かってきたかなって感じ……ふう、お腹膨れたら眠くなったよ」

「休んでいるといいでしょう、私は今呼び出しを受けたので行ってきます」

「え、誰に?」

「エイダです。ニールは休んでいて下さい。私だけで行ってきますから」


少し前に連絡が入り、いつものメンバーに招集がかかったのだ。

今からその話し合いに向かう。


「ごめんね……多分良いことじゃないと思うけど。っていうかもう大体想像ついてるけど……」

「恐らく、そういうことです。準備などは既に手配済みですからゆっくり休んでいても問題ありません。帰ったら詳しいことをお話しますので」


とてもじゃないが眠気も酷いし、もう一歩も動きたくないくらいだ。

このまま食卓に突っ伏して眠りたい。

最後の気力を振り絞って部屋に向かい、ニールは即眠りに落ちた。


□□□□□□


テンペストが戻ってきたのは翌朝だった。

正直昨日は一緒に眠れると思っていたので寂しい夜を過ごすことになってしまった。

が、帰りはテンペストだけでなく……エイダとその従者、護衛が付いてきたのだった。

エイダは既に食事を取っていたので、一度客室で待っていてもらってニールにテンペストは軽く朝食を取りながら昨日纏まったことを簡単に報告する。


「……端的に言えば、アディが『破壊が始まる』と言った内容のお告げを聞いたということです。ここまで長かったですが、ついに司祭が行動を起こしたということでしょう」

「って事は出発しなければならない……とか?」

「はい。今すぐというわけではありませんが。コーブルクとルーベルに対して情報を伝え、向こうの準備が出来次第こちらも合流することになります」

「んー……大体5日後位になるのかな?じゃぁ僕達には後2日位は残ってるね、準備を始めようか」


と言っても自分がやることなんてアラクネの手入れくらいだ。

テンペストが入る柩型のケースのシーツを整えて香水を軽く振りかけておく。

車体をピカピカに磨いておく……それだけ。


大体のものはゲートを通じて入れられる倉庫の中に入っているし、バハムートの中にもすでにある。

食糧などに関してもある程度は持っているので問題ない。

容量は……博士の私物とかが無くなっている分広くなってるくらいだ。


弾薬もたっぷりと作っておいたし、追加で大量の備蓄も用意してある。

お告げが来る前からずっと用意してきたのだ、今更慌てて用意するなんてこともない。

ただのチェックだ。


「ニール、お久しぶりですね」

「エイダ様!お久しぶりです、……話はテンペストから聞きました」

「ええ……破壊が始まるだなんて、そんな具体的なものなんて今まで無かったはずなのだけど。ともかく、今回は私もついていくわ。テンピーの身体と一緒に守ってくださいね?」

「は、はい……。あれ?護衛の人達は……?」

「もちろん行くわよ?でも、あなた達のほうが優秀よね……」


まあ……確かにそうなんだけども。

機動力でもオルトロスなどに入ってるだけでも大抵の危険から逃げることが出来る。

重装甲、重武装型の新型車両は正式にケルベロスと名づけられたけど、あれはもう本当に強い。

宵闇の森攻略の時に使ったっきりではあるんだけど、あの後少し改良とかをして正式なものになったのだった。


エキドナでなければケルベロス辺りに乗ってればまあ安全だろうと思う。


もちろん、機動力という意味では僕の使っているアラクネも捨てたもんじゃない。

装甲は薄いけど、オルトロスを凌ぐ機動力と速度は馬鹿にならないのだ。

一応2人乗りプラス、テンペストが入る柩型カプセルとなるので逃げ回るには最適だ。

アンカーを利用して壁を登っていくことも出来てしまうのは本当に凄いと思う。


「それにしても……私が居ない間に色々と作ってるみたいよね……。凄く羨ましいんだけど……」

「神子であるエイダ様があちこち出歩くわけにも行かないし……。あ、移動祭壇とか作ってもらったら動けるかも?」

「なにそれニール天才!ちょっと考えて置いて欲しいわね……。無理矢理にでも買わせるから」


久しぶりに会ったせいなのかテンションが高い気がする。

適当なことを言ってしまったことをちょっと後悔し始めてるけど……いや、意外といい案なんじゃないかとは思うんだ。

どこにでも行けて、どこでもお祈りとか出来て。


ミニ神殿を動かせればそれが出来る……。なかなか来れない人達のために、各地をそれで周るというのもいいと思うのだ。

ついでにエイダ様が外を出歩きたいという欲を叶えられる。


「それはともかく……。今回のお告げは気味が悪くて……」

「異変の内容が内容だけに、災害が動いているようなものだしね……」


今まであったのは自然災害だったというが、今回は人そのものが災害と化すのだ。

ディノスが動けばその場所も変わっていく。

破壊をもたらす者となったと思われる今、どのような行動を取っているか分からない。


「まあ、博士の知識を何処まで活用しているかだけど……。間に合わないなんてことだけはいやだよね」

「大丈夫……だと思うわ。だけど急いだほうがいい、明日には発つのよね?」

「うん。エイダ様も必要なものがあったら言って下さい。僕達の方で確保しておきますから」

「ありがとう。……後、エイダでいいわ。皆は友達だと思っているの、他人行儀は寂しいから」

「え?えー……っと。じゃぁ、エイダ」

「ええ、よろしくね、ニール」


本来なら話をすること自体がなかなか無いような神子なのに、フランクに接するのが少し躊躇われたけど……。

もう今さらか。

テンペストと滅茶苦茶仲いいしなぁ。


□□□□□□


「ねえ、テンペスト……うむっ!?」


久しぶりのテンペストと例の場所で風呂に入っていると、テンペストがキスをしてきた。

何処で覚えてきたのかと思うようなディープなやつをだ。

僕も気持ちいいのでお互い満足するまでずっとそうしていたけど……そんなことをされたら下が反応してしまうのも仕方ない。


あぁ、テンペストのお腹が擦れてる……!


「ど、どうしたの?急に……」

「これから私たちは戦地へと赴きます。こうして2人でゆっくりと出来る時間はなかなかないでしょう。……それに、寂しかったのは私も同じですから」

「あ。……ごめん。そうだね。僕も寂しかった」


確かにその通りだ。

向こうに着くまではまだ良いとしても、着いてからはゆっくりはしていられないだろう。

そもそも皆の目があるし……。

こうして2人でいちゃいちゃ出来るのも今日からはしばらく無いと思ったほうが良いか。


胸に頭をあずけるテンペストをギュッと抱き寄せる。

華奢で柔らかい肌の感触が手に馴染んだ。

僕にまたがるようにして向かい合っているテンペストを撫でつつ、身体が暖まった所でお互いの身体を洗い合ったりとか、色々楽しんだ。


ベッドの中でも今日のテンペストは甘えてくる。

どうしよう、凄く可愛い。

こういうことには大分慣れてきたと思ったんだけど、やっぱりドキドキするものだ。

いくら年上だからと言っても、自分の好きな子と一緒にいてそうならないほうがおかしいのだ。


でも、連日の疲れもあってか結局すぐに眠ってしまった。


翌朝……。

よく眠れたためかスッキリとした目覚めだ。


「……あれ?僕下着間違って穿いてたっけ……?別なの穿いてたつもりだった」

「間違ってませんよ?」


間違っているわけじゃない?

ちょっとよく分からなくて寝ぼけ眼でテンペストを見る。

もう完全に着替え終わっていて窓際で本を読んでいた。


「あ、おはようテンペスト」

「おはようございます。とても気持ちよさそうに寝ていましたね」

「うん。疲れが溜まってたのかも。昨日は昨日で思いっきり眠った気がしたんだけどね」


それこそ泥のように眠るという表現がぴったりな位に寝てた。それでもまだ足りなかったのだと思うし、久しぶりにテンペストと一緒に眠れたことで精神的にも安心していたのが良かったのかもしれない。


顔を洗いに洗面所へ行くと……見覚えのある物が縁にかかっていた。

昨日穿いたと思っていた下着だ。

何故こんなところに……と、近くに行って気がついた。

股間周りが塗れている。

そして嗅ぎ慣れた匂い……。


「て、テンペスト?!」

「あ、そうでした。洗おうと思っていてそのままになってました……今片付けますね」

「え、いや、うん。ってなんでここにどういうこと!?」

「落ち着いて下さい。私が起きた時に丁度出てきてしまっていたようなので替えただけです。あ、きちんと拭いておきましたから汚れてはいないはずですが」


つまり……脱がされて、綺麗に拭かれて、新しいのに穿き直された……?

なんか……なんかもう……色々な意味でテンペストには頭が上がらない気がする。

僕の方が子供のような気がしてきた。


「なんか、ごめん」

「いえ。私の時でもニールならしてくれるでしょう?お互い様です」

「まあ、そうだけど……」


それはともかく。

もうテンペストが興味があることも、僕のことを思ってやってくれている事も分かっているし、言っても止めてくれることはないからこれはもう良いんだ。

寧ろ原因は僕にあるわけだし。

……処理、しておけばよかった。


慣れてきたとはいえ凄く恥ずかしいし。


□□□□□□


食事を取った後は早速準備だ。

装備と物資をバハムートへと送り、エキドナに乗って王都へと向かう。

エキドナにはコリー、テンペスト、僕、エイダと従者たちが乗り込んだ。

他は護衛車両としてオルトロスとケルベロスが付いている。


たった3台だけどこれだけでも相当な戦力だ。

ちなみにギアズはケルベロスを操っている。技師としてああいうものを触っているのが楽しくて仕方ないらしい。

移動しながら砲撃をするという動作を一人でやってのけるという器用さは流石だと思う。


オルトロスはコリーの従者であるウルだ。

向こうに着いたら王都の兵士達が代わりに入るけど。

どちらも中には護衛たちが入っている。

……何となく、博士がいないと微妙に寂しい感じがする。


「それにしても、エキドナも久しぶりだね」

「ええ。ずっと使う機会がありませんでしたから。移動はこちらのほうが楽でいいです」

「俺も同感だ。それにこれ運転もしやすいんだぜ?殆ど揺れないし視点高いから遠くまで見通せるしな。……まあ……山道は御免被りたいが。今は動きやすくなっているとはいえなぁ……」


巨大なトレーラーであるエキドナは内部が広く豪華な作りになっているのはいいが、その巨体故に狭い道をまともに通ることは出来ない。

今は拡張されたし、エレベーターも設置されたので苦労しないが……ハイランドから降りる為の道などは酷いものだったのだ。

あの時のコリーは相当大変な思いをしていた。


「ん?魔物か?」

「居ますね。ひとかたまりの群れのようですが、王都に近すぎます」

「排除するか?」

「ええ。この固まり具合からしてオークと推測されます。野放しにしておけば即座に数を増やして脅威となるでしょう」


定期的に見回りが実行されているこの街道付近に魔物が出ることは少ないのだが、今回は繁殖期に当たったのだろうか。

オークは数が少なくなると途端にもとからあった性欲が更に旺盛になり、とにかく子供を作りまくっては増やしていく時がある。

普通の繁殖期と違って不定期なので読みづらいのだが、それをするほどこの辺では数が減っているということだ。

ただ……これが起きると手当たり次第に襲っては食糧とするなど凶暴性も増す為、早急に対処しないと食肉用の獲物まで取られてしまう事になる。


これが人里まで来ると悲惨だ。

女性は拐われ苗床となった後に食われ、男はそのまま食われる。

作物も荒らされてあとに残るのは破壊の限りを尽くした廃村……ということもままあることだ。


テンペストはその脅威を排除するため、この場で討伐を決める。


『ウル、ギアズ、左手前方の森の中にオークの集団らしき反応を確認しました。交戦を許可します』

『了解しました!』

『おお、本番前に慣らしが出来るな!』


エイダの護衛を詰め込んだオルトロスとケルベロスが道を外れて森へと進む。

ニールはエキドナのレールカノンの銃座に付き照準を合わせて待機だ。


「地味にこれも室内になったんだね」

「ええ、外で操作するのは周りが見える反面、狙われやすく、また無防備であるため内部で操作できるように変更しておきました。飛竜戦の時にニールが危険に晒されていた為やはりあれでは駄目だということで」

「……あれは……うん、本当に怖かったよ……本気で死を覚悟したからね」


今でも鮮明に思い出すことが出来る。

風竜の怒りに染まった顔がこちらをゆっくりと振り向く光景。

絶望そのものが目の前にあったのだ。

勝ってからもしばらくは全身の震えが止まらなかったし、帰ってきてからも突然手が震えたりとかでもう色々大変だったのだ。


「もうあんなのはごめんだよ……っと、護衛の人たちが誘導して森の外に連れ出してきたみたいだね」


望遠で様子見をしていると、魔導車から降りた護衛たちが囮となってオークを引き連れて森の外へ出た。

相当気が立っているのはここから見ていてもよく分かる。

しかし、全部出てきた所でオルトロスとケルベロスの一斉掃射を受けて次々と倒れていった。

テンペストが言うには全部で42匹という大所帯だったらしく、それらが全て肉塊と化して平原に倒れていると言うのは色んな意味で酷い絵面だった。


剣を抜いて撃ち漏らしを警戒していた護衛達も、何事もなかったかのようにそれぞれの魔導車に乗り込んで戻ってくる。


「お疲れ様です」

『なんの。バルカン砲でなくレールカノン打ち込もうとしたがウルに止められてしまったわ』

「あの至近距離で、しかも護衛達が外にいる状態では危険すぎます!」

「……ウルが全面的に正しいじゃねぇか。何やってんだよあんたは……」

『あれだけ固まっていたら一発デカイので蹴散らそうと思うのが技術者であろう!』

「気持ちはわかるけど、周りの安全確保した上でやってよ?レールカノンの音とか風圧馬鹿にできないんだからね?」


発射と同時に響く轟音は、同時に音速を超える爆風を伴う。

砲口付近に居る人間は吹き飛ばされるまでは行かなくとも、耳に大きなダメージを負う可能性が高いのだ。

下手をすれば鼓膜が破壊されて耳が聞こえなくなる。


「次から気を付けるように。……やはり、オークでしたね。一応ギルドの方にも警告を出しておいたほうが良いかもしれません」

「賛成だ。王都に着いたら教えておこう。後は適当にギルドに仕事を割り振るだろ」

「皆様お疲れ様です。怪我をされた方は居ますか?」

「護衛の方々含めて怪我人はなし、問題ありません。エイダ様、彼らをこの様に使うことになってしまい申し訳ありません」

「ウル君は真面目ですね。大丈夫です、私の護衛ということはこのエキドナに近づく可能性のある魔物にも対処しなければならないのですから。それに……彼らには少なからず精霊の加護があるわけですし」

「加護?」


精霊と話ができずとも、気に入られたものなどは一方的に精霊が加護をもたらす時がある。

人族などよりも上の存在である者達が直接干渉してくるもので、これを受けたものは何かしら能力が上がっていることが多い。

護衛の彼らであれば、特定の魔法、体力、筋力など一つに関して飛び抜けた才能を発揮するのだ。


「……テンピーも誰かに加護をもたらすことが出来るかもしれませんね?」

「私がですか?……と、言われてもどうすれば良いのか分かりませんが」

「やり方は私も分からないわ……。でも可能性はありそうだとは思わない?」


精霊として認識されているからなのだが、本人にそのつもりはないのだ。

自分は人工知能から派生した存在であって、精霊では決して無い。


……しかし、加護を与えるとしたら……。


「もし、出来るとしたらニール、あなたに加護を与えたいです。どのような効果があるかは知りませんが」

「テンペスト……」

「あー……はいはい、惚気は他所でやってくれ。とりあえず出発するぞ」


その言葉に赤くなったのはニールだけだ。

他の者達はニヤニヤとニールを見て、テンペストは涼しい顔で既にエキドナへ乗り込もうとしている。

そんなテンペスト達をみてエイダはクスリと笑う。

できればこの様な時間がずっと続いて欲しいと精霊に願うのだった。




哀れオーク。しかし慈悲はない。

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