第百二十五話 久しぶりの我が家
歓待パーティーが盛大に行われ、一日中音楽や踊りに明け暮れ、食事を楽しむ。
テンペスト達が楽しんだのは主に食事だが。
これに興味のないテンペストとしては抜け出したかったのだがそうもいかず、仕方なしに端っこの方で黙々と美味しい食事を食べ続けていたのだ。
その日はそれで全てが終わり、ついに帰る時が来た。
「やっと帰れる!」
「早く家に帰りたいですね」
「うん。もう自分のベッドで寝たい……」
ここまで長い間自分のベッドから離れたことはなかった。
もちろん、泊まった先が快適じゃなかったわけじゃない。でもいつも使っているものと言うのは特別なのだ。
自分に馴染んだものに包まれて眠りたいというのは当然だろう。
とにかく恋しいのだ。
ルーベルの人達に見送られて、コーブルクとハイランドそれぞれの帰路へと付く。
ずっと大人数で移動していたのでものすごく少なくなったように感じる。
その間、特に何にも襲われることもなく普通にハイランドまで付いた事がむしろ変に感じてしまうくらいだった。
帝国では移動すれば何かしらに襲われていたような気がしたのだが、それに比べてこちらの平和っぷりが際立つ。
「僕こっちに生まれて良かったなーって、今しみじみ思ったよ」
「そうですね、向こうに居たときから考えればかなり平和に思います」
「あれ?テンペスト様、あれ……何でしょう?」
運転しているラウリが何かを見つけたようだ。
だんだん近づいてくるのはハイランドの入り口、山の麓だ。
その入口脇の所に見覚えのないものが付いているのだ。
「山頂からずっと続いてる……ってことは……」
「エレベーターかもしれません。いつの間に完成していたんでしょうか」
「国の方で作るって言ってたんだっけ?」
「そうですね。この技術はすでに公開済みです。案として斜めのエレベーターを出していたのですがそれを採用したようですね」
そこにあったのは昇降用大型エレベーターだ。山肌を削り、一定の傾斜角度で一気に頂上まで上ることが出来る。
通常の上り道に比べて相当早く上がることが出来るわけだ。
それも乗っている間は何もしなくていい。
そして……。
「お待ちしておりました!こちらの台の上にお進み下さい!」
稼働していた。
少し前に完成したばかりらしく、頂上につくまでは大体30分ほど。
ゆっくりと登っていくとは言え道を進むよりも遥かに早いのだ。
今回は全員無料だが、通常は有料となる。
広さはかなりあり、テンペストのエキドナを出しても問題ないほど。
全員が乗り終わると、手すりがせり上がってゆっくりとエレベーターが上っていく。
これにはみんな感動の声を上げていた。
オルトロスを使っても大分時間のかかる道のりを、一気に上ることが出来るのだからこれほど楽なことはない。
敵襲の場合にはこのエレベーターを上に上げて置くだけでいい。
エレベーターのレールを辿って来たものは上から狙い撃ちにされるだけだ。
「すっごい楽だね」
「これは一度使ったらもう戻れませんよ……運転しなくても登れちゃうんですから。有料でも使いたくなります」
「実際それを狙っています。一度体験させることでその人は味を占めます。お金に余裕がある人……貴族や大商人などであれば財布の紐が緩むというわけです。大荷物を持っていても下りでいちいち気を使わなくて良くなりますので」
「……少なくとも今回の皆はそう思うんじゃないかなぁ……。いい商売だねこれ」
それが国のお金としてダイレクトに入っていくのだから美味しいだろう。
しかも利用金額は高い。
30分後ついにハイランドへと戻ってきた。
そのまま王都へと向かい、次の日に城に集まることとなった。
テンペスト達とサイモンはカストラへと移動し、明日の朝直接ここに戻ってくる。
近くの領地のものは同じ選択をするものも多いようだ。
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サイモンとニールはテンペストの屋敷へ、その他はそれぞれの場所へと一旦帰る。
ちなみにニールは今まで住んでいた場所を引き払って、テンペストの屋敷に引っ越しだ。
どうせ一緒に住むのだからという事で無理やり引っ張ってきたというのもあるが。
不在の間にテンペストが発注をかけていたと言っていた通り、テンペストの屋敷がリフォームされている。
外見こそ元のままだが、中が全く違うのだ。
「ねえ、テンペスト?床が光ってるんだけど」
「あの水晶洞窟を覚えていますか?あそこの水晶を採掘して板に加工し、真下に光源を仕込んでいます。暗い夜でもぼんやりと足元が見えるのです」
まず入ってびっくりしたのがそれだった。
大理石の床に混じって半透明の床が混じっていて、そこが微妙に光っている。
廊下の中央にラインが引かれたようになっているため、暗闇であってもどこを通ればいいかが分かるという寸法だ。
「……凄いな、これは。下に入っているのは何だ?」
「ライトストーンです。それを粉にして一枚のプレートに加工し、微弱な魔力を流すとこの様に光るのです。魔力の量に応じて光量は変化するので眩しいくらいにも出来ますが、これくらいがちょうどいいでしょう」
「上の物もまさか……」
照明も同じようなものに変えている。
こちらはガラスを使ってその表面にライトストーンの粉を撒いて固定しているのだ。
「そんなに薄く出来るのか!」
「思いつきだったのですが上手く行ったようです。まだ配合率は秘密ですが光量を上げる工夫をしてあります」
「凄い……僕もこれは知らなかったな……」
今のところテンペストと一部の関係者しか知らないことだ。
もう一つ改装したというか増設したところもあるが、今はまだ内緒である。
「サイモンはこの部屋です。ゲストルームですが、一通りのことがここで出来るようになっているので、必要があれば設備は自由に使って下さい」
「なるほど小さな家だな。遠慮なく使わせてもらうよ」
「食事や風呂などに関してはメイ達がその時に案内するでしょう。兵士の皆は別棟の方へと移動してもらっています」
「よくぞここまで……。流石はテンペストだな。義理とはいえ父親として鼻が高い」
「そう言ってもらえるとうれしいです」
テンペストが降り立ったあの日から、あっという間に領主としてきちんと独り立ちしていった。
そして一つの戦力としても申し分ないほどに成長しているのだ。
様々な分野のエキスパートを集めた研究都市を作り上げ、更にその知識を活かすために学校を作ってまでさらなる発展を目指している。
街の規模こそ違えど、このカストラ領の狭い地域はすでに開発しつくされていると言っていい。
通常、何一つ無い土地から開墾するのは1代では到底終わらない物だ。それがいくら魔法の力を使えると言っても同じこと。
しかし正攻法と常識外の魔法の使い道を見出し、それをやってのけたのだ。
そこにサイラスなどが加わって盤石なものへと変わっていく。
褒める以外に何があるだろう。
「……ですが、実子をもうけられたほうがいいかと思います。私では血が続きません、血脈というものが必要なのでしょう?」
「個人的にはどうでもいいんだが……」
苦手意識が強いサイモンとしては、このままテンペストを子として継がせてしまっても良かったのだが……突然そんなことを言われて少し戸惑ってしまう。
血の流れと言うものは確かに大切だ。しかし養子をもらってその子に継がせる家だって無いわけではない。
その時点で血は途切れるだろうが意思は残る。……もちろん、それを全て無駄にする者も多いわけだが。
「何も知らず相手の気持ちという物も分からず、感情も無かった私ですが……ニールと出会い、変わりました。まだ不完全ですが今の私の感情は恐らく「幸せ」であるでしょう。心が安らぐという感覚、そばに居たいと思う気持ち、いずれも目に見えないもので、言葉で説明することも難しいものをニールから教わりました。サイモン、あなたもきっとそのような相手が見つかると思います」
「はぁ……敵わないな。まあ頑張ってみるさ」
考えたことが無いわけでもない。
金、名声、地位、そういったもので何の感情もないままというのが嫌だっただけだ。
ある意味でサイモンも純粋というか、純情なところがあるらしい。
「それにしてもニール。君のおかげでどんどんテンペストが人間らしくなっていく。私にはここまでできなかっただろう、感謝するよ」
「えっ、あ、ありがとうございます」
「一体どうやって愛だの幸せだのを教えたんだ?」
どう、と言われても。色々と恥ずかしいことを言いまくって説得したとしか言いようがない。
教えろと言われても口に出したくないのだ。
それにどちらかと言うと、ニールのことを手玉に取りつつ、テンペストが勝手に覚えていった様な気がしてならない。
どちらかというとニールは振り回されている方だ。
最近のテンペストのニールに対するくっつきっぷりは異常で、色々とニールは我慢に我慢を重ねていた。異性の身体に対する興味が尽きないらしく機会があれば……という位には見られまくっている気がするのだ。
「……勝手に覚えた気がしないでもないです……」
「まあ、お前は婚約者として認めたんだ。この調子で頑張れ」
「が、頑張ります」
何かあったら絶対殺される……。そう思ったニールだった。
最近の事を相談した方がいいのかどうか、色々とあったのだがものすごく怖い。
結局何も聞けずに、サイモンと別れてニールの部屋へと案内された。
「あの、僕の家にあるはずの荷物が何でここに」
「今回の報酬でニールの功績を認め、貴族としての立場を手に入れるのです。そうなれば本格的に私との婚約を結べますので。どうせやるならと引っ越しを済ませておきました」
「え……家は……」
「本人でなければ解約はできませんので」
「うん、正直それやられたら僕の地下室がヤバかった」
地下にはニールの収納があるのだ。
やるならきちんと埋めて新しく作り直してから出ないと不法侵入になる。
「ニールの倉庫に出来る場所は確保してあります。容量はどれくらいでも構わないですので好きに作って下さい」
「じゃぁ、後で中身出して魔晶石も回収してくるよ」
「とりあえず今日はここで。後で私の部屋に来て下さい」
「?……いいけど。ちょっと着替えたら行くよ」
テンペストが出ていく。
引き続きニールに付く使用人はニーナで決定したらしい。
「ではニール様、着替えを手伝いさせていただきます」
「な、なんか……慣れない」
「慣れて下さい。ここではもうハイランド国内ですから。船や宿ではテンペスト様の命令であまりお世話できませんでしたが、ここではそれなりの振る舞いをしていただかなくては困ります」
「頑張るよ……」
先行きが不安になるが仕方ない。
結婚するためにも必要な試練であるわけだから、これに慣れていかなければならないのだ。
風呂と就寝前に関しては呼ばれない限りは部屋に戻っているということだったので少し安心する。
そもそも四六時中居るわけではなく、決まった時間に決まった事をするくらいなので、1人になれないというわけでもない。
その代わり部屋の掃除などは全て担当するので、見られて困るものなどは置かないようにしようと心に決めるのだった。
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「テンペスト様、ニール様がお見えになりました」
「入って下さい。ニーナ、メイ、ありがとう。ここからは2人で」
「かしこまりました。御用があったらいつでもお呼び下さい」
テンペストの部屋に案内される。
よく見るとここの床も全てが例の床になっていた。
明かりを消すと床全体が光るという。
テンペストが呼んだ理由は、是非とも見せたいものがあるということだった。
部屋の奥のドアからエレベーターを使って地下へと進む。
そしてドアが開いたその先には……。
「これ、って……」
「以前ロジャーに連れて行ってもらったあの温泉がある所で気に入った水晶風呂をここで再現してもらったものです」
滑走路のときと同じように山肌に横穴を掘り、その場所に水晶の床を敷き詰め……その中央に5人ほどが入っても問題ないほどの大きさの水晶切り出しの浴槽が幾つか埋め込まれていた。
注ぎ込まれているのは近くで発見された源泉のお湯だったり、水だったり。
お湯は熱くもなく、温くもなく。常に流れ込む水とお湯は排水溝を通って外へと流れていく。
「見晴らしもすごくいい……」
「ここは私とニールだけのプライベートバスです。私達以外は入ってくることが出来ません。その窓の部分も全て強化されたものですし、切り立った崖の中央にあるので上ってくるのも難しいでしょう。それに……きちんとシャッターも降りますから外が気になるときには閉めることが出来ます」
「すごい……僕とテンペストだけの……」
「水の方も少し温めてあるので気持ちいい位になっているはずです」
温水プールよりは少し冷たいくらいだが、暑い日などにはいればとても気持ちが良いだろう。
天井からは疑似太陽光が降り注ぐのでとても明るく、天井から床まで全てがガラス張りという窓のおかげもあってとても開放感にあふれる場所だ。
流れる水の音もとても心地よい。
浴室自体が広いので入口付近に椅子を持ってきてそこで読書をしても楽しめそうなほど。
「どうですか?」
「いや……もうなんというか……凄い。びっくりした」
「ここなら思う存分楽しめます。誰にも邪魔をされず、誰にも咎められることはありません」
食事をした後にここに来てゆっくりと入浴しようということになり、2人はまた部屋へと戻った。
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「……良かった……」
「はい。家に居ながらあの気持ちよさを体験できるようになるとは思っていませんでした。いいものですね」
「なんかもうあそこでずっと篭ってたいくらい」
「2人で水風呂というのもいいですね。水着を着ないと開放感があります」
それをやられて色々とニールも困るところはあるが、もう開き直っている。
どんな状態になろうとテンペストは気にしないし、自分も気にしない。
生理現象なんだから仕方ない。
そんな気持ちで色々とイチャイチャしたりなどして過ごしていた。
そしてその上で楽しんだら、何故かとても楽しかったのだ。
「開放的って……いいね」
「そうですね。すごく気持ちがすっきりした感じがします。……ではそろそろ行きましょう。明日は王都へ向かわなければなりません」
「そだね」
名残惜しいけど明日のためにも眠っておきたい。
部屋に戻って、ついに久しぶりの自分のベッドへと潜り込む。
染み付いた自分の匂いが心地よい。
自分の形に馴染んだ寝具が心地よい。
思いっきりそれを堪能しているうちに、ニールは完全に眠りに落ちていた。
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翌朝、エキドナで王都へと向かった一行は王城へと入っていった。
ギアズも入れることは分かったので全員が揃って列に並んでいる。
多くの国民もこの日を待ち望んでいた。大勢の人達が王城内の会場には入りきれずに、門の前の広場を超えて大通りまで人だかりができていた。
なにせ今まで成し得たことがない偉業の達成なのだ。
その警備にフォルティシアが当たっているようだが、フォルティシア自体も民衆にとっては目新しい王都の装備品だ、足元にまで人だかりが来て動けないでいる。
音楽が鳴り響き、歓声が止むことはない。
しかしそれも王様が出てくるまでだ。ひときわ大きな歓声が上がるが、王様が手を上げた瞬間にその声がだんだん小さくなっていく。
「よくぞ戻った。誰一人として欠けずに戻ってこれたこと、嬉しく思う。今ここに、彼らの偉業が達成された。諸君らの名はハイランドの歴史にしっかりと名を刻まれることだろう」
船に乗っていた全員が、公式記録として残される。
これは王家の歴史書に書かれるもので、これから先ハイランドある限り後世まで伝えられるということ。
主要な人物だけが記録されるのではなく、全員。テンペスト達も、そして彼らを支えた使用人、他国の人間、船員それら全てを含んでいる。
同じくこれはコーブルク、ルーベルの方にも記録される。
名を残したいと願うもの達にとっては何よりの報酬となるだろう。
それほど栄誉ある事だ。
話はさらに続く。
「今までの達成者と違うことは4つ。1つは少人数で、多くの船団に守られながらではなくたった1隻だけの船でこれを成し遂げたこと」
単独の戦力を持ちながら、快適に過ごすための場所まで確保し、これまでで最大の船を使って成し遂げた。初めての試みだった。
「1つはこれまで突破する方法が分からなかった海流の壁。これを突破するための方法を確立したこと」
完全に解明できたわけではないが、突破するだけなら難しくはなくなった。
海流を乱し、その隙に出入りすること。もしくは海流の下を潜ること。これだけでよかったのだ。そんなこと……と思ってもこれまで「そんなこと」に誰も気づかなかったのだ。
「1つは海を渡った向こう、神聖ホーマ帝国へ上陸し……その国の文化や物、考え方などを持ち帰ったこと」
残念ながら貿易は途中で頓挫したが。それでもどのような場所だったのか、人々はどのような暮らしをしていたのか、そういった情報一つ一つが貴重で重要なものだ。
最も、テンペストによる地形データはそれを簡単に上回る最重要機密である。
「そして最後に今まで誰も成し遂げた試しのない物が1つ。全員の帰還である」
これは今まで本当に成し遂げられた例がない事だ。
旅に出た物が全員無傷で戻ってくることなど無かったのだ。必ず多数の死傷者を出し、見送った家族の大半が涙を流していた。
しかし今回は違う。危機に陥りながらもそれを見事に突破し、誰一人として犠牲者はなかった。
全てが初づくしのまさに偉業だ。
王様の話は続く。長い訓示が終われば今度は1人1人の名前が読み上げられ、勲章や授爵、陞爵についてが発表された。
結果、テンペストとコリーは伯爵となり、ニールとサイラスは子爵となった。
また特例として軍は持てないが個人の武力を持つことが許される事となったのは大きい。
当然ながら犯罪となる侵略などはせず、魔物以外では基本的に守るための物として使うという制限はあるものの自分達が攻撃された場合はその限りではないので問題ない。
元々誰かを襲うつもりもないわけだから、制限があってもなくてもそうしていただろう。
つまり堂々とサーヴァントやマギア・ワイバーンを使えるのだ。研究のためという目的以外に純粋な武力として使える。
この後各自順に呼び出されて正式に授与が行われることとなる。
発表が終われば後はいつもどおりのパーティーだ。
派遣された人達のところには限られた人達しか入れないものの、外でもそれぞれお祭り騒ぎとなっている。
航海の話などを貴族の子どもたちにせがまれて、テンペストとニールが教えてやったり、色々と他の貴族達とも話をした。
これまで実力を疑問視されたりしていたテンペストだったが、実際に見た者達からの証言と信頼は厚く打算的とは言え味方も増えたようだ。
おかげでテンペストが気に入らない者達も表立って文句を言うことができなくなり、パーティー自体も純粋に楽しむことが出来たのだった。
「……終わったね」
「ええ。とりあえず、今回の旅は終わりました。……そしてニール、おめでとうございます」
「ありがとう!」
「では、私とニールの婚約を大々的に発表しておきますね。これでもう面倒な求婚の手紙など来なくなるでしょう」
「それは……どうだろ」
止まらないんじゃないかな?とニールは思う。
40歳とかのおっさんからの母親から息子はどうでしょうとか来たりもしてるし、内容的にも私のほうが相応しいなどという話の通じなさそうな人からも来ている。
まずは自分の身を守らないとなぁとニールは覚悟をするのだった。
ニールが悟り始めた。
今回で代3章オシマイです。
次から新しい章へと進みます。