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鉄の竜騎士 -元AI少女の冒険譚-  作者: 御堂廉
第四章 カウース大陸編
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第百二十二話 別世界?

「ここは……何処でしょうか?」


 見渡す限りの大森林と大草原。緑色と空の青しか見えない。

 先程までは海の上に浮かぶ島に居たのだ、ここまで上昇していれば絶対に海が見えていてもおかしくないのに、全く見えない。


 一旦下に戻って、洞窟内部へと入っていくと涼しい空気が身体を包み込み、ニールとギアズがこちらを見ている。


「どうだった?」

「……分かりません。この上は今いる島ではありません。どこか別の場所につながっています」

「え?」

『どういうことだ?』


 どういうことだと言われても、そうとしか言い様がなかった。

 別の空間、別の世界、この世界の何処か……今のところそのうちのどれかは分からないが、ともかくこの島ではない何処かへつながっているのは確かだ。


 そこにあった木々は大きく、幹は大人がどれだけいれば手をまわせるだろうか。

 高さも普通の木どころではなくまさに天を衝く勢いと表現することができそうなくらいだ。

 流石にユグドラシルの様なものではないが。


『そのような森は儂は知らんな。どこかにあるのかもしれんが……』

「面白いところだね。何かに使えたりしないかな」

『そうだ、周りに転移系の仕掛けなどは無いのか?』


 魔力の流れを見ていくが特にそういった物は見当たらない。

 装置も魔法陣も。


「……特に何もありません。自然に繋がっている感じです」

『ふむ……まあよい。どうせ船を作るのだろう?ここにはまた来ることが出来るのだ、その時にゆっくりと検証することとしよう。まだ奥は続いているがどうする?』

「ここまで来たらもうちょっと奥も見てみたいよね」


 テンペストも同感だ。

 美しい地底湖の脇を通り抜け、更に奥へと進むとまた少し開けた場所へと出たが、今度は鍾乳洞だ。

 美しい石灰岩の鍾乳石は圧巻だ。

 皿が複数枚固まったような変わった形の石柱もある。


「……ちょっと、上を見上げると落ち着かないなぁ……落ちてきそう」

「そうそう落ちては来ないはずですが。ここまで育つにはどれだけの年月が必要だったのでしょうね」

「ギアズ位?」

『……もっとではないか?分からんが。しかし……圧巻だな。これを壊さずに進むには難しそうだ、引き上げるとするか』


 今見た光景はしっかりと記憶しておいて、洞窟を後にする。


 出た瞬間に物凄い暑さが襲ってきたのは言うまでもない。


「い、息苦しい……肌が痛い……」

「この温度差は流石につらいですね……」

『温度が分かることは分かるが、体感することがないと言うのはこういう時には便利だと感じるな……』

「ずるい」

『アンデッドになるか?』

「遠慮します」


 先程まで涼しいというよりも若干寒い程度の場所に居たのに、今は30度を超える暑さの中に出てきている。温度差は10度を超えているのだから辛いのも当然だろう。

 体の周りの温度を強制的に下げて対応したが、突き抜けてくる日差しの痛さは健在だ。

 とりあえずさっさとテントへと戻るに限る。


 戻ってみればコリー達も大分バテているようだ。

 毛が濡れているから多分水浴びしたんだろう。

 確かにこの暑さはコリーには辛い。全身を覆う毛が体温を逃してくれないのだ。

 照りつける日差しからは守ってくれても、熱が篭ってしまえば意味がない。


「コリーつらそうだね……」

「まあな……ってかお前らどこ行ってた?」

「ギアズとその辺ぶらついてたんだ。ちょっと待っててね」


 まずはサイモンに報告だ。

 サイモンのテントに入るとサイモンもかなり薄着をしていた。今日はやはり昨日よりも気温が高いらしく流石に辛いらしい。

 テントの中自体は涼しいので問題ないだろうが、正直今日は外にはあまり居たくない。


 簡単に洞窟の調査結果を報告する。

 中は大分広いことと、通り抜けたところにある地底湖の上は崩れて穴が開いていたこと。その穴の向こう側はどう見てもこの島の何処かではないこと。

 鍾乳洞に関してはある意味でありきたりではあるので結果だけだ。


「別の場所?」

「はい。この島であれば少し空に上がれば必ず海が見えます。しかしその場所は見渡す限り大草原と大森林のみでそれ以上のことは分かりません」

「下手に動かず戻ってきたのはいい判断だと思う。しかし、転移系の魔法がかかっていたわけでもないというのならば……何なんだろうな?」


 ただ、自然にそこに繋がっている。

 本当にそのようにしか感じられない自然さだった。

 物理的につながっているのだとすれば、量子物理学者なんかが喜んで飛びつきそうな話題だろうが、残念ながらここにはサイラスしか居ない。


「少し気にはなるが……。あまりここを離れるのもな……時間はあるし少し行き方を考えてみるか。サイラスも暇そうにしていたぞ、次は連れて行ったらどうだ?」

「全員行きたがりそうですが」

「……それもそうだな……」


 サイラスも行くなら絶対コリーも行きたがるに決まっている。

 涼しい所に行けるのだから余計にだろう。

 とりあえずは明日どうするかを決めることにして、今日はだらだらすることにした。

 暑いのだ。


 □□□□□□


「やっぱりこうなるよね」


 翌日、洞窟の何処かにつながっている所を見に行くという事で声をかけたら見事に全員反応した。

 当たり前だろうとツッコミを入れられつつ、サイモンとギアズを残して4人で行くことが決定し、入ったらテンペストが周辺を少し探ってみる事になった。


「おおお!涼しいじゃねぇか!」

「風穴ですか、この暑い時にはちょうどいいですね……出たくなくなりますが」

「キャンプここに張っとけば良かったって思うけど、ビーチまで遠いんだよねぇ。近かったら最高だったのに」

「全くだ」


 暗い洞窟の中を一列になって進んでいけば、例の地底湖へと辿り着く。

 今日も同じように上から陽の光が降り注いで地底湖の青い水が綺麗に浮かび上がっていた。


「これは……泳いだら気持ちよさそうですね」

「お前らマジで昨日ここに来てたのかよ……俺も連れてけよマジで暑かったんだぞ……」

「ごめんごめん。どんなとこか分かんなかったからさ」


 昨日コリーは軽く熱中症になりかけたのだった。

 身体を覆うその体毛のせいで体温が上がり、具合が悪くなったためにテンペストが出していたシャワールームで水浴びをしていた。

 おかげで乾くまで外に出ていなければならなかったわけだが。


 そして今日も昨日と同じくらいにやたらと暑い。

 テンペストとニールはすっかり日焼けして昨日よりも色黒になっていた。

 サイラスやサイモンは当然ながら日傘の下に居たのでそこまでではないものの、やはり少し黒くなっている。


「ではテンペスト、私のサーヴァントをお願いします」

「了解しました」


 少し狭いが、サーヴァントならあの穴も通れる。

 サイラスが乗り込んで起動したらその手の上に全員が乗り込んだ。

 当然ながらサイラスはレビテーションを使える。そのまま上昇して……穴を抜けた。


 そこに広がっているのは昨日テンペストが見た世界だ。

 誰もが妖精になったのではないかと思ってしまうほどの巨木に囲まれた場所。

 サーヴァントですら小さく見えるのだ。


「話は聞いていたが……正直予想以上だぞこれ」

『大きな木ですね……セコイアデンドロンのようですが多分別種でしょう』

「せこ……何?」

『セコイアデンドロン。私達の世界で一番大きな木の種類ですね。見たことはあるんですがちょっと違う感じがします。それにこれ程までに数が多いのは見たことがない』


 樹木に関して詳しいわけではないので、それ以上のことはわからない。

 空に上るともう穴が見えなくなってしまうため、この場所をマークしておいてワイバーンを出す。


「ニールはどうしますか?ワイバーンにポッドを取り付ければ一緒にいけますが」

『でなければ私と地上の調査ですね。……手のひらに乗ってもらいますが』

「ワイバーンで。手のひらとかその高さで生身とか普通に怖いから!」


 という事でニールはテンペスト達と共に空からの調査だ。

 腰のあたりに手を固定してくれたとしても3mほどの高さもあれば怖いものは怖い。

 しかももともと乗るための場所じゃないからずっと掴まっている必要があるわけだ。


 怖いことは怖いが、それに比べたらまだ輸送ポッドに付け替えてもらってそこに座っていたほうがいくらかマシだ。


「ゆっくり!ゆっくりね!?」

『大丈夫です、レビテーションを使うので空に上るまでは加速はしません』

『ま、慣れろって。ベルトは締めたな?離陸するぞ』


 ゆっくりと浮かび上がっていくマギア・ワイバーン。ニールが乗っているためかなり気を使って飛んでいる。

 巨木の背丈を超えて更に上昇していくと、テンペストの言っていたとおりに大森林と大草原が広がっていた。どちらも見渡す限り広がっており、どう見ても島の景色ではないのは明らかだ。


「本当に全然違う景色だ……」

『ではこの付近を少し回ってみましょう』

『見える範囲には見事に何もねぇな。もうちょい上に上がるか?』

『そうしましょう。サイラス博士、そちらはどうですか?』

『サイラスだ。こっちは穴の周辺を探索中。魔物が居るようだ』


 地上のサイラスの方はサーヴァントで探索中だ。

 巨木の周りには通常の低木なども生えており視界は悪い。

 だが5mの高みから周囲を見渡せるサーヴァントなら特に問題にはならない程度だ。時折鹿や猪といったものに近い動物などが逃げ惑っているが、それに混じって魔物の反応もある。


「この木の葉の密度だと、上からは全く観察できませんねぇ……。人の手が入った感じは無し、自然でこの森ですか……凄まじいですね」


 この巨木が自生していてこの数だ。どれほどの面積を占めているのか全く分からない。


『博士、今から送る場所に多数の反応をテンペストが見つけた。確認してもらえるか?』

「ん?……ああ、本当だね。ではそちらに向かってみるよ」


 恐らく魔物の反応だろう。10や20どころではないようだが……。

 ともかく、その場所へと向かってみることにした。


 少し距離があったのでダッシュで向かってみる。本気で走らせるのは試験の時以来だ。

 茂みを飛び越え、比較的地面が見やすい場所を選んでいく。

 時折巨木の幹に足を付けて木と木の間を飛び跳ねるようにしながらという曲芸を披露しながら。


「ま、誰も見てないんですけど……っとそろそろですね」


 近くまで来たところで速度を落として音を出さないように気をつける。

 こういう時はゴーレムの技術を使った魔力筋を使った動作であることが光る。モーターであれば間違いなく音がしていたはずだ。


「……オークですね、これは」


 でっぷりと太った身体の割に手足に筋肉が見える。棍棒や斧を持つその姿は力のないものたちにとっては恐怖そのものだろう。

 事実、数名の男性らしき死体が転がっており、棍棒を手に最後の一人へと迫っているようだ。

 ガチガチと歯を鳴らしながら腰が抜けて立てないのか脚をばたつかせている。

 それでもまだ剣を離さず目の前の巨体に向けて居た。

 よくよく見てみればまだ成人したてだろう、幼さが顔に残っている。


「運がありませんでしたね『そこの少年、そのまま動くな』」


 突然オーク達の背後から聞こえてきた声に反応してオークが騒ぎ立てている。

 獲物がまた来たと喜んでいるかのように、斧や剣、棍棒を打ち鳴らしては威嚇していた。

 その中の堪え性のない数匹がそのまま向かってきたので……剣で横薙ぎにすると一瞬で肉塊と化す。


 突如仲間が斬り殺されたのが意外だったのか、ピタリと騒ぎが止み……茂みの中から姿を表したサーヴァントの姿を見て半ばパニックになり始めた。

 流石自分達よりも大きな相手が出てくるとは思っていなかったのだろう。


 一瞬で間合いを詰めてその辺で棒立ちになっているオークを切り裂き、ショットガンによって吹き飛ばして行くと流石に敵と認識したのか怒り狂って襲ってきた。

 ……が、使っている武器が悪すぎる。あれは数打ち品の安物だろうか……すでにぼろぼろになったそれをサーヴァントの装甲にぶち当てたところで傷一つ付くわけもなかった。


 足の爪を出して蹴れば即座にミンチになり吹っ飛んでいく。

 2mからそれよりも少し大きい程度の物がいくらかかってきても、このサーヴァントの力には敵わない。


「親玉ですかね……?」


 流石にそれが分かっているのかでかいのが出てきた。

 大きさだけ見ればサーヴァントと同程度。ニタニタと笑いながらその辺の木を引っこ抜いて作ったような大きな棍棒を持っていた。

 なるほどあれに殴られると思えば普通は萎縮するだろう。


 唸りを上げて太い棍棒が振り下ろされる。

 それを左腕に付けられたシールドで弾き、顔面に思いっきりパンチを食らわせ……パイルバンカーが作動する。


 頭部を破壊され力を失ったでかいオークが崩折れると、周りの取り巻き達はさっさと逃げ始めてしまった。

 後の事を考えれば全滅させたほうが良いのだろうが、とりあえずは目の前で自失呆然としている彼を助けたほうが良いだろう。


 水を出して血を洗い流してからゆっくりと近づく。

 突然自分に影が落ちて我に返ったのか、こちらに顔を向けるが……。


『……そんな顔しないでもらえますかね。助けたのですよ、もう奴らはいません……って、言葉わかります?』

「……」


 全然反応がない。

 周りの反応を見て敵が近くにいないのを確認すると、サーヴァントから降りて少年の前に行く。

 今度は突然サイラスが出てきたことに驚いたようだったが、人が降りてきたことで幾分か安心したらしい。


「大丈夫かな?」

「あ……う……-----!!---!?」

「あ、ダメだこれ。言葉が分からない……テンペストならどうだろう……いや無理か」

「---。------?」

「すまない、何を言っているのか……。とりあえず、私と、一緒に、ここを離れよう。いいか?」


 全然良くなかった。全く通じない。

 なんとか身振り手振りで伝えて見るが、なかなかそこを動こうとしない。

 向こうも分からないなりに何かを伝えようとしているようだ。


「----!!」

「んー……向こうになにかあるのか?」


 何度か指差す方向があったのでそちらに向かってみると、首を縦にブンブン振り始めた。

 合っているようだ。

 そこではたと気がついた。誰かまだ生きているのでは?と。

 すぐに反応を見てみると、正面の木の洞になっている所あたりに反応がある。

 敵対はしていないが弱っているようだ。


 一応、いつでも攻撃できるようにしながらゆっくりと近づいていくと……。


「う……なるほど……そういう事ですか」


 そこに居たのは服を剥ぎ取られて気を失っている女性だ。

 すでに行為は行われた後だったのだろう、ひどい状態になっている。

 恐る恐ると言った感じで近づいてきた少年も、それを見て絶句していた。

 恐らく、ここで死んでいる者達と少年と女性は全員同じパーティーか何かだったのだろう。

 そしてここでオークと出会い、数の暴力によって嬲り殺されてしまったというわけだ。


「彼女はまだ生きている。一緒に来てくれ」


 言葉は分からなくとも、行動でなんとなく察してくれたようだ。

 かける布も何も無いが仕方ない。

 そのままサーヴァントの手のひらに乗せ、しっかりと掴まっているようにと身振りで教えてやる。


「サイラスだ。指定された場所にはオークの集団が居た。誰かすでに殺されていたようだが生き残りが2人いる。悪いがそっちに乗せてやってくれないか?」

『治療は必要か?ポッドの中に座らせたり出来るなら良いんだが』

「片方は意識もあるし、自分で歩ける。もう片方は……女性だが気を失っているんだ。オーク集団の中で女性というだけで状況は察してくれ」

『……分かった。身体くらいは洗ってやりたいな、少し行った所に道と小屋のような所を発見した。今は誰も居ないようだからとりあえずそこに行こう。応急手当をした後、ちょっとした街らしき場所も見つけてあるから……そこに置いていったら良いんじゃないか?』


 離れた所に大規模な村か小規模な街の様な集落があるらしい。

 ただ、そこにサーヴァントやマギア・ワイバーンで乗り付けるわけにもいかないので、オルトロスを出していくことにした。

 馬のほうが良いかもしれないがどうしようもない。


 指定された場所に到着すると、一旦マギア・ワイバーンとサーヴァントは回収してオルトロスを出す。

 これもびっくりしているようだ。

 あまり手の内が分かるものは使いたくないのは確かだが、ここから集落が見えるところまでどれを出しても問題がある。ギリギリこれなら……というのがオルトロスなだけだ。

 魔導車を知らないのであれば、そういうものがない田舎の方なのだろう。


「テンペスト、悪いが彼女を洗ってやってくれないか?」

「分かりました。……すみませんがニール、手伝ってください」

「うぇっ?!僕??」

「コリーやサイラスでは狭すぎますので」

「ああ……シャワールーム使うのね……分かった」


 少年が何か言いたそうだったが、とりあえずは傷を直しつつ身体を洗っておかないとまずい。

 それに女性であるテンペストが中の洗浄を担当するほうが安心だろう。

 ……ニールが手伝いに駆り出されたのはサイラスも予想していなかったが。


 □□□□□□


 顔を真赤にしたニールと、いつもどおりのテンペストが出てきたのは30分ほどしてからだった。

 オークの物を中から掻き出し、テンペストに寄って滅菌を施され、蒸留水での洗浄とニールにとっては少々衝撃的な光景が続いた。

 すべて終わってから傷口はピクシーワードとは何だったのかという勢いで無詠唱で塞がれていき、内出血も回復していく。


 すっかりきれいになった彼女に、シーツを使って体を包み肌を見えないようにして置いた。

 というのも、残念ながらテンペストの持っている服はどれもこれも小さかった為どうしようもなかったのだ。


「ここは炭焼きとかに使っていた所みたいですね」

「え、この大きな木ばっかりの所で?」

「ええ。乾燥させている木が何本かありましたよ。全てこの巨木のものです」

「これ、切れるんだ……って言うか移動とかも大変だっただろうに……」


 どんな人物が使っていたのやら。

 この巨木の森でこの木を切り倒して炭焼きと製材も行っていた跡があった。

 どのようにしたら出来るのか見当もつかない。


 とりあえず、この小屋から伸びている道を真っ直ぐ進めばテンペスト達が発見した集落へ続いているようだ。全員を乗せてオルトロスを走らせる。


「……言葉通じねぇんだよなぁ……どうする?」

「大きめの集落ならまず門番居ますよねぇ……何と説明したら良いものか……」


 身振り手振りだけではなんともし難い。

 細かい説明などは現在進行形で泣いている彼に頼むしか無い。

 テンペストも情報が少ないために翻訳が出来ないのだ。

 もしも不審者として捕まったら……と、不安が尽きないまま進んでいくしかなかった。

未知の場所へ。

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