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鉄の竜騎士 -元AI少女の冒険譚-  作者: 御堂廉
第四章 カウース大陸編
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第百七話 魔法コンプレックス

治るかと見せかけてなかなか治ってくれない風邪

 のどかな耕作地帯を通り抜け、街とその外の境界線である柵へと辿り着く。

 柵と言っても頑丈な金属製のもので、隙間はかなり細い物だ。

 外側の方にはスパイクが突き出しており、そうそう簡単には突破されないように出来ている。

 実際、入口付近の柵には既に魔物が1匹引っかかっており絶命していた。


 両側を固めている兵士たちの雰囲気もこの柵を超えた途端にガラリと変わり、周囲をかなり警戒している様子だ。


 後ろではサイモンが護衛をしてくれている兵士に何か聞いているようだ。


「境界線を超えた途端に本当に雰囲気変わるんだね」

「まさかここまでとは思っていませんでした。道がある以外はほぼ手付かずとは……。普通、街を作るよりも先に流通のための道を整備しそうなものですが」


 もしかしたら順番的にはそうかもしれないが、その道を整備するというのが難しいくらいに魔物が出るのかもしれない。

 そんなに危険な道を通って行き来する人達は少なくなるだろうし、街同士での交流がなくなれば経済活動は鈍くなるだろう。


『聞こえるか?』

「どうしましたか?サイモン」


 ニールと話をしているとサイモンから通信が入る。

 先程兵士と幾つか話をした事に関しての報告らしい。


『道がおかしいだろう?街の発展具合に対して放ったらかしにしすぎている。兵士に聞いてみたがやはり魔物が多く、大人数で作業していると襲われる確率が高いらしいぞ。だからと言って兵士が護衛につきっきりになるわけにも行かないんだろうな』

「ハンター達は何をしているのでしょうか?」

『そっちは単純に金が無いんだろう。大規模な工事となれば出費も激しい。腕のいいハンターたちを雇うにも金が必要だからね。それよりも……大人数で居ると襲われやすいということは、まあほぼ確実に道中戦闘になるぞ。用意しておいたほうがいい』


 ハイランドなどのように戦闘ができる人達というのがこの国では少ない。

 なので依頼料がかなり高額になるのだろう、そのせいで護衛をまともにつけることが出来ないということだ。

 街の壁等は領主が指示するためかならず兵士が付くが、道となると近くまではやれるがそれ以上は皆が通るに任せてというのが現状となる。


 恐らく道を利用する人達はある程度金のある商人達くらいなのだろう。


 そして大人数は襲われるというのであれば……確実にこの人数は標的になるはずだ。


「オルトロスの武装は使わないんだよね?」

「出来るだけ隠しておきたいと思います。サイラスのサーヴァントも。これに関しては出発前にサイモンから全員に通達してあるので問題ないはずですが」

「むしろ私兵とかはやる気になってたけどね。じゃあ防具とか付けておこうか」


 いつでも戦闘態勢に入れるように防具と武器は装備しておくことにした。

 ニールの防具の装着を手伝い、テンペストも防具と武器を装備する。

 飛び道具は使わず遠距離は魔法のみ。ニールは屋根に登ってそこから範囲攻撃を行う流れだ。


「現時点から広域索敵を開始します。モニタに出力」

「確認したよ。既に近くに居るね」

「……あの。何匹かこっちの動きに追従しているのが居るみたいですが?俺の勘違いですか?」


 画面中央に縦に伸びる車列の光点を追うように何匹かが同じくらいの速度で平行移動している。

 そしてその数は1匹、また1匹と増えていっているようだ。


「いえ、数が増えているようです。既にこちらが補足されたと見ていいでしょう」

「ってことは……襲ってくるのは集団……?」

「そうなります。……『こちらテンペスト・ドレイク。ハイランドのオルトロス全車に通達。魔物に追跡されています。戦闘準備を』」


 非常回線を使ってテンペストの声がハイランド製のオルトロスへと届けられる。

 外を見ていると窓の向こう側で狼狽えているようなのでしっかり伝わったようだ。既に戦闘要員は屋根に登り周りを警戒し始めている。

 そんなハイランドの動きに怪訝な目を向けているのはホーマ帝国の兵士だ。

 まだ何もないのに突然戦闘準備が完了している奴らが動き出したら警戒するのも当然だろう。


「ちょっと待って、いつの間にそんなの仕込んでたの!?」

「製造時に強制介入できるようにしてあります。説明はしていませんが」

「もしかして操作とか……」

「やろうと思えば。敵に奪われたときなどを考えれば当然の措置です」

「うわぁ」


 バッチリといろいろ準備されていたことを初めて知って若干引き気味のニールだが、これが自分たちに向けられたときのことを考えれば、それに対処するためのセーフティとして優秀なのは間違いない。


 などと言っていると窓を兵士に叩かれて事情を聞かれた。

 魔物を感知したのでそれに対処するために既に準備しただけということを伝えると、伝えた地点の方へと火竜に乗った竜騎士が1騎向かった。

 少しして火竜のブレスが数発放たれたことで、実際に補捉されていることが確定したため周りの兵士たちの動きが慌ただしくなった。


 密集した状態からある程度広がり、魔物を近づけさせない様にしつつも速度を維持。

 コーブルクやルーベルの方でも流石に気付いたらしく戦闘準備を整えていた。

 火竜の発砲によりほかの魔物もこちらに気づく結果となり、周りに居た魔物の大半がこちらへと動き始める。


「そのまま速度を維持し続けて!」


 外ではそれぞれ近くに居るこちらの魔導車や馬車内部に向かって声をかけていく兵士たち。

 止まってしまえば多数の魔物に取り囲まれるだろう。

 最後尾の方では既に戦闘が開始されているようだ。

 ルーベルの馬車からは後ろから迫ってくる魔物の群れが見えていることだろう。


「敵、両側面からも来ます」

「何あれ気持ち悪い!!」


 同乗しているニーナとメイも小さく悲鳴を上げている。

 テンペスト達の真横の森から姿を表したのは、ハイランドでは見かけることのない魔物だった。

 その姿は爬虫類と虫をかけ合わせたかのような姿で、6本の足を小刻みに動かしながらこちらを見ていた。


「スワームだ!凌げ!!」

「あれスワームっていうのか……見れば見るほどゾワゾワする……」

「正直不快な造形です。ちょうどよく右側面が帝国騎士達によって抑えられた結果、スワームが密集しています。ニール」

「よぉっし!!1発やっとこうか!」


 ニールがタレット脇から屋根へと上り、スワームの群れを見る。

 いい感じに密集しているがその数のせいで範囲が広い。

 完全に自分向けの戦場となっている。


 ニヤケが止まらない顔を引き締めて即座に魔法を発動させていった。


「行くよ!燃え尽きちゃえ!」


 効果範囲を指定してその中で焦熱の星が解放される。

 一瞬で範囲内は超高温となりどれだけ頑丈な表皮であっても、その熱にあぶられ赤熱し、炭化していく。

 まばゆい光が後方へ消えるとそこにはもうスワームの姿はどこにもなかった。


「あ、そっか。動いてるから自分からあれに突っ込んでく奴らも居るのか……頭は悪いんだね」


 突然光が見えたと思ったら右側面からでてきた魔物達がほぼ一掃されたその力を見て、騎士たちも少し狼狽えているようだ。

 しかし自分たちに向けられたものではない事を知り、士気が上がる。


 ニールの隣にテンペストも登ってきた。

 右側面はほぼ壊滅、左側面の方も既にサイラスが調子に乗り始めている。

 後は……後方だ。


「テンペスト、狙えるの?」

「場所は分かっていますので。速度と最後尾までの距離も分かっているので特に問題はありません。魔法を発動して待機させ、時間差で発射します」

「……えぇぇ……なにそれ……」


 時限式の魔法を空中に固定する。

 罠として地面に設置するタイプの魔法があるが、それを空中の座標に固定しただけだ。

 目標物がない魔法の設置は高度な技術を要するが、その計算は得意中の得意だった。


 仕掛けられたのは以前使った爆風によって一掃するブラスト。


「21秒後に発動します」


 カウントダウンが始まり、設置場所はあっという間に遠ざかる。

 ニールとテンペストは後ろを向いてその時を待っていた。

 テンペストが0をカウントしたところで後方で大きな爆発を確認する。その範囲は凄まじく、その割に前方への被害はほぼ皆無だった。

 実際、何匹かはそれを逃れて最後尾に追いすがっていたがそれらは騎兵によって排除されていく。

 反対に後方は……凄まじい爆風が吹き荒れ、あれだけ大量に迫っていたスワームが跡形もなく消し飛んでいる。


 動揺が広がっているのは帝国兵士達だった。

 初めて見る広範囲の魔法が立て続けに3回。正直な所損耗も覚悟しての会敵だったのだが、誰も被害なくあれだけの猛攻を凌ぎきったのだ。

 それも、他国の者に守られる形で。


 見晴らしのいい場所へと到着し、そこで先頭が停止した。


「先程の攻撃をした者は居るか!」


 隊長らしい少しばかり周りの者達よりも派手な鎧の騎兵がそう言って回っている。

 先程の攻撃というのは結局のところ……テンペスト、ニール、サイラスによる攻撃だろう。

 最初からほぼ確実にこのハイランドの所へ来ている時点でそれしかなさそうだ。


「……どうする?なんか嫌な予感しかしないんだけど」

「行くしか無いでしょう。別に何か危害を加えたわけではありません」

「まあ、そうだけど」


 オルトロスの外へと3人がでていくと、ついてくるように言われて先頭の帝国兵士の鳥車でもひときわ大きなものへと案内された。


「狭いが掛けてくれ。私は部隊長のエルネストだ」

「私はテンペスト。彼はサイラス、こちらはニールです」

「……やはり言葉が通じるか。通訳を通すまでもなく出てきた時点でもしやとは思ったが」


 普通に話をしていたがよく考えたら彼らの言葉を話せると言うのはとても怪しく感じる。

 少し失敗したかとも思ったが今更だ。

 このまま押し通すことにした。


「こちらに来てから通訳の方に本を貸していただいたもので」

「普通は数日で覚えられるとは思えんのだが。いや、今はそれはいい。話がしやすくなっただけだ、端的に聞かせてもらうが……何をした?」

「敵の数が多かったために広域魔法によって殲滅しました」

「あれ程の範囲と威力の魔法など、聞いたことが無い。……少し、調べさせてもらうぞ」


 あっという間に兵士に取り囲まれ、一人ずつ別々に検査を受ける。

 鎧をぬがされ、服はそのままだが念入りにボディータッチによって調べられる。

 何やら棒状の道具を持ち出してきたりと色々されたものの、別に魔道具を持っているわけではない。

 ……サイラスを除いて。


「この男、手足が!」

「義肢ですよ?ハイランドでは一般的ですが」


 義肢自体は確かに一般的……と言っても金持ちの間でのみだが、サイラスの物はカスタム品だ。

 一般的なものとは大幅に異なる。


「これ自体が魔道具そのものではないのか?」

「魔道具といえばそうかもしれませんがね……」

「外せ」

「……無理ではありませんが……。あなたは自分の腕を引きちぎれと言われて素直にできます?」


 何故義肢を装備することになったのか、義肢の付け外しには切り落とされるよりも辛い痛みがあることの説明などをこんこんと説教している。

 結局、外すことは諦めたらしい。


「……そもそもその義肢が問題であれば、装備していない私達が魔法を扱える理由にはなりませんが。あの魔法が何か問題でも?」

「あくまでもあれは自分たちが起こした、というのだな?」

「そうですが」

「……魔法を扱えるものたちは他にどれくらい居る?」

「え、そんなのほぼ全員じゃない?」

「何だと!?」


 ガタンと大きな音を立てて椅子が後ろに吹き飛ぶ勢いで立ち上がる部隊長。

 そう言えば彼らが攻撃している時に魔法を使っているものたちは少なく、それも個別にちまちまとやっていたのを思い出す。


「……もしかして……魔法、使えないの?」


 ニールの呟きに対して、周りから一斉に鋭い視線が突き刺さる。

 図星だったようだ。道がまともに整備されない理由が分かる。あれほど群れて行動する魔物が居て、魔法無しで対処しようとすると相当難しいだろう。

 見る限りでは機動力はかなりあると思われる。


「……魔法を使えるものたちは限られているのだ。そして彼らは国によって厳しく管理されている」

「別に街なかでぶっ放そうなどとは思っていませんが。あくまでも我々は国交を求めてここに居ます。侵略ではありません」

「そのつもりで対応していたが、大きな戦力となる魔法使いが居るとなれば話は別だ。脅威度が高すぎるのでな」

「そんなことを言われても、こちらとしても先にそういったことは聞かれませんでしたからね。それに、ここまで来るのにどれだけ魔物と戦闘していると思っておいでですか?それなりに戦力がなければそもそも海をわたることなど不可能ですよ」

「それはそうだが……」


 そもそも、こちらが加勢していなかったら被害が出ていたのはほぼ確実だっただろう。

 むしろ助けてもらったようなものでもあるのだから、そんなことを言って制限されるのは不服だ。


「そもそも、国が違うのですから魔法の扱いに関しても当然異なります。ここに居る以上、使うなと言うのならば使うつもりはありませんが、こうして攻撃を受けている場合は話は別です。私たちは自分たちの命を護るために実力を行使するまでです」


 魔法がこの国でどのような扱いをされているのかは知らないが、この様子だと脅威度が高すぎるという理由からかなり制限を受けているのだろう。

 コレットもこれに関してはここまで強力なものを使えるとは思っていなかった可能性が高い。


 魔道具かそうでないかをしつこく聞いたのも、取り上げれば済む魔道具と違って魔法に関してはそれが出来ないものだからだろう。

 やはりオルトロス等の武装を使わずに正解だった。

 下手をしたら取り上げられていた可能性があったわけだ。


「どうしますか?我々にはあなた方を攻撃する意思はなく、魔物の襲撃で消耗させるつもりもありませんが」

「しかし……」

「ではあれ以上の魔物が来た場合、どのように対処するつもりであるのか教えていただけますか?その結果こちらに損害が発生しても魔法を使うなと言うのですか?」

「そういうことを言っているのではない!大体先程から何なんだ、子供に何が分かる……!」

「……言っておきますが、この場で一番立場が上なのは彼女ですよ。それに確かにまだ子供の年齢ではありますが甘く見ないほうがいい。彼女は実力でのし上がってきているので。まあ、そちらが魔法が嫌いというなら仕方ありません。我々も手を貸すことはしません、全てそちらにおまかせしますのでそれでいいですね?」


 では行きましょう、とサイラスが馬車を降りる。

 何かいいたげな顔をしていた部隊長だが、これ以上こちらも言うことはない。

 もちろん、向こうもある程度魔道具を使った戦闘が得意だし、あの火竜が居る限り地上の戦力には負けることはまず無いだろう。


 護衛対象から助けられ、その助けた戦力が自分たちの方には無い魔法によるものと言うのが気に食わないと判断した。

 この国の魔法の扱いに関しては正直な所どうでもいい。最終的には国と国との問題となりこちらのやり方に口をだすのはお門違いなのだ。

 なのでこちらも向こうがしたいようにやらせる。


 オルトロスへ戻り、サイラスからサイモンへと今のやり取りを取り次いでもらい、3カ国に帝国兵士のプライドに関わるため魔物の襲撃があった場合は全て任せることというのを徹底してもらうことにした。

 どうしようもなさそうな時には仕方がないが……。


 それに、最後尾のルーベルの馬車はやはり危険なため、テンペストとサイモン達のオルトロスが殿を務めることになった。

 現時点での最高戦力であるテンペスト達であれば、ある程度の危険は特に問題ない。

 そもそもオルトロス自体もそれなりの強度を誇る装甲があるのだ。ちょっとした盾代わりにはなる。


 ついでに集団から外れるのでとても気が楽だ。

 最後尾からゆったりと付いていくことにした。


 休憩も終わりまた走り出す。

 どうせまた襲われるんだろう、ということで索敵はやっていたが、特に何が起きるでもなく宿場町へと到着した。

 そこでまた部隊長から呼び出しを食らったのだが、ハイランドのお偉いさんたちとも話し合ったのだろう。魔法の扱いに関して下手に触れると外交問題になると脅されたようだ。


「……。道中、魔物に襲われている場合に限り魔法の使用は許可する」

「使用許可の判断はこちらでします。ただし、戦闘中以外には使わないとは約束しましょう」

「こちらにその力が向かないことを祈るがね」

「手を出されない限りは安全ですよ。そちらこそ、勢い余ってこちらを攻撃しないように気をつけることです。国と国の話し合いに行こうという時に勝手にあなたの判断でそれを反故にしたばあい……どのような処分が待ち受けているか知りませんが」


 この部隊長がこれほどまでに魔法に対して煩い理由は、彼から解放された後に案内してくれた兵士が教えてくれた。

 曰く、部隊長のエルネストは極度の魔法嫌いらしい。

 話をしてくれている兵士は魔法を使えるのだが、この隊の大半は殆ど使えないも同然だという。


「己の力で勝ち取ってきたものを、後ろから来た魔法隊が全て持っていくのが気に入らない、と常々言っておりました。私達魔法を使える人間はあの部隊の中では最底辺です。だから周りにどんどん抜かれていくのにも気が付かない……。あ、すみません今のは聞かなかったことにしておいてもらえませんか?」

「もちろん。なるほど、だからあそこまで規制したがるのか。実際のところは魔法に関してはどういう扱いになっているか聞いても?」


 兵士が教えてくれたのは……。

 街中での生活に必要なもの以外は使用厳禁。

 許可された魔道具のみを扱うことが出来る。

 クラン所属の者達は必ず装備品は持ち歩かずに所定の場所へ預けること。


「では街の外での使用に関しては特に?」

「有りません。そこで躊躇していたらすぐに囲まれて死にますから」

「あの人の言うことめちゃくちゃじゃないか……。それじゃなんで道はこんなに整備されてないの?」

「それは……魔物の数が多すぎるのと、対応できる魔法使い達が少ないから……ですね」

「なるほど……」

「そういう意味ではあなた方の乗っている魔導車と言うのは羨ましいですね。中に居るだけで安心できそうだ」


 火竜のブレスに数発は耐えれるだろうとは思うが、積極的に試したいとは思わない。

 この兵士は当然ながら魔法を毛嫌いする部隊長に嫌気が差しているようで色々と教えてくれた。

 魔法使いが少ないと言うのは、小さい頃から魔法に親しんできたハイランドとは違い、なるべく排斥してきた結果、扱えるものが減ってしまったというのが大きいのだろう。

 規制をして危険を避けるのは手っ取り早いのだが、こうして何かしらのしわ寄せが行く時が多い。


 ただ、魔法を扱える者が少ないというのはこちらに有利な話だ。

 恐らく特権階級の方は使えるものが多くなるのだろうが、兵士の中でも多くないとなれば戦力差をくつがえせる可能性もある。

 ……もし戦闘することになったのならの話だが。


「何をしている!案内し終わったらさっさと戻ってこんか!!」

「失礼、では!」


 部隊長にどやされて戻っていく。

 相当嫌そうな顔をしていたので、本気で嫌いなのだろう。

 とりあえず、全部の部隊ではないだろうがこの部隊に関しては魔法を毛嫌いしている者がいるということだけ覚えておく。


「魔法が嫌いとか初めて聞いたね」

「そうですね。便利なものであるがゆえに、使える者と使えない者との差が大きくなるのは事実です。そこにコンプレックスがあるのでしょう。国の方針としてはそういう意味でではなく、平民が武装蜂起しないようにという意味合いで禁じていると思いますが」

「法律結構細かく決まってるみたいだしね。まあ……許可も出たし魔物が出たら普通に倒しちゃおうか」

「そもそも許可自体いらないと思いますが……」


 結局、最終的には途中で編成を変えた列の状態で最後まで行くことになった。

 気兼ねなく支援出来るのでこちらとしては問題ない。


 まずはこの宿場町を少し楽しもうということで、個別行動に移ることにした。

ちょいちょい期間空きそうですが、体調不良のためです。

今日もものっそい頭痛くてしかたないです……。


薬のせいでやたら眠くて休日だろうと眠りっぱなしみたいな状態になってます。

寝て起きたらリヴェリに生まれ変わって欲しい。

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