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鉄の竜騎士 -元AI少女の冒険譚-  作者: 御堂廉
第四章 カウース大陸編
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第九十九話 危機とリゾート

すみません帰ってきて思いっきり寝てしまいました。

「船長!雲が!嵐が来ます!」

「何だと!荒天準備!外に出ているものは全員中へ!格納庫隔壁を閉じて全ての窓を確認しろ!荷物の固定も全てだ!」


 月が広く照らす中、突然黒い雲が湧いて出てきた。

 先程までは全く無かったそれは、たちまち辺りを覆い尽くしていき、風を生み始める。

 どんどんと強くなっていく風に雨が混じり、ついには前が見えなくなるほどの豪雨となった。


「何なのだこの嵐は!」

「わかりません、突然雲が湧いて出てきのです!」

「前兆がありませんでした。……何かの魔物という可能性もあるのでは……」

「魔物か……戦闘準備も進めておけ。だがまだ砲は収納したままだ、万が一使い物にならなくなったら危険だ。全員、監視を怠るな!波に注意しろ!この船はマストはない、全員中で作業が出来るようになっている。恐れるな!これくらい温いものだ!」


 嵐はこの様に室内で操縦するものでなかった船を使っていたときならば、船の外に投げ出されるという事も考えられた。

 マストが折れて航行不能に陥ることだってある。

 しかし今は違う。頑丈な船体に密閉性の高いドア。穴でも開かない限りは水は入ってこない。

 風も特に影響はない。


 怖いのは荷物が崩れてバランスが偏ることと、波によって転覆すること。


 可能性が減っているだけマシというものだ。


「深夜だがやむを得まい、全室にアナウンス、これより本艦は荒天航行へ入る。手順書通りに行動させろ。急げ!」

「全員身体を固定しろ!」


 艦橋に居た者達がハーネスを手すりにつけて飛ばされないように固定する。

 艦内アナウンスとサイレンが鳴り響き、緊急事態であることが伝わっていく。

 しばらく騒然とするだろうが、寝ている時にいきなり波に突っ込むよりはマシだろう。


 しかし。


「右舷40度、波が来ます!」

「面舵!側面を波に晒すな!」

「来るぞ!大きい!」

「くそ!何かに掴まれ!!」


 直後、真横からの直撃は何とか避けられたものの、かなりの衝撃が船に響く。

 客室は今頃大惨事だろうな、と思いながらも第2、第3の波を警戒する。

 風上に向かって舵を切り、高波を乗り越えることにした。

 その間にも海は荒れに荒れ、200mはあるこの船が小さく思えてくるほどに周りが見えなくなり、逆に高く持ち上げられる。


「しかし、流石は大型なだけはある、大分安定はしているぞ。今までの船だったら最初の波で沈没していたかもしれないな」

「はい船長。この船でなかったと思うと……ぞっとします」


 やがて波に対して適切な角度で侵入できるようになり、大きく突き上げられる事はあってもかなり船は安定していく。

 大きなうねりは次々と押し寄せるが、操舵手の懸命な操船によって乗り越えていく。


 その波間に何かが見えた。


「……船長……」

「ああ、見えている。砲手、砲を上げろ」


 それは2匹の巨大な魔物。

 片方は巨大な海竜のようで、もう片方はイカともタコとも付かない吸盤を持った魔物。

 2匹は絡み合うようにお互いを攻撃し合う。


 この嵐が突然沸き起こった理由は、恐らくその2匹にあるのだろう。

 海竜が暴れ噛み付けば、もう片方が多数の脚を絡みつかせて引き剥がす。

 吸盤には爪がついているのか、身体を捻ってその束縛から逃れた海竜の皮膚には無数の傷が見えていた。


「なんて大きさだ……」

「明かりを消せ、サイレンも止めろ。気づかれないように迂回する」

「了解」


 全ての明かりが落とされて暗闇となった。

 窓のない場所に関してはうっすらとした照明に切り替えて、極力外に光がもれないようにする。

 中が暗くなったことで余計に外の様子が見える。

 月明かりは殆ど見えないものの、暗闇に慣れた眼は巨大な魔物達の戦いを見ていた。

 ゆっくりとその場から波を乗り越えながら遠ざかる。


 どれくらいの時間が経ったのかは分からないが、やがて波は小さくなり雨風や雲も無くなっていった。


「魔物達の海域から離脱。……警戒を解け。砲を収納して船内の明かりを戻せ。方角を確認、しばらく手動で航行する」


 遠くにはまだ厚い雲がかかっているのが見える。

 かなり広範囲の嵐だったようだ。


 あんなものに襲われてしまえば、いかにこの船といえどもひとたまりもないだろう。

 船内には重要な人物たちが何人も乗っている。

 戦闘した所で勝ち目があるのかもわからない勝負などする必要はないのだ。


 最悪の夜を乗り切った彼らの前に、ゆっくりと日が登った。


 □□□□□□


「どうやら治まったようですね」

「嵐の海なんて初めてだよ……正直怖かった」

「私達もです……あの、テンペスト様、そろそろ下ろしていただいても大丈夫かと」


 ずっと全員で身を寄せ合って浮遊していた為、テンペストも少し疲れている。

 全員を床に降ろして周りの確認をした。


「なっ……テンペスト、それっ……そんな格好だったの!?」

「……仕方ないではないですか。衣服を緩めて居たところにあの状態でしたから……」


 朝日が昇り、窓から入った光がテンペスト達を照らし出すと……。そこには半分脱げかけたひどい状態のテンペストがいた。

 メイとニーナも寝ていたところなので色々と薄着になっている。


 その3人に囲まれるように密着していたのを思い出す。

 ……ということは、テンペストが居る側で当たっていたかすかに柔らかいあれは……。

 胸?


 さくらんぼのような可愛らしい物が出てしまっているテンペストを見てしまって、邪な考えが頭に浮かぶ。


「ニールもそれなりにひどいですよ。もう少しで見えそうです」

「えっ、うあぁぁぁっ!?」

「あ、私たちは気にしませんので、大丈夫ですよニール様」

「ええ。ニール様とテンペスト様の邪魔にならないように私たちは部屋へ戻りましょう、メイ」

「えっ、えっ、いやそうじゃなくて!」


 下を見ればいつの間に硬くなっていたのか自己主張をするものがパンツを押し上げており、隙間から僅かに見え隠れしているそれをしっかり見られてしまったのだった。

 あと少しずれていれば本体がスリットからはみ出るところだった。


 それを見てそそくさとメイとニーナが部屋を後にしてしまい、弁解の余地すら無くニールは放置される。


「大丈夫です、私も気にしませんから。仕方のないことです」

「……うん。そういうことにしておいて下さい……」


 テンペストから見たらニールは今、耳まで真っ赤になって居ることだろう。

 そこまで恥ずかしがらなくても、と思っているテンペストにはなかなか分からない感情だ。

 それでも精一杯何とかしようとしている努力は垣間見えていた。


(テンペストは気にしない、大丈夫、嫌われない。むしろここで見せても問題ないから大丈夫、恥ずかしかったけど大丈夫……)


 念仏を唱えるように自分に言い聞かせる。

 テンペストの物を見てももうあまり動じなくなってきているが、自分のものを見られるのはまた違うのだ。しかも臨戦態勢になっているのであれば特に。

 実際のところ見えた所で気にもしないどころか、観察してもいいかと聞いてきそうなくらいではあるのだが。


「ニール、危険域を脱したというアナウンスがありました。皆の所へ行きましょう」

「えぁ?嘘、今言ってたっけ?」

「何か考えていたようなので気付いていなかったのかもしれませんが、先程アナウンスが有りました。かなり大きな魔物が近くに居たので恐らくそれを避けたものと思われます」

「え、待って。なにそれ聞いてない」

「言いませんでしたから。あの状況で船長なら戦わずに回避すると思っていましたし、喋ってしまえばニールならともかくメイやニーナが怯えてしまいますので」


 当然ながら、目視範囲に収まっているのだからテンペストが索敵していれば気づかないわけがなかった。

 念のため周囲の魔物を警戒していたわけだが、その時に船が魔物のいる方向へと向かっていることには気付いていた。だからと言って危険を冒す船長ではない事と、必ずその海域を離脱するだろうと分かっているために特に何も言わなかっただけだ。


 軽く着替えを済ませて、もはや恒例となったサイモンの部屋へと移動する。

 流石に片付けをしていたようだが特に怪我などはなかったようだ。


「誰も怪我はないようだな」

「流石にいきなりあれはねぇよ……ぐっすり寝てたらいきなりふっ飛ばされた」

「全くです。まあ、少々頭をぶつけたくらいで済みましたから良いですが。折角の酔も覚めましたよ」

「全員似たようなものだ。私なんてギアズが飛んできたんだぞ……」


 全員がうわぁという顔をしている。

 骨だった時ならばまだしも、今は魔力筋でガチガチに固められており、重さもかなりあるわけで……。

 それが飛んできたとなれば顔も合わせて相当驚いただろう。


 流石に直撃等はせず、蹴り飛ばして難を逃れたサイモンだった。


『不可抗力だ……悪かったと言っているだろう』

「別に怒っちゃいないさ。あれはどうしようもない。私も蹴ったしな、すまない。それで……ギアズが言うには魔物が近くに居たそうだが」


 当然のごとくギアズも捉えていたらしい。

 大きな2体の魔物が恐らく戦っていたのだろう、位置を激しく変えながらその場から動かなかったのだ。

 結局こちらには気づかずに2匹は戦い続けていたらしく、脅威は波だけとなったリヴァイアサンは悠々とその海域から離脱。出来るだけ距離を取るように今は遠回りをしている所だ。


「ま、操船技術もですが……この船がかなり頑丈だということは証明されましたかね」

「後で船長に聞いてみれば良いんじゃない?」

「それにしても、他の所はどうなっていることやら。厨房とか大丈夫だったのかね……」


 と、その時。

 ドアがノックされた。


「船長がテンペスト様とコリー様を呼んでおられるそうです」


 □□□□□□


「船長に呼ばれたのですが」

「ああ、こちらへ。……少々遠いが向こうに島が見えるのが分かるかね?」

「ええ。なるほど偵察してくればよいのですね?」

「前のあの装置を使って、見て来てもらいたいのだ。後ほど報酬は出させてもらう。我々は問題ないのだが、流石にもう10日を過ぎた。こういった船に閉じ込められていると気が滅入る者も多いと思うのだ。安全かどうかを確かめた後、近くまで行って停泊しようと思う」

「魔物が居たら掃除しておけば良いか。どうせ退屈してたんだ、行こうぜテンペスト」


 テンペストとしては妙に濃密な時間があったわけだが、こちらに残っていた人達は特に無い。

 有っても甲板に出て体を動かす程度しか無かったのだから、何か違うことをしたいと思うのは普通だろう。


 ましてや行き先が島であれば尚更だ。

 何もない島であっても、動かない地面に足を下ろすという安心感は違うはずだ。

 船長も問題なければ2~3日程度居てもいいと言っていた位だ。

 食料は船に戻ればあるのでさほど問題にならない。


 ついでに周辺を大きく回って場所と地形を把握しておけば次にも使えるだろう。

 後は先程コリーが言っていたように危険な魔物が居るのであれば制圧しておけばいい。

 仮眠できる程度の建物であれば、土魔法が使えれば問題なく建てられるだろう。

 出る時にまた戻せば問題ない。


「……分かりました。用意ができ次第、こちらにサイラス達を寄越します」

「恐らくかなり大きな島だ。ゆっくりと出来ればかなりストレスも減るだろう」


 □□□□□□


 甲板にマギア・ワイバーンが出現し、コクピットがゆっくりと下がってくる。

 目的地はかすかに見えている島。

 大分目的地までは近づいているとは思うが、そのあたりも出来たら確認しておきたい。


「よーし、偵察だ!」

「嬉しそうですね、コリー」

「しばらくは甲板で打ち合いだけだったからな。ハーヴィン候に手合わせしてもらえたのは良かったが。半端なくつえぇぞ……」

「剣で飛竜を仕留めただけは有りますね。私は接近戦で飛竜と相対する気にはなれません」

「俺もゴメンだ」


 そういう意味では至近距離で飛竜を仕留めることに成功したニールはすごいのだ。

 テンペストはあれでニールの評価が大幅に上がっている。

 自分には出来ないだろうことをやってのけたのだから。


「あ、テンペスト。向こうに行くならボクの方でお願い。いきなり倒れられても困るから」

「そうですね。では……よろしくお願いします」

「う、うん。いってらっしゃい」

「見せつけるねぇ……」


 文句でも言おうかと思ったが、その前にテンペストがワイバーンへと移った。

 そのまま抱きかかえて2人が空へ上がるのを見守る。


「おお……レビテーション使うと静かだな」

『速度があまり出ないようなので音速は無理です。しかし低速での巡航ならこれによって安定飛行が可能となります』

「へぇ……使い分け次第だな。だが俺はやっぱ向こうのほうが良いな」

『魔導エンジン起動します』


 滑るように前進したワイバーンが、途中からエンジンに点火して急加速していく。

 そしてその姿が掻き消える。


「あ、消えた……やっぱりワイバーンでも出来るんだあれ」

「巨獣とやらから手に入れたというやつですね。研究結果が楽しみになりますねぇ。光学迷彩以上じゃないですか。トレーラーに取り付けたらあの図体が消えるとか最高ですね」

『取り込んだ魔法をすぐにあのように活用できるというのは……なかなか出来ることではない。素質があるのだろうな』

「あれは精霊だ。そう思えば納得せざるを得まい」


 まあ、あの2人なら何があっても問題ないだろう、と結論づけてそのまま艦橋へと移動する。

 既にそこでは船長たちがモニタの前で待機しており、そのモニタには島の様子が映し出されていた。

 流石に目視範囲まで近づいていれば、あの場所まで飛んで行くのに掛かる時間はかなり短い。

 旋回している様子はないので恐らく空中で静止している。

 ゆっくりと画像が回り、時折拡大して見せてくれていた。


「見たところ魔物等は居ないようだが……」

「誰も降り立ったことのない場所に行く時には、その場所にいる植生や動物にも注意を払わねばなりません。未知の病気などがあったりする場合もありますので気をつけたほうが良いでしょう」

「……確かに。毒虫や毒蛇にやられる事もある。ひどいときはそのまま命を落とすか、手足を切り落とすことになるな」

「そういうのに詳しい人とかいないの?」

「向こうの土地を調べたりするために、学者もそれぞれの国から来ていますよ。彼らに頼みましょうか」


 船長が命じて部下が下へ走り降りていき、すぐに船内は島が見えたという情報で持ちきりとなった。


 □□□□□□


「反応はどうだ?テンペスト。見た感じだと殆ど何も居ねぇ」

『魔物の反応はありません。有毒ガス等も検出できませんでしたので、環境としては安全であるといえるでしょう』

「後は……毒虫とかか?」

『海洋生物も大きいものは近くに居ません。同じく魔物も近くに居ないようです。陸上に居る虫や蛇などに関しては反応が多すぎて分かりません。上陸ならばあの砂浜付近が良いでしょう』


 やはりこの島も火山島の様だ。

 しかしハワイなどのように高いところがなく全体的に平べったい印象だ。

 接岸は難しそうだが、かなり近くまでは接近できるのでボートを出して上陸できそうだ。

 幾つかの島に分かれていることも有り、それぞれでしばらく過ごすことも可能だろう。


「危険は無し……。後は一旦戻って考えるか」

『そうですね。……船とのリンクを切ります』

「次は……エンジン全開だ!上がるぞ」

『楽しそうでなによりです』


 島は一通り調査を終えた。

 此処から先は独断だ。上空高くへと上昇していく。

 空は青く澄んでおり雲一つない好条件だ、この機会を逃す手はない。


「ここらで良いか」

『結構です。……まだ何も見えないようですね。他にも幾つか大きめの島などはあるようですが。全て位置を記録しておきます』

「まだ掛かるのか……。あの船って速いんじゃねぇのか?」

『消費と回復が釣り合うのがおよそ25ノット程度までです。それに加えて直進せずに危険なところを迂回するなどしてかなり回り道をしていますので。当然ながら全速力でずっと動き続けられれば相当なものです。しかしあの船の質量を動かすことを考えるとやはり難しいでしょう』

「レビテーション使ったらどうなる?」

『解消されます。が、あれを作った時には無かった技術ですので仕方ありません。恐らくサイラスは組み込むでしょう』


 組み込まないわけがない。

 船として使えて、更に空中へと上がれる物を作るに違いない。

 今でもサーヴァントを飛ばそうとしているのだから、まず間違いなくするだろう。

 もしかしたら倉庫内のサーヴァントはもう改良済みかもしれない。


「ならハイランドで作ればもっとやべぇの作れるってことか……」

『確実でしょう。やるようによっては飛行艦隊を作ることも出来るはずです』


 サイラスなら喜々としてやるに違いない。

 それをしたいとそもそも明言していたのだから。


 今回の航海もなるべくならばそういう技術が出来てから行きたかった所だ。


 とりあえず現在見える範囲にはまだ大陸はない。

 後数日は掛かるのだろう。

 それでも今日からはしばらく息抜きができる。泳ぐもよし、上陸して動かない地面を堪能してもよし。


 先住民らしきものたちも居ない完全な無人島だ、むやみに動植物を獲らなければ問題ないだろう。


「ならまあ……やることもないか、戻ろう」

『こちらワイバーン、只今より帰投します』


 □□□□□□


 先行する学者たちの調査が終了し特に危険な生物も居ないことが判明した。

 すべての場所を調べたわけではないが、閉ざされた環境で特に何かがない限りは生物の交流はない。

 浅瀬が続く湾もあるため安全に楽しめそうだ。


 小型の船に乗って島に降り立った者たちは、それぞれが好きな場所に拠点を作り長い船旅の疲れを癒やし始める。


 リヴァイアサンからは食料等が持ち込まれ、簡易のリゾートが出来上がった。


「あれ、まだ揺れてる感じがする……」

「船の揺れに慣れすぎたんですよ。寝て起きたら治るでしょう」

「あーやっぱりいいな!出発は2日後だっけ?」

「はい。サイモン達が今テントを張ってくれています。終わったら中に簡易トイレやシャワー、キッチンなどを出すのでゆっくりと休みましょう」


 周りを見ると似たようなことを考えていた人達もいるらしく、テントではなくちょっとした小屋のようなものを出しているものたちも居た。

 使う機会がなかったらどうするつもりだったのだろうか。


「綺麗なとこだね、テンペスト」

「そうですね。私も少々疲れましたし、海に入りましょうか?」

「そだね。あ、皆もやっぱり海に入ってるね」


 周りを見れば次々と下着などになって海に飛び込んでいる。

 浅い場所が湾の出口まで広がっているので深いところでも大人の胸のあたりまでだ。

 触ってみた海の水はひんやりとしていて気持ちよさそうだった。



次回水着回 頭の中で想像せよ

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