やっぱ先輩は凄い人だった~
普段からフレンドリーに接してくれるホリ先輩、バレー部のキャプテンで男子、女子問わず人気がある。でも僕には、なんかちゃらい気がしてちょっと苦手だった。
同級生のなおきが血相を変えて塾に飛び込んできた。とうやら近くのコンビニで地元中学のヤンキーグループに絡まれたようだ。なおきは隣町の中学から通塾している野球部の2年生、でも地元の中学から通塾しているタイキと仲が悪く、事あるごとにケンカをしていた。どうやらそのタイキが地元のヤンキーグループの一人に〆てもらうよう言っていたようだ。僕はどちらかというとなおきと気が合う方だった。タイキは同じ中学だけど、どことなく付き合いづらい感じがしていた。
塾の先生となにやら話しているようだが、なんとなく内容は僕にもわかった。
こんどはホリ先輩が加わり話の続きをしている。
このような噂は学校中にあっと言う間に広がる。
どうやらヤンキーグループに顔がきくホリ先輩が、同じ塾の生徒には手を出さないでくれと話をつけたようだ。他にもいじめにあっていた同級生が不登校にになり、その生徒の家に通って励ましていた、なんて話も聞いた。
タイキは当然気まずそうだったけど、ホリ先輩は普段通り接していた。
なおきはタイキと距離をおき、それについて触れる様子はなかった。
ホリ先輩からタイキには構うなと諭されたようだ。
女好きで、なんかいつもちゃらく見える先輩だったけど、やるときはやるんだなあ~と見直した。
僕がホリ先輩の立場なら、無理無理・・ましてやヤンキーと話をつけるなど怖くて怖くて、
でも、でも、なにかトラブルに出くわした時には、僕がホリ先輩だったらどうするだろう
・・て考えるようになった。
僕もほんの少しだけど、強くなった気がした。