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天孫降臨伝説
イワレビコが人々を治める都を開くずっと昔のことです。
芦原の国にある高千穂の地に金色に輝く神々の一行が降りてきました。
天にたなびく八重の雲々を押し分け威風堂々と進んでいく一行に、雲を運ぶ役目を持つ風たちは道を譲りました。
この一行の先頭を行くのは道案内のサルダヒコという神で、神々を従えるのは、アマテラスの孫であるニニギでした。
ニニギはまだ赤ん坊でしたが、アマテラスに選ばれた五伴緒と呼ばれる5神に抱えられながら降りてきたのです。
アマテラスは旅立つニニギに、八尺の勾玉、八咫の鏡、草薙の剣――三種の神器を授けておりました。芦原の国を治めるためにその神器を授けたのです。
またニニギのその手には、高天原の水田でつくられた稲穂が握りしめられていました。
芦原の国に降り立ったニニギは、やがてイワレビコの祖となりました。