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プロローグ
後藤が下へ飲み物を取りに行っている間、残ったメンツはプロレスごっこをしていた。
後藤の部屋は決して狭いわけではない。
しかし、中学3年生の男子8人が同時に暴れまわっていたら狭く感じるのは当然の結果だろう。
ガタッ
「古瀬、何してんだよ~」
俺はバランスを崩し、後方にあった棚に思いっきりぶつかってしまった。
その拍子に何かのファイルを落としてしまった。
さすがに中身を見るのは悪いと思い、元あった場所に戻す。
バサッ
「古瀬、しっかりしろよ~」
「古瀬、調子悪くね?どうした」
また、落としちまったよ・・・。
とりあえず、2度あることは3度あるっていうし、次は気をつけなくては・・・。
そんなことを考えながら、散らばってしまった紙を集めていく。
この紙が後藤の真実を知るきっかけになるとは知らずに。