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第三話 ユニーク魔法

「取り敢えず、いつまでもそこに立っていないで座りなさい」


オルストから溢れ出る威厳と空気に呑まれていた俺たちに、ソファーに座るよう勧める。


「わ、かりました」

「は、はい」

「・・・・」


俺と雫はなんとか返事を返したが、あまり気の強くない冬華は返事をすることができなかった。しかし、三人共ソファーに座ることができた。



「さて、魔力測定ということだったな。適応検査していくか?」


三人がソファーに座ったのを確認し、話し出す。


「適応検査?」


駄目だな。この世界に来てから聞き慣れない言葉が多過ぎる。あとでエリシスに聞いとくか。


「ああ、すまない、説明を忘れていた。適応検査というのは2つある。1つ目は属性だ。自分がどの属性に秀でる、適しているのかどうかを検査するもの。

そして2つ目はユニーク魔法があるかどうかだ。ユニーク魔法というのは、属性以外の魔法を有している、または自分だけが持つ魔法の有無を調べるというものだ。どうする」


魔力測定と同じで、やった方が便利だな。

この世界にいる限り、何かを殺すことになるだろう。魔力の量だけ分かってもなにが使えるかわからなければ意味がないからな


「はい。お願いします」


オルストは頷くと立ち上がり後ろの棚をあさり始めた。

しばらくすると三つの水晶をもってソファーに座った。

そして水晶をソファーとソファーの間に有る木のテーブルの真ん中に置いた。


「さて、まずは魔力測定だな。受付嬢から聞いてると思うが、魔力測定とは魔力の量を測定するものだ。この水晶は魔力に反応し、透明から色を変えるという特別な水晶だ。

少ない順で色は、透明、白、黄色、灰色、赤、紫、青、黒だ。ちなみに平均的には黄色だな。まぁ宮廷魔術師は赤か紫だ。さて、誰からやる」


「ここは冬華からだな」

「そうね」

「うっ、わかったよ」


冬華は渋々頷くと、前に出された水晶に触れる。すると、透明から黒へと変わった。


「なっ!?」


「ふぇ?」


それをみたオルストは絶句し、当の本人はわけがわからずボーッとしている。


「おっ、すげえじゃん!冬華」


「えへへ〜、そうかなぁ」


冬華は流雨に褒められ照れる。

この時点で冬華が流雨に向ける好意が筒抜けなのだが、流雨自身は昔から褒められるの好きだったもんなとしか考えてなかった。


「次は私の番ですね」


冬華と同じように水晶に雫が触れる。すると、ピシッと縦に水晶にひびがはいった。


「………割れたな。あ、新しいのを持ってくるから待っててくれ」


「おおっ!雫もすげえじゃん!」


「くすっ、ありがとう」


普段あまり表情を表に出さない雫が嬉しそうに微笑む。冬華と同じく好意をいだいているのだが、当の流雨は長い付き合いだから気を許してもらえてんだなとしか考えてなかった、やはり鈍感な流雨だった。


「さて、最後は俺か」


二人が圧倒的な魔力をもってんのに俺だけ平均だったらカッコ悪いよな。

流雨は置かれた水晶手を伸ばす。しかし、水晶に指が触れたとたん、水晶が跡形もなく砕け散った。


「いや、おいおい、どんだけ規格外なんだよ、俺」


二人を見るとさも当然と言う表情で頷いていた。

いやまぁ、一人だけ平均じゃなくて良かったけども。そう思い、オルストを見ると。


「……………………」


絶句していた。

当たり前だよな。つか、ここまで砕け散ったの初めてなんじゃないか?


「く、くく、くははははは!三人共、歓迎するよ。いやはや、滅多にお目にかかれない逸材達をまさかこのギルドが手にいれられるとはな。エリシスに感謝だな」


お、おお。さっきまでの重い空気が嘘のようだ。つか、オルストこんな風に笑うんだな。


「おっと、適応検査だったな。さっきと同じように触れてくれ。まずはこの水晶だが、これは属性を表すものだ。この世界には、風、雷、水、氷、炎、土、無属性と、8つの属性が有る。中でも無属性は誰でも使えるものだ。色で表すと、緑、黄色、青、水色、赤、黄土色だ。さて、次はどんな規格外を見せてくれるのかな?」


そう言ってオルストは楽しそうに笑う。

楽しんじゃってるよこの人。そんな楽しそうに言わないでくれよ。

内心げんなりしながら水晶に触れる。

すると、緑、黄色、青、水色、赤、黄土色と色が変わった。


「ははっ、まさか全属性とはな。恐れ入った」


呆れながらオルストが言う。


「まさか、こんなことって初めてですか?」


俺はオルストの言葉が気になり、聞いてみる。すると、


「当たり前だ。こんな規格外がホイホイいられたらたまったもんじゃない」


期待を裏切らない答えが返って来た。俺としては使える魔法のレパートリーが増えてありがたいのだが。

次に雫と冬華が水晶に触れたが、結果は俺と同じようになった。


「流石の規格外達だな。これほどまでの逸材とはな、想像もしていなかった。まさか全員とは。さて、次はユニーク魔法の有無だな。ユニーク魔法は、黒魔術師、白魔術師、精霊魔術師、召喚魔術師、回復魔術師、空間魔術師、精神魔術師の7つが有る。色で言うと、黒、白、黄緑、赤、緑、灰色、紫だな。黒魔術師というのは、相手を、闇に引きづりこんで滅殺したり、あたりを夜にしたり、闇で武器など作ったりでき、一定時間実体をなくすこともできる。闇で武器などをつくれば、金も浮くし、売ってるものよりも遥かに性能のいいものを作ることが出来る。実体をなくせば魔法も通らず武器やアイテムによる攻撃も通らない。白魔術師と言うのは、黒魔術師と同じく光で武器など作ったりでき、朝にしたり、光を固めて相手にぶつけ、滅殺したりできる。違うのは、光を纏い、光速で動けることと、教会じゃないと浄化できない呪いを浄化できたり、アンデットモンスターを手早く浄化できるという点だな。

精霊魔術師とは、精霊の力を借り、精霊がもつ特有の能力を魔力が許す限り自由に使えると言うもの。召喚魔術師とは、イフリートやバハムート、ヴァルキリーなどを召喚できると言うもの。他にも魔獣や魔物、霊獣や神獣などと契約し、召喚することもできる。この場合武器はいらない。なぜなら召喚魔術こそが召喚魔術師にとって武器であるからだ。召喚魔術師にとって武器など邪魔にしかならない。ただし、護身用はいるがな。魔力切れやなんらかの原因で魔法が使えない場合に武器がなければ戦うことすらできないからな。回復魔術師と言うのは、本来ならばアイテムでしか傷を直したり、状態異常を回復したりできないのだか、魔力を消費することで、アイテムをわざわざ買わなくとも回復したりできると言うもの。回復魔術師は6つの中でも一番珍しくそして少ないが、回復魔術師をパーティメンバーにしたチームは、どんなに難易度が高い依頼でも失敗することはないと言われている。

空間魔術師とは、空間を捻じ曲げ異空間を作ったり、捻じ曲げた空間で攻撃したり、目の前の空間と行きたい場所の空間を捻じ曲げて繋げ、自由に行き来できる。異空間を作ればアイテム収納につかえ役に立つし、相手の空間を捻じ曲げれば、相手の体ごとぐちゃぐちゃにできる。けっこうエグいぞ。精神魔術師とは、術師または対象の精神に直接魔法を叩き込むことが可能となる。普通な魔法とは違い、この魔法からは逃げることも交わすこともできない。この魔法を使えば、精神を焼き切って殺すことも凍結させて殺すこともできる。暗殺に最も適した魔法だな。

この水晶に触れれば、自分がなにをもっているのかがわかる」


そう言って水晶を前に置く。

その水晶に冬華が触れる。

すると、緑、紫に変化した。


「あぁ、もうなんていったらいいかわからん。二つはありえん。ユニーク魔法を何だと思っているんだ」


ついに壊れたのかブツブツと呟く。

そして次に雫が触れる。すると、白、黄緑に変化した。


「おおう、お前もか」


それをみたオルストは頭を抱えた。

大丈夫か?

次に俺が水晶に触れた。すると、黒、赤、灰色に変化した。


「分かった、分かったぞ。お前が一番めちゃくちゃだからこんなことになるんだ。お前達は化け物か。類は友を呼ぶならぬ化け物は化け物を呼ぶ出はないか。ああ!今まで築いて来た常識という名の壁が音を立ててくずれさってゆく」


そしてテーブルに突っ伏した。

しばらく流雨達は待つと、オルストはむくりと起き上がった。


「回復しました?」


俺はニヤリとして尋ねる。それを見たオルストは再びげんなりとする。


「敬語は寄せ。おかげさまでな」


オルストは静かに首を振る。


「さて、詳しい説明に入ろうか」


「詳しい説明?まだ何か説明することがあるのか?」


かなり詳しい説明をさっき聞いたような気がするが、まだあるらしい。

オルストは問いに頷くと説明する


「まずルウ、おまえだが。お前の召喚魔術は自分の属性のものしか召喚できない。まぁお前にとっちゃ関係ないがな。しかし、契約したものの場合、関係はない。その契約方法だが実はと言うと、人によって違う。つまりは自分のやり方を見つけろということだ。

次に空間魔術の移動だが、これは一度行ったところでしか移動できないから注意しろ。

次にシズク。まあ、流雨と同じなお前は関係はないが、精霊魔術も自分の属性と同じ属性の精霊でしか扱えないから注意しろ。

そしてフユカ。お前の精神魔術も自分の属性しか使えないからな。関係はないが」


オルストはそこで一旦区切るとまた続ける。


「そして、お前達三人に忠告がある。お前達のそのユニーク魔法は人前では1つ以上使うな。もし露見すれば、まぁ、お前達は大丈夫だと思うが、そのユニーク魔法を悪用しようとするやつが出てくる。大丈夫だといっても、出てくれば面倒なことになるからな。そしてもう一つ。お前達のユニーク魔法については、絶対に信用出来る奴にしか教えるな。方法は違えど同じ結果になるからな。

まぁ、困った時にはこの部屋を訪れろ。俺はいつもここにいる。なるべく力になろう」


「ああ、ありがとう。そうさせてもらう」

「ありがとう」

「ありがとうございます」


三人は例を言い頭を下げる。


「ああ、じゃあな。おまえたちの旅路にどうか幸あることを」


その言葉をあとに扉を閉めて、エリシスの元へと向かった。




はい。チート過ぎますね。特に流雨が。

チート過ぎて気分を害した方がいたならすみません。

作者の趣味ですのでご容赦ください。

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