第二十八話 虐殺の始まり
「ここに、来るんだな?」
「はい。間違いなく」
一日の休暇を終え、決戦の日を迎えた。俺たちは、戦闘の準備を済ませ、開けた場所に出る。
「ワイバーンの攻撃は私が防ぐ」
「雫」
「任せて」
そうか。そこまでいうなら大丈夫だろう。俺はこくりと頷く。
「冬華とエリシスは、基本的に遊撃を頼む」
俺の頼みに二人は、異論を告げることなく頷く。さて、あとは後ろに備えている兵士たちだな。
「お前らは自分の身を守るだけでいい。それ以外はなにもするな。邪魔なだけだ」
俺の言葉に兵士たちはただ頷く。頷かれた俺は拍子抜けだ。てっきり突っかかってくるかと思ったのだが……………手のひらを返した、か。ふざけた奴らだ。今更手のひらを返したってお前らが最初にやったことは取り返しがつかないというのに。
「さぁーて、構えときましょうか」
地平線におびただしい数の影かこちらに向かって来るのが見える。何が50だ?50と決めつけやがって、最低でも50はいるってことじゃねえか。情報は正確に伝えやがれ。なんで100)もいるんだよ。まあいい。とにかく、ウォンデントは殺す!てめえのせいで雫と冬華を危険な目に合わせやがって。手加減はしねえ。
「お前ら、雫、冬華、エリシス、手を出すな。あいつらは、俺が殺す」
俺は全力で殺気を放ちながら、言葉を発する。流雨の言葉に、全員に戦慄が走った。だが、誰も止めようとしなかった、いや、止めることができなかった。流雨の発する殺気に慣れている雫達でさえ、足が震えていた。
「さて、空を飛ぶことが出来ても龍よりも飛行能力が劣る中途半端なトカゲどもよ。トカゲはトカゲらしく、地を這いやがれ!」
流雨がそう言った時にはもう、100もの影は、すぐそこにきていた。
そして、流雨の虐殺が、始まったーー。
「全て一匹残らず、冥土に送ってやる」
次回はワイバーンが大変なことになります。




