第二十二話 公共浴場へ
短いです。次回は公共浴場男湯side。その次は女湯sideの予定です。
「あ、公共浴場あったけど、よってく?」
「えっと、いいのか?隣の国の「「いいの!?」」……き、きじゃ」
エリシスの問いに答えている俺の話を遮って二人が身を乗り出す。
「危機って言ってもそんな二、三時間じゃ変わらないわよ。ワイバーンは空を飛べるっていってもそんなに速くないし、龍みたいに一日飛んでるわけじゃない。飛べても四、五時間よ」
「そうか………んじゃ、寄ってくか」
「「いぇーい」」
雫と冬華が俺のまえでハイタッチをする。うん。こいつら気づいてるか?胸が俺の腕にあたっていることに。この二人なんか俺だけに無防備なんだよな。なぜだろう?
「はい、着いたよ。降りて」
俺が考え事をしている間に用件を話して馬車を止めてもらったらしく、エリシスが俺たちにおりるように言う。
「御者台にいる人は留守番か?」
「うーん。大丈夫だと思って一緒に行こうって持ちかけたんだけどね、大丈夫です、て言われて結局留守番になったわね」
ふーん、そっか。
「それじゃ、さっさと入ろうか」
俺は公共浴場に向かって歩き出す。
「なに?ルーって他の女には冷たいの?」「いえ。そういうことじゃなく、あの人はウォンデントの使いみたいなものですから」「流雨ちゃんって自分を本気で怒らせた人には冷たいんだよね〜。例えあの人みたいに怒らせた本人じゃなくても、本人と関わりあるなら冷たいよ」「え?それってなんか理不尽じない?」「理不尽ではないよ。流雨ちゃんって怒ることはあっても滅多に本気で怒ることはないから」「この世界に来てから頻繁に本気で怒るっているけど、それはこの世界の人間が馬鹿なだけ」「馬鹿な人と関わろうと思う?」「なるほどね」
「おーい!なにこそこそと話してんだよ!早くいくぞ!」
「「「はーい」」」
流雨の呼び声に三人は返事をし、駆け寄っていく。ちなみに公共浴場は、男湯と女湯に分かれていてるが、竹を並べて紐で結んだだけの壁で境を仕切っている。そのため、なにを話しているか筒抜けだ。
「あれ?流雨ちゃんこっちじゃないの?」
冬華が女湯を指差して言う。
「はい?いやいや俺はこっちだって」
「流雨が女湯に入っても誰も気づかないよ」
「悪かったな!女顔で。俺ってそんなに女顔か?確かに中性的な顔立ちだとは思うけど」
「中性的でも女寄りだよね」
「ええ」
「あ、あはは。なんだかんだいって楽しんでるわね」
あーだこーだ言っている三人をみてエリシスは再びこめかみあたりを片手で抑える。
「それじゃ、出たら会おうぜ」
「りょーかい」
「わかった」
「ええ」
三人は口々に返事をし、俺は男湯に、三人は女湯に入っていった。




