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第九話 金の殺戮姫

『主よ。我を呼んだか』


「あーいや、確認したかったんだよ。召喚できるかの、ね」


『そうか、では帰るとするか』


「ああ、ありがとな」


ブリューナクの姿は一瞬にして霧となって消える。気温が元に戻り、さっきのことがかまるで嘘みたいだった。


「ちょ、ルー!!貴方一体なにやってるの!青い悪魔と恐れられる氷結龍をなにナチュラルに召喚してんのよ!」


「ちょっ、エリシス!少し落ち着け」


「これがおちついてーーいたっ!」

「あだっ!」


「はいはい、そこまで」


ヒートアップする二人に雫の拳が振り下ろされる。


「あは、あはは」


それを見て、冬華は苦笑いしか出来ない。


「いつつ、雫達もユニーク魔法の練習しろよな」


「それもそうね。流雨?練習台になってくれる?精霊魔法の」


「いやにーーわかりました」


反論しようとした流雨だが、 雫の浮かべる冷笑によって頷くことしかできなかった。


「それじゃ早速、『風の精霊よ、私に力を与えたまえ。エアロブラスト』」


「は?おま、ちょっ!?ーーのわ!」


流雨に向かって吹き荒れた風によって空高く吹き飛ばされた。


「くそっ!『強靭なる翼を我に与えたまえ、召喚、ホルス』」


召喚したホルスの背中に着地し、地面に叩きつけられずにすむ。そのままホルスで下降し、地面に降り立つ。ホルスから降りた途端、ホルスが消える。


「雫、何か弁解は?」


「なにも?」


戻ってきた流雨の頬には切り傷が四つほどできていた。それを見た冬華は流雨に近づき、

詠唱した。


「ルーちゃん。動かないでね。『この者に回復を、ヒール』」


淡く緑色の光が冬華の手から発せられ、流雨の傷が瞬く間にふさがった。


「冬華、ありがとな」


「ううん。大丈夫」


「はぁ〜」


エリシスは飽きれていた。ただでさえ扱いの難しいユニーク魔法をいとも簡単に扱って見せたのだ。しかもそこには余分な魔力は含まれておらず、必要最低限の魔力しか使われていない。その事実を目の前で見せつけられたエリシスは、ユニーク魔法を操るために三日かけた私ってなんなんだろうと思うしかなかった。無論、エリシスも格段に早い方である。ユニーク魔法をもった人は、操るために二月ほど費やすのだ。


「良い時間だし、お昼食べに行きましょうか」


「そうだな」

「ええそうね。お昼頃だしね」

「お腹減った」


「どこで食べましょうか。やっぱり水明亭?」


「他にどこが?」


「そうね」


そう言って四人は水明亭へ歩き出す。

しばらく歩き、水明亭の食堂でそれぞれ頼む。


「なぁエリシス。ちょっと気になってたことがあるんだが、いいか?」


「なによ?」


「《金の殺戮姫》の由来はなんだ?」


ゴホッゴホッとエリシスが咳き込む。なんか聞いちゃいけないことを聞いたか?気になってたんだよな。金はわかるが、殺戮姫?どういうこっちゃ


「なんだあんちゃんそんなことも知らんのか?」


後ろから声が聞こえた。振り返ると頭を除いた全身をゴツイ鎧で固めたえらくガタイのいいおっさんが座っていた。


「ああ、知らない」


「なら教えてやるよ。金はわかるな。殺戮姫の由来は二つあってな。エリシスは空間魔術師なんだよ。一つ目は、過去にこの街ーーミレッジは魔物に攻め込まれたことがあんだよ。 二百匹くらいだったかな。そん時に空間魔術を駆使して移動し、魔物の急所だけを的確に撃ち抜き、圧倒的魔法力で正面切って叩き潰し、一人で二百匹の魔物を殲滅したこと。

もう一つはある子供のお母さんがエリシスに子供が山賊に攫われた。このままじゃ奴隷にされてしまうから助けてくれって頼んだことが始まりだな。その子は女の子だったらしい。エリシスは風魔法で空高く浮かび、山賊のアジトを探し出した。そしてそのまま突入。

あれは山賊にからしたら悲劇だっただろうな。見回りにきていた下っ端が最初にエリシスを見つけたんだが、仲間を呼ぶまえに、首をはねられた。それで様子を見にきた山賊にフレイムテンペストを浴びせ、消し炭に。エリシスはその後、アジトに突入。アジト内は結構広く、そこには三十人の山賊がいたらしい。エリシスは魔力を惜しみなく使い、空間魔術で転移しつつ、次々と殺戮してったんだとか。山賊のボスは、次々と仲間が殺されて行く恐怖に怯えながらもにげなかった。エリシスがボスと対立したとき、ボスは逃げた。ボスは風魔法で高速移動して逃げようとしたが、両足を膝から切られて転倒。そしてボスはこう思った。こいつからは絶対に逃げられない。たとえ地の果てまで逃げたとしても殺されるって。ボスは泣き叫んだんだが、エリシスは無表情で取り合わず、焼き殺した。そんなことをしても、姫のように美しいから《金の殺戮姫》らしい」


なにそれ怖い。 普段あんなに大人しいのに、マジギレするとこうなるのか。いやいや恐ろしい。


「あの、えっとね、三人とも。気にしなくていいからね、ね」


説得しようとしたエリシスだが、三人は、


「怖」

「恐ろしい」

「怖いね」


ドン引きしていた。


「なんでよ〜!」


「《金の殺戮姫》のこんな姿初めてみたぞ」


男は辟易していた。

エリシスは頭を抱え、テーブルに突っ伏す。


「はは、まぁ、怒らせなきゃいいって事で」


食堂が笑いに包まれる。そして楽しい時間はすぎて行くーー。

皆さんに質問があります。この先の物語の流雨達の旅にエリシスを連れて行こうか迷っています。

なので皆さんに聞きたいと思います。


1 連れて行く

2 連れていかない

3 途中まで連れて行って別れる


希望がありましたら番号でお答えください。

よろしくお願いします。

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