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プロローグ

初めまして、当作品を開いていただきありがとうございます。少しでも楽しんでいただければ幸いです。

轟ッ


 風を切り裂くというよりは、風で叩きつけると言ったほうが正しいその一撃を、彼女は両腕で受け止めた。

 相手の体格、彼女の体格、それを比べれば二倍、いや三倍程も違うはずなのだが、彼女の体勢は崩れない。

 それどころか攻撃を受け止めた直後、すかさず反撃を繰り出した。それは圧倒的な速さで相手の顎へと着弾し、脳にまでその衝撃を伝える一撃だった。

 しかし、完璧に決まったかに見えたその攻撃は相手の分厚い毛皮と“得体のしれない防御膜”に防がれることとなる。

 それでも衝撃を受け流しきれなかったのだろう、相手は一歩後退する。

 彼女は次の攻撃に備えて構えを取り、一瞬だけ背後に目をやった。

 そこには子供が座り込んでおり、この攻防を見て呆然としていた。

 そう、彼女は背後にいる子供を守っているのだった。

 しかし、それが故に本気で戦うことが出来ず、防戦一方になっている。

 相手はそんな彼女の守りを突破しようと攻撃を繰り出し、だがそれを彼女が受け止める、という攻防を繰り返していたのだった。

 彼女は毎度反撃を行なっていたが、それは相手に致命傷を与えるほどではない。

 戦況は膠着していた。

 しかし、お互い目的を諦めることはせずに再び両者は接近する。

 相手を挟みこむように振るわれた剛腕の一撃。それを彼女は拳を上に上げたまま、左右に腕を開いて防御する。

 やはり、今回も彼女の体勢は崩れない。

 そして彼女もまた、反撃を繰り出しても致命打を与えることが出来ない。

 この戦いは、いつまでも続くのだろうか──


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