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俺はぼっちで神殺し  作者: 山ドラ
ぼっちが送る神殺しの旅の序章
8/14

七種夏向

一週間以内に投稿することはできました。

それでも十分遅いですよね。すみません。

リアルでの生活が忙しくてこれからも遅くなるかもしれません。

ですがなるべくこれからも一週間以内には投稿したいと思います。


 天使って神側の者なのか?

 なら倒すべき? ノンノンノン。あくまでも倒すのは神や魔物! 天使と仲良くしたっていいのだ! きっとそうだ! こんな天使を倒していいなんて世間が許しても俺が許さねぇ!

 そう、この意味不明で摩訶不思議で説明不十分な異世界に天使が舞い降りた。

 だがよくよく見てみると、その天使は俺達と同じく万能神殺し制服を着用している。

 そして眩しすぎてよく見えなかった天使の顔は、共にあの事故で死んでしまった知り合いだったのだ。


 こいつの名前は七種夏向さいくさかなた

 ショートヘアーがとても似合っていて、少し青みのかかった髪は七種にベストマッチ。パッチリと開かれた可愛い目。華奢な体で、ものごっつ細い足や腕は折れそうな程。背丈は俺より小さくて、春野よりは少し大きいくらいで小さめ。

 まるで小動物みたいだ。こんな可愛いのが動物園にいたら榊お兄さん、動物園毎日通っちゃうゾ☆

 勿論七種だけ撮影しに。毎日閉店までずっと七種を撮り続けてるだろう。

 それほどキュートな七種が、俺達と同じ神殺しの世界にいた。

 ここはキチガイな程に踊り狂って嬉しさを表現しなくてはいけないとこだが、生憎体力が残り7という死にかけなので、喜ぶ元気がない。

 体力が減れば疲労は溜まるし、スタミナも減る。実はスライムから逃げ回っていた時、若干だが体力が徐々に減っていってたのだ。

 まあ生きてた時より遥かに体力は上がっている。そこは異世界の力だろう。


「七種、お前……来てたのか?」

「うん、まぁね。僕も神を恨むことがあってね」

 七種でも嫌いなのはあるのか。お、俺のこと嫌いじゃないよな?

「ちょっとまってね。今、回復してあげるよ」

「え? 七種お前、回復薬でも買ったのか?」

 この異世界に回復薬というのがある。

 回復薬とは気体の薬みたいなもので、吸うだけで体力が回復する。麻薬ではないはずだ。

 他にも錠剤の回復薬、液体の回復薬がある。種類はこれくらい。ただ一つ、注射して回復するやり方があってこのやり方だと他の3つより回復量が上らしい。麻薬ではないはずだ。大事なことなので2回言いいました。

 だが七種は自分の手を俺の腹部に押さえつけるだけ。七種の手、小さくて可愛い……。


「僕は回復系を覚える異能力なんだ。今の所、技といったら体力を回復するだけの技しかないし、回復量はそんなに高くないけど、異能力スキルや魔力を上げると回復量もあがるし、生き返らせる技も覚えたりできるんだ」

 七種の俺の腹部に押さえつけている手から青い光がでてきていて、その光を受けた数秒受けた俺の体力が7から17まで上がった。どうやらこの青い光を数秒受けると体力が回復するっぽい。

 七種すげぇ! 回復だけでもすごいのに生き返らせる技覚えたら最強じゃんか!

「僕の今の魔力じゃ一回で10回復するね。もう一回、回復してあげようか?」

「い、いや、もういい。ありがとう」

 何故か挙動不審になる俺。何か緊張した……。

「どういたしまして」

 ニコッと微笑む七種。おおぅ、ときめきを感じてしまった。


 幸村と春野が倒し終わったようなので俺達の所に駆け寄ってくる。ちなみに俺にも倒した時に得る経験値が入っていた。何もしてないのに近くにいるだけで入ってしまう、この設定最高で最低だね!

「おっす、夏向! お前もここ来てたんだなー」

 その幸村の発言に七種は困ったような顔でアハハと苦笑いをする。そして春野はため息ついた。

「幸村くん、放課後の先生の話聞いてなかったわね……。七種くんが明日から同じ教室に来るって言ってたわよ」

 え? まじで? 俺の表情を見て春野は「あなたも聞いてなかったわね」と呆れたような顔を俺に向けてくる。睨んでくるのかと思った。

 え、今すっげぇテンション上がってる。どれくらい上がってるかというと逆に冷静になる程テンションが上がっている。

「うん。これからもまた同じ教室だね。よろしく」

 微笑む七種。ああ、生前の学校では幸村と俺と七種は同じ教室だったのだ。また俺が死んだという現実を改めて再確認されたようだった。



 俺達は勿論七種とパーティーを組んだ。

 今日はこれくらいでいいでしょう、と春野が言ったのでフィールドから出て街についた。

 俺達は今日学校に終わった後に行った宿屋に部屋を借りてあったので、その宿屋に戻る。ちなみに食事は宿屋がだしてくれる。

 なんとこの世界では飯はすべてただなのだ。何故なら食料なら無限に調達できるからだ。

 いつでも無限に調達できる。そう、飯はすべて魔物の肉だ。

 ……お前ら今、榊持ち悪っ! とか、マジぼっちとかありえね~(笑)とか、流石ぼっち! 俺達にできないことを平然とやってのけるっ、そこにしびれる! 気持ち悪ぅ~! とか思っただろ?

 これがな、結構美味しいんだよ。

 前に紹介しただろ? あのスライム亜種。あいつを料理したら最高に美味しいんだぜ? 見た目はう○こそのものだけどな!

 あれ? 俺、誰と喋ってんだろう?

 ……疲れてんのかな。今日は早く寝よう。


 俺達が借りた部屋についた。

 異世界の宿屋、と言っても日本のどこにでもあるようなホテルと部屋の内装は変わらない。

 床はねずみ色。入ったすぐ近くにある扉が風呂場。勿論中にはトイレと洗面所もあり、ご丁寧に使い捨ての歯ブラシ等が置いてある。明日学校に行ったらまた新しい歯ブラシやタオルなどが新品で置いてあるのだろう。そして風呂場の扉の前にはデカイ鏡がついている。

 花柄のカーテンや、妙にふかふかした椅子やソファ。その近くには小さなテーブルがある。

 3つ置かれている弾力のあって寝やすいベット。そのベットの間には固定電話とランプが置かれている。ベットの真ん前には若干大きめのテレビと小さな鏡。


 ……うん、どう見ても日本のどこにでもあるような普通のホテルそのものだった。

 つかテレビって見れるの? 見れたとしてもどんなの番組をやってるんだ? バラエティとかニュースとか天気予報とかやってんのかな?

 と、疑問に思った俺は宿屋の人に話を聞いた。若い奴に聞くのは抵抗があったのでまるまる太ったおばあちゃんに聞いた。皆NPCなので見た目も性別も年齢も全然関係ないというのにな……。

 おばあちゃん(見た目は)に聞くと、「そのテレビは飾りだよ。なるべく日本のホテルのようにして変に違和感を感じさせないようにするためらしいよ」だそうです。神殺しの世界でのNPCは無駄に変な所の気配りをしていらっしゃうようで。ホテルの中とかどうでもいいから魔物の見た目を何とかしてくれ。


 たがこの部屋には一つ、ホテルにはあるまじき物が置かれている。

 入り口近くの狭いスペースに無造作に置かれている……、

 し き ぶ と ん。

 これはある程度仕方のないことだ。何故なら俺達は初め3人と言ってここを借りているのだ。いきなり一人追加と言われてもこうするしかなかったのだろう。

 一つのパーティーに部屋は二つまで無料で借りれるので、もう一部屋借りれるのだが、今日は色々都合があって無理なので、今日一日だけ一人、敷布団で我慢してくれだそうです。

 この展開は絶対俺が敷布団で寝かされるパターンだと悟ったので、ぼっち必殺の話の輪から一歩離れて無言を貫き通し、俺に話を振らされないようにする作戦にでた。


「俺はベットじゃなくていいから、お前達ベット使えよ」

 と、幸村が言った。なに? わざわざ黙る必要は無かっただと?

「いや、僕が布団で寝るよ。僕が途中でパーティーに入ったんだから」

「いやいいんだよ。俺、実はベットより布団の方が好きなんだよ。生きてた時も寝る時はいつも布団だったからむしろ丁度良いくらいだよ」

「そ、それなら僕が使うけど……本当にいいの?」

「ああ」

 幸村が生きてた時も布団だって言うのは完全に嘘。俺はこいつの部屋を生きてた頃見たことがあるが、ベットだったしな。

 ……幸村かっけぇな。

 そんなイケメン幸村にありがとう、と七種は笑った。くっ、俺が引き受けるべきだったか……。俺以外にも七種は爽やかスマイルを向けていると考えると何か……、俺以外にも向けているのはわかっていたけどやっぱりなんか嫌だぁ!



 とりあえずベットはどれを誰が使うのか決める。

「私は窓側のベットを使いたいのだけど……七種くん、良かったかしら?」

 俺には聞かんのですか……。俺に選ぶ権利は無いらしい。

「うん、僕は別にいいけど……龍紀は?」

 俺にも問いかけてきてくれた七種マジ天使。

「俺も良いぞ」

「そ。なら使わせてもらうわ」

 春野は決定。後は俺と七種だな。

「龍紀どこ使いたい?」

「俺はどこでもいいよ。七種選んでいいぞ」

「じゃ、じゃあ僕、壁側のベット使いたいんだけど、使ってもいい?」

「おう全然良いぞ。なら俺は真ん中な」

「ありがとう」

 微笑む七種。……プハァー! この為に生きてんなぁー! あ、俺死んでたわ。


 ……、やばい。猛烈にやばい。

 夜。俺達4人はホテルでの夕食を終えて、部屋で各々で寛いでいた。

 ちなみに夕食は魔物の肉を使ったステーキ、見た目がキャベツに近い魔物の千切り、謎の白米、スライム亜種の体中から染み出てくる汁でできたスープだ。スープの方は何故かハヤシライスの味がした。

 部屋では春野は窓際に置かれている、窓の景色を眺めるためにか置いてある椅子に座り、読書をしている。何故か生きてた時に書店で見かける小説が売っていたのだ。神殺しの世界では日本で売られている小説が販売されている。勿論ライトノベルも販売されていた。金が溜まったら俺も小説を買おうと思う。

 幸村は筋トレ中だ。今は腕立てを必死にしている。見ているこっちが暑苦しくなってくる。確か腕立て50回を5セットとか言ってた気がする。


「37……38……39……50! いやー疲れたー!」

 あれ? 数字とばしてなかったかこいつ。39から50ってどんな錬金術ですか。

 次は腹筋を始めるらしい。

 七種はというと、今は風呂だ。

 部屋にいても響き渡るシャワーの音。ちゃぽんという水の滴る音までも聞こえてくる。

 この状況に俺だって男なので女が隣で入浴している状況に興奮しない訳が無い。今は勝手に脳内に流れてくる妄想に耐えきれんので、男のある所の処理もしたいとこなんだが春野という女子もいるのでできない。非常に残念である。

 まあ今はそれもそこまで問題じゃない。今一番問題なのは……。


 トイレしたい……。

 ホテルお馴染みの風呂とトイレが同じ部屋にあるので、トイレに行けなくて困っている。

 部屋からでて他のトイレを借りればいいのだが、トイレの場所は分からないし、地味にこの宿屋は広いので宿屋の中を深く知らないので迷ってしまう可能性がある。まあそろそろ七種も出ることだと思うので待つことにする。


 待つこと5分。

 限界だ……! 意味もなく体をくねらせて我慢する。

「どうした龍紀? トイレ行きてーの?」

「あ、ああ……」

「ならトイレすればいいんじゃないの?」

 え? あんた馬鹿ぁ? あ、こいつ馬鹿だった。

「七種が風呂入ってるから無理だろ」

「えー? 別にいいんじゃない?」

 きゅ、究極に馬鹿だ……。常識を知らないのかこいつは!?

「おーい! 夏向! 龍紀がトイレを使いたいだとよ! いいか!?」

 何聞いてんだよぉぉぉ!!

「え!? ごめん龍紀! 今出るからもう少し待って!」

「え、いや俺は別に……」

 い、いややっぱり限界だ……。 

「龍紀そろそろ限界っぽいしよー、いいじゃねぇか」

「え? い、いや無理だよ! 恥ずかしいよ……」

「は? いいじゃねぇかどうせお前ら……」

 あ! やめろ! それ以上言うな! 俺の夢を壊すな!


「男同士じゃねぇかよ」


 ……ああそうだ。そうなのだ。

 さっきまで女だと思っていただろう七種夏向は、見た目も可愛いし性格も良いしいい奴で女みたいな顔しているのだが……。

 正真正銘、男なのだ……。何故女じゃないんだよぉぉぉぉ!!


 神様ってひどいよね。私の幸せ、全部、奪っていったんだ……。

 絶対俺の手で殺す……。



読んでいただきありがとうございます。

ひたすら感謝です。

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