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俺はぼっちで神殺し  作者: 山ドラ
ぼっちが送る神殺しの旅の序章
6/14

実戦

小説を投稿するのに時間がかかってしまい、すみません。

読まなければいけない小説とかもあるし、リアルのほうも

なかなか忙しくてこれからも遅くなるかもしれません。

次からはできるだけ一週間以内には投稿したいと思います。

 ここはできたてホヤホヤの神殺しが通う学校、天上学園。神殺しは15歳~25歳までしかなれない。

 学年は15~18歳が1年生、19~21歳が2年生、22~25歳までが3年生らしい。つまり3年生だからといって神殺しについての学力が豊富とか、レベルが高いとか、そういうのはまったくない。ただ年老いているだけだ。

 俺は1年生、クラスは6クラスあるが俺は1組らしい。

 さっきまで俺達3人に色々教えてくれた教師のような人が教室の扉を開ける。

 そこで待っていたのは俺にとっては嫌な光景だったのだ。


 「今日からまた3人追加だ。名前は一番左の男は山本幸村やまもとゆきむら。真ん中の女が春野春奈はるのはるな。一番右の男は榊龍紀さかきりゅうきだ。」

「よろしくー」

「……」

「……」

 皆、黙ってた二人が誰なのか、わかるよな?

「ではすぐに授業に入る。席はいっぱい空いてるから適当な所に座りなさい。ちなみに授業に必要なものは机の中にある」

 そういえば無駄に広い教室だし、いっぱい席が空いている。

「なあ、どうせなら俺達近い席に座ろうぜ」

 小声で提案してくる幸村。

「俺は別に構わんが……、春野がもう先に行ったぞ」


 無表情で颯爽と目当て席に向かう彼女はクラス中の視線を集めた。まあ集めたんじゃなくて正しくは集まったんだろう。

 性格は残念極まりない彼女だが、容姿だけは一級品。黙っていたら最高に可愛いのだが、奴の性格を知ってしまったら最後、可愛くないと思ってしまう。

 彼女は窓際の一番後ろに腰掛ける。都合よくその隣2つが空いていたので俺達はその隣に座る。俺が幸村と春野にサンドイッチにされている状態だ。


 俺が隣に来た時、チラリとこちらを見た春野。目があったのだが、興味のないものを見るような、無機質な目を向けられ、すぐに目を逸らされてしまう。

 俺も席に座る。あの先生は実技くらいしかないと言っていたくせに、よくわからんが戦い方について話をしている。

 新米として、ここは聞かなくてはいけないとこだと思うが、内容が頭に入ってこない。むしろ俺が入れていない。

 ボーっと聞いているフリをしている。

 なんとなく教室を見渡すと、さっきまで気づかなかった

事実に、気がついてしまう。


 この教室、女子が多い。

 全体が10だとして、女子が8、男子が2という割合だ。

 健全な高校生男子としては、女子が多いということは非常に喜ばしいことなんだろう。

 だがそれは、健全でバカな男子高校生の話だ。

 女子が多いなんてぼっちの俺としては一つも嬉しくない。

 俺というぼっちが女子に好意を持たれることなど、あるはずがない。中学時代、恐ろしい程痛感してしまった。

 だがそのおかげでビッチ女子に今後、騙されることはないだろう。

 なのでビッチが多くいたところで俺にとっては動物園の猿が教室で好き放題してウキウキ騒いでいるのと代わり映えはしない。

 なぁ、猿ってうるさいイメージがあるよな? 本当にそんなにうるさいのか? これ結構疑問なんだが。

 どうでもいいか……。俺は眠たくなったので、机に突っ伏した。

 眠気も生きてた時とまったく変わらない。天井世界とは生きてた時とまったく変わらないな。痛みはあるし、腹も減る。

 俺は机に突っ伏した状態で、今後のことや異能力の使い方に

ついて色々考えていた。が、途中で眠気に負け、そのまま眠りについた。


「おい龍紀、起きろ。号令だ、立てよ」

 幸村らしき声が横から聞こえてくる。あ? 授業終わった? おかしいな、幸村と席こんなに近くだっけか? そうだ、ここは天上世界で生きてた時の学校とは違うんだ。

 今、自分が死んでこの異世界に来たことを改めて思い知らされた気分だった。俺は静かに立ち上がり、礼をした。


 ミスったな……、こうなることを予想しておけばよかった……。

 俺は今、自分がこの席を選んだことに心底後悔をした。

 右隣の幸村は若干イケメンな男で、親しみやすくて面白い奴だ。順応性の高い高スペックリア充な彼の周りはすでに幸村を中心にしてヘラヘラ笑いながら自己紹介やらなんやらで大騒ぎ。

 幸村の輪には女子もいる。いや、むしろ女子が大半だった。皆が一様に幸村を「おもしろい。かっこいい」などと大絶賛していた。


 反対に左隣の春野は一人、頬杖をつきながら窓の外の景色を見つめていた。

 清楚系な春野が一人、外の景色を眺めていらっしゃる光景はだれもが認めざるおえない程、綺麗で、美しいものだった。

 見た目完璧女子の春野は、当然の如く男子からの視線を集めていた。本人にはその気がなくても今時の男子など、春野みたいな女子がいると必ず見惚れてしまうものだ。

 俺も初対面の時は、彼女を見た瞬間ドキッときたのだが、初対面の男(俺)に対しての第一声が「目の腐った男」だった。

 俺の目って、腐ってんの?


 そして彼女は人と関わろうとしない、俺と同じぼっちだったし、後にも先にもラブコメ展開を期待させない女だったので、惚れることなど、全くなかったのだ。

 チキンな男子共は春野に話しかけようとはせず、遠くからただ眺めている。

 春野の放つ、「話しかけるなオーラ」に気圧されて誰も話しかけようとはしない。

 そんな男子の視線を集めるような春野に、まあ女子共(特にビッチ)がなんとも思わない訳がない。

 どの学校にも存在しているだろう、女子に嫌われる女子。まあ春野の場合は自分から関わろうとしてないのもあるがな。

 こんな異世界の学校であっても、学校は学校なのだ。生前の学校と、対して変わらない。


 相性が違っても人に注目されることに長けている二人。

 輪と輪の間にサンドイッチされているのが俺だ。

 俺は孤高を貫く、まあ普通にしていても勝手に人が離れていく俺はもちろんのこと一人で誰にも相手にされずにいたりする。

 周りの男子や女子から俺に対する小言が聞こえてくる。


 内容はこうだ。

「あの人誰だっけ?」

「えーっと……さか何とかさん」

「話かけ辛いんだけど~」

「つーかこの二人とマジ釣り合ってないよね~」

「なんで幸村くんと一緒にいんの? ストーカー?」

「てか何でいんの?」

「死ね」


 ……みたいな~。

 こいつら小声で本人に聞かせないつもりならもっと場所を弁えろ。丸聞こえだっつーの。

 転校(?)初日でこの言われようだ。

 常人ならすぐ窓から飛び降りて死のうとするだろう。まあ俺も一瞬死のうと考えた。だが俺は並大抵の人間やぼっちとは違う。

 俺はぼっちを極めし者だと自負している。これくらいの精神攻撃、中学の時これ以上のことをがあったので、まだ平気だ。

 俺のようなぼっちは色々とヘマをしたらクラスのリーダー的な奴の怒りをすぐかってしまい、手下A、B、C、D、E、共に俺の周りを囲んで輪の中心に俺を置き、指を指しながら、

「謝罪しろ!」「近藤君に謝れ!」「しゃーざーい!」などと言われて不覚にも人の見るようなとこで泣きそうになったことがある。

 まあ、結局泣いたんだけどね……。掘ろうと思えばトラウマなどいくらでも掘り起こせるぼっちには、多少の精神ダメージは食らうといえば食らうのだが、並大抵のことでは屈しない。

 周りは俺を嘲笑したりするが、俺は特に気にする素振りもせず春野と同じようにして窓の外の景色を眺めていた。



 授業は淡々と進み、学校は終了した。

 初めての神殺しの学校の授業は異能力を使った模擬戦や、実戦での動き方などを学んできた。

 寝泊りなどはどうするかというと、宿屋でパーティーの奴らと一緒に寝ろということらしい。

 宿屋は結構デカイ。この宿屋には俺達と同じ学校通いの生徒は無料だと言う。学生お得すぎる

 なので俺達3人はその宿屋を学校に通っている間は泊まることにした。

 ちなみに春野とももちろん同室。美少女が一人、男2人もいる所で風呂入ったり、寝たりする訳だ。


 ……そんな状況、危ないことがあってもおかしくないだろう。

 だが起きない。理由はただ一つ、怖くてできない

 春野を襲うとか、無理ゲーすぎる。その先はBADEND以外ない。

 ちなみに衣類はどうしてるかというと、転生された時から天上学園の制服を着ていた。この制服はさすが異世界と言わんばかりに高性能。汚れを感知するとすぐさま綺麗にしてくれる。汚れる心配もないし、汗をかいても臭い匂いは残らない。なにこれ、万能すぎる。


 そして今、俺達はフィールドに出ていた。

「……何すんの?」

 俺は心底だるそうだと言わんばかりな顔をして問う。

 春野は俺を一瞥し、さっきまで見ていた方向を見直す。

「少しは実戦というものに馴れておきたいわ。だから今から近くの魔物と戦うのよ」

 一人でやってろよ……。俺は嫌だ、部屋に戻りたい……。

 引きこもりとは失敬な、宿屋警備員と呼びたまえ。

「俺はいいと思うぜ。クラスで俺達だけ弱いとか嫌だしな」

 気さくに笑ってそう言う幸村。

「でわ行きましょう」

 長い髪を翻して、ただ一直線に歩く春野。おい、俺はまだいいなんて一言も言ってないぞ。無視ですか……、まあ馴れている。

 その後ろをついて行く幸村。そして幸村の後ろから歩いているのは俺。

 奇跡的に縦一列になっていて、なんとなくドラ○エっぽい。


 しばらくすると前の茂みから俺を殺したスライムと同種のスライムが現れた。

 でやがったな腐れスライム……。お前も蝋人形にしてやろうか!

 ……、ノリで言っただけだ。俺は決して蝋人形ではない。

「運が悪かったわね……、まさかスライムだなんて……」

 チラリとこちらを見る。おいおい、お前の運の責任だろうが。確かに俺は運がないけど俺のせいではないだろ。……たぶん。

「え? つーかスライムって強いの?」

 俺の質問にため息を一つ付く春野。

「あなた先生の話聞いてなかったわね……。この辺で一番強いのよ」

 こいつが? あのドラ○エではほとんど少量の経験値を上げる程度の仕事しかしないくせに、強いの?

「まあしょうがねぇよ、なんとかしてやっちまおうぜ」

 拾った小石を剣にして身構える幸村。

「あなた剣術は?」

「全くない……。とりあえず今は見よう見まねでがんばるさ」

 えー戦うの? 俺、魔法も剣術もないし、異能力も戦闘向けじゃないんだけど……。

「……幸村、剣一個作って俺にくれ」

「いいぜ、ほらよっ」

 剣を投げてくる幸村。うおっ! 危ねぇ! もう少しで足切れるとこだった。

「相手も3匹だから、一人一体相手して」

 こいつらって匹で数えるの? 難しとこだ……。

「来たぞっ!」

 幸村が声を上げる。一匹が体当たりで突撃してくる。

「うおぉっ!?」

 間一髪、横に飛んで避ける。……てめぇは俺が倒す!

 いい感じに一人一匹ついた。やってやるよ……。俺だって神殺しだ。


「いくわよっ!」

「いくぜぇ!」

「やっぱり無理だぁぁぁ!!」

 春野は氷を、幸村は剣を、俺はただ逃げる!

 ゲームとは訳が違う。スライムであろうと、魔物は魔物。ふつーにこえぇぇ! なんであいつらあんな格好良くできるの!?

 俺はただ、逃げ続けた。どこまでも、どこまでも……。

 



読んでくださり本当にうれしいです。

ありがとうございます。

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