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俺はぼっちで神殺し  作者: 山ドラ
ぼっちが送る神殺しの旅の序章
4/14

春野春奈

俺のもう一作のほうを知ってるかたは知っている

一応この作品だと新キャラ登場です。

 俺が今いるところはフィールドではなく真っ白い世界だ。

 ここはたしか、死んだ時くらいしかもうこれなかったような……?

 死んだんだな……。スライムごときに。

 冗談だよな? あ、クエスチョンがいる、聞いてみよう。

 俺が近づいたらクエスチョンが先に口を開いた。

「早っ!?」

 ですよね。てかやっぱり死んだんだな俺。


「なんでこんなに早く死んだの!? 開始13秒で死ぬってお前、長年ここにいたけどたぶん過去最高速だよ!? すっごい不名誉な記録残してますよ!? あとさっき僕達結構感動的な別れ方したよね!? いい空気ぶち壊してますから! せめてもっとステージ進めてから来てよ! さっき僕、次会うときは君が神を殺してる時だよ。とか言ったんですけど! すんごい恥ずかしいじゃん! 神を殺す前に何スライムに殺されてんの!?」

 クエスチョンによるツッコミが雪崩のように襲いかかる。

 悪いな。空気をよむことに優れているぼっちだったとしても殺されるか殺されないかはよめないわ。

 一通りツッコミ終えたクエスチョンは肩で息をしている。

 落ち着けよ、完全にキャラが崩壊していってる。

 やっと落ち着いたクエスチョンは話を切り出した。


「で、死んじゃったわけだけど、どうする?」

 どうするって言われてもなぁ。何もやることねーし。

「誰かが助けてくれるんじゃね?」

「だといいね……ハァ」

 もうため息しか出ないご様子のクエスチョンさん。

「あ、ついでにもし生き返った時のことを考えて最後に何を言おうとしたか教えてよ」

 そうだった、自分で言っておいて忘れてた。

「仮に俺が神を殺したとする。そのあと、俺はどうなるんだ?」

 一番の疑問。それを口にする。まあ一番の疑問を最後に質問するっていうのもおかしな話だ。


「そのまま君が、神になる。君が神を殺したあとの世界を担うことになるのさ」

 な、なんだと……。俺が神……?

「神になったら、少しは世界を操ることができるのか?」

「もちろん。たとえば、君が高校というものを無くそうと考えたら世界から高校というものは理由を装って消える。つまりマジックのように消えるのではなくリアリティーに、色々理由があって消えるようになるのさ」

 ま、まじか……。神になったら神じゃん。あ、神だった。

 つまり俺がこの世からイケメンは消えろと言うだけでこの世からイケメンが消えるのか!? す、すげぇ……! いや待てよ。

「俺が神になったら人間として生まれることはできないのか?」

 そうだ。こんな異世界にラスボスとして居座り続けなくちゃいけなくなるのなら。イケメンを殺す意味がない。

「できるよ。それも神という絶対的な権力を持ちながら人間になって地球で暮らすことができるよ」


「よし、絶対神殺す」

 そして地球をぼっちが住みやすいような世界にする。

「その前に君今死んでるから……。あと残り時間1分で成仏だよ?」

 まじで? じゃあ俺死ぬじゃん。せっかくの野望が……。

 夢を諦めていると体が白に包まれる。とうとう成仏か、さよなら。

「あ、よかったね。誰かが君を生き返らせたっぽいよ」

「まじで? 誰かしらんがありがとう!」

「じゃあ、今度こそはすぐ死なないでね?」

「まかせろ。次会うときは俺が神を殺してる時だ」

「それ、さっきの僕のセリフ。今度は絶対だよ?」

 そして俺は完全に白に包まれた……。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 目が覚めた。

 俺は今いる自分の場所を確認したが、どうやらここは教会っぽいところだ。ああ、そういえば生き返らせるには教会に行かなきゃいけないとか言ってたな。

 俺の後ろに気配を感じる。おい、俺の後ろに立つな。


「やっと目が覚めたの? まったく、開始早々死ぬなんて相変わらずのショボさとスペックの低さね」

 冷淡で凛とした声音。この声には聞き覚えがあるんですけど。

「お前……、春野か?」

「ええ、久しぶりね。スタート早々にあなたと会うなんて、幸先悪いわ……」

 ほっとけ。てか俺は悪霊か何かか?

 こいつは生前に俺と同じ高校に通っていて、色々あって俺が強引に入れられた部活の部長である。


 名前は春野春奈はるのはるな。容姿端麗、成績優秀、文武両道、才色兼備、多芸多才、温厚篤実……、言いたくないがおよその人間でこれほど完璧な存在はいないだろう。

 春野という女は高いスペックの持ち主。

 だが、性格はいいものではないし、目つきなんか犯罪者だ。外面は完璧だけど、こういうやつを可愛げがないと言うのだろう。

 あとはこいつもぼっちだいうことかな。まあぼっちであることに関しては全然不利益ではないしむしろ利益でいっぱいだから短所に入らないかな。だがこいつは俺とは違うぼっちだ。

 俺は完全に空気と化していて誰も俺にはよってこないという常に空気と隣り合わせで高校生活を過ごしていた。

 だが春野はその完璧な外面により常時周囲の異性から好意の目を向けられていたらしい。それがどういうものなのか常に周囲から嫌悪の目で見られていた俺にはわからん。中学生時代が一番酷かったな。異性同性関係なく嫌悪の目で見られてた時期。

 まあ俺のことはいい。まあ常に男の目を引くような女がいたら他のビッチからしたらいい物じゃないんだろう。

 女子に嫌われる女子。そんなカテゴリーの奴ならどこの学校にだって存在するだろう。実際俺はそんな奴を見たことがある。

 春野は常に四方八方好意と敵意だらけだったのだろう。

 ぼっちの過去を振り返ればそれはもうトラウマばかりだ。

 こいつはこいつで俺とは違う生き方をしたのだろう。

 リア充共はわけわからん。一人でいちゃいけないという価値観が意味不明。むしろ孤高を貫くべきだろう。


 まあこんな感じである。俺と春野との関係は結構嫌いではない。その後の関係に期待できないからな。下手に勘違いせずに済む。

 と、考えるとこいつが俺を生き返らせるなんて意外だ。


「何故俺を助けた?」

「一応もう死んだけど元お助け部、助けがほしいのなら助けるわ。まあ本当は置いていこうとしたけれど、理由があるわ」

 鬼っ! 悪魔っ!

「その助けた理由はなんだ?」

「一つはあなたが生きてる間に神を酷く、それは引くくらいに憎んでいたのはわかるわ。つまり助けを必要としたのでしょう? だから助けたわ」

 へ、へへ……、なんだよ春野。いつも汚物を見るような目で俺を見てたくせに結構優しいじゃねぇか。


「二つはこれから先、パーティーが組めるか疑問だったから。知ってる人がいるのなら、一応不本意だけどパーティーを組むわ」

 不本意なんだ。まあぼっちはコミュニケーション能力が著しく低く、他人と喋ることを極力拒む。よってパーティなどは絶対に組めない。だから知ってる奴でも一応パーティーにする訳ね。

「まあ俺も正直、組めなさそうだったしちょうどいいか」

「ええ、では、はい」

 春野が俺に左腕の無駄にジャラジャラしたブレスレットを見せつけてくる。何これかっこいい。で、何してんのお前?

 するとまと唐突に脳内になんか説明が入ってくる。……。

 なるほど。お互いのブレスレットを見せ合うと色々非科学的なことが起きて正式にパーティーが組めるということか。

 パーティーを組むと魔物を倒したらお互いに経験値が入る。だが片方が街に、片方が戦闘をしていて戦闘をしている方が魔物を倒しても経験値が得られるのは倒した方だけ。

 つまり一緒にいないとダメ。なんというめんどくさいシステムだ。

 単独行動を好むぼっちとしては非常に喜ばしくないな。まあ集団行動も得意だ。常に集団から若干距離を置いて空気に馴染む。そして無言。リア充共の邪魔にならない、空気をよむぼっちができる集団での必勝法。これ集団行動じゃなくね?


 新たな疑問と共に春野とパーティーは無事に組めた。

 さて、これからどうしよう。

「何してるの? 早く学園に行くわよ」

「は? 学園?」

 こいつ、ここが天上世界って知ってんのか?

 俺の反応に春野が驚いたような顔をしている。何その反応。

「あなた、あの空間で話を聞いてなかったの?」

 春野がゴミ虫を見るような目でこちらを見ている。おいおい、これから共にするパーティーにたいしてあるまじき目だな。

 てか、俺まじで聞いてない。学園って何?

 するとまたまた唐突に脳内から何か声が聞こえてくる。この声はクエスチョンだ。


『ごめん。学園のことを言うの忘れてた。その人から聞いておいてー』

 おいおい、お前長年そこにいるのじゃないのかよ!

 俺は諦めて春野に聞くことにした。

「すまん。教えてくれ」

「ハァ……。これからのことくらいしっかり聞いて来なさい」

 俺が悪いのかなぁ?


「まあいいわ。学園って言うのはこの異世界に転生された人が初め通わなくてはいけない所らしいわ。ある程度通い続けたら正式に自由に神殺しの旅に出ていける。学園に通っている間はこの辺しかいてはいけない。学園でしっかり神殺しのことを学び、魔物との戦い方や自分の異能力のことを学んでからじゃないと駄目らしいわよ」

 うっ、また学園生活かよ。ぼっちの俺にとっては苦痛だ。

「あとその学園でパーティーを組めば良いって言ってたけど正直組めそうにないわ」

「まあ知り合いがいることに賭けるしかねぇ。問題はあいつらが神を憎んでいるかどうか……」

 実は俺達、一緒に死んでいる。一緒に死んだ奴は俺達二人以外にまだいるから、そいつらがここにいるかもしれない。

「私達のように、神を憎んでいた人は少ないと思うわ。最悪いないでしょう」

「だよなぁ……」

 やっぱり見知らぬ誰かとオトモダチになって組むしか……。

 無理だ……。俺と春野の対人スキルは0だ。

「悩んでいてもしょうがないわ。行きましょう」

 そして春野は歩き始めた。俺はその隣について行く。

 お互い無言のまま、学園とやらに向かうため歩き続けた。


 そして迷った。ていうかこいつ場所とか知ってるんじゃないの?

 もしかして知らずに無駄にかっこよく歩き始めたの?

「ねぇ、榊くん。学園ってどこかしら?」

「まず学園があることを知らなかった俺に聞くな」

 春野が使えない、と目線で言っている。怖いこいつの目。

「とりあえず、誰かに道を聞きましょう」

 と言っても、人すらいない。俺達はどこに迷い込んだんだ?


 とりあえず来た道を引き返す。すると一応人がいるところにでた。

 春野が目線で誰かに聞いてきなさい、と言っている。

 こいつは目で喋れんのか? 俺は仕方なく適当な人に近づき話しかける。

「あの、すいま―――」

 そのまま通りすぎて行ってしまった。

 ……別に悲しくなどない。馴れてるからな。

「さすがは榊くんね。人に無視をされるのはプロ級だわ」

 春野が少し笑いながら感心(?)していた。ほっとけ。


 そこから色々困難(無視される)はあったが、ようやく学園にたどり着いた。

「天上学園……?」

 ここが天上世界なら学校の名前は天上学園ですか。なんでも天上つければいいのかよ。

「では行きましょうか」

 俺達が学園に入ろうとした時。


「あれ? 龍紀に春奈?」

 後ろから声がした。知り合いがいただと……?

読んでくださった方々に感謝です。

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