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俺はぼっちで神殺し  作者: 山ドラ
ぼっちが送る神殺しの旅の序章
2/14

神殺しについて

神殺しについて、軽く説明タイムとなっています。

あと主人公登場です。ぼっちです。

 ……ここは? どこだ?

 辺りが暗い。体の感覚がない。それでいて少し楽だ。

 ああ、わかった。俺は死ぬんだ。

 なんとも短くて儚い人生だった。

 ただ、せめてあの小説が完結するまで死にたくなかった。

 そして落ちていく。深い深い、暗い世界に。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 落ちていく、落ちていく、と思っていたら俺は変な所にいた。 辺は真っ白でいてなんとなく落ち着ける空間だ。

 俺、榊龍紀さかきりゅうき。ぼっちである。

 どこだここは? もしかしてここが地獄なのか? なるほどな、ここは地獄か。よーしかかってこいよ閻魔様。俺の土下座が火を噴くぜ?

 などと情けないことを考えていたら、後ろに気配を感じた。来たか……。


「やあ、テンパってるかもしれないけどまずは落ち着いて」

「ごめんなさい! 舌を抜くのは勘弁してください! 痛いの無理です!あの、40度くらいのお湯なら耐えられるんでそれでお願いします!」

 声がした瞬間土下座をした。

 情けないかもしれないが、舌を抜かれるくらいなら土下座で許してもらうほうがいい。

「……君、ここを地獄と勘違いしていない?」

「は? ……地獄じゃないの?」


 顔を上げると声の主は目の前にいた。

 目の前の声の主はなんと普通に俺くらいの身長の男だった。

 こいつが閻魔? いや、どう見てもショボそうだ。

「地獄じゃない? ならここはどこだ? 俺はどうなったんだ?」

「ここは、君の精神の空間? といえば言いのかな?」

「よくわからんが、俺の空間って思えばいいか?」

「そうそう、それそれ。理解が早くて助かるよ」

 目の前の少年は安心したのか、ホッと息をついた。

「いやー君、以外に落ち着いているね。ここにきた人間はだいたい混乱するものだよ? ここに来たってことは死んだってわかってる?」

 そんなキッパリ死んだって言わないでくれ、さすがにへこむ。

「まあ俺は死ぬ直前に死を覚悟したから、もう死んだってことはわかってたんだよ。だから、なんかここにいても落ち着いていられる」

「それでもだよ。以外に心が頑丈だね」

「まあな。確かに俺は並大抵の人間とは違うかもな。なぜなら俺はぼっちを極めし者。常に孤高を貫き、一人で強く生きてきた。精神的ダメージは中学生の時、日常茶飯事だったからな。心は鋼だ」

 さすが、俺。まあ少年がちょっと引いてるけど気にしない。

「ま、まあ、とにかく。ここに来たのは理由があったからだ。単刀直入に言う。君、神を殺せるチャンスがあったらどうする?」

「殺す」

 ちなみにイケメンを殺すチャンスがあっても殺す。

「ならば決定だ。おめでとう、君は今日から神殺しだ」

 と言って少年は俺に拍手を送った。あ、どうも。

 って、こいつはなんていった? 神殺し?

「今から神殺しについて、軽く説明をするよ」


(プロローグの神殺しとは、の説明と同じことを説明しました)


 ふむ、つまり俺は今日から神殺しで異世界で神を殺すチャンスが与えられた。と言う訳か……しかも、異能力付き!

 厨2病だった俺が、異能力で興奮しないわけがない。

 あ、あとイケメンを殺すチャンスは? ないの?

「なあなあ! 俺の異能力はどんなのだ!?」

「それは異世界にいってからのお楽しみ」

 まったく、しゃーなしだな! どんなかっこいい異能力だろ?

 楽しみすぎて少し興奮している俺を無視して、少年が話を続ける。

「神殺しについて大まかに説明したけど、今から細かいとこも説明していくね。神殺しについてや異世界について質問はない?」

「じゃあ、どうやって進めていけばいいか説明をくれ」

 これ聞かないと先に進めないからな。


「うん。じゃあ一から説明するね。今から君が行く異世界、またの名を天上世界にどんなのがあるかを説明すると、まあ一応色々な街があってそこで宿屋を見つけて寝泊りしたり、アイテムや武器を買ったりできるよ。街をでたあたりはフィールドと言ってね。神が送り出した魔物が存在する」

 おいおい、神のくせになに魔物取り扱ってんだよ。


「まあ定番だけど君たちにレベルというものが存在していてね。魔物を倒したりしてると経験値を得て、一定の量の経験値が溜まったら、レベルが上がるんだ。レベルが上がると勝手に筋力や体力が上がるわけではないよ。レベルが上がるとポイントが10個与えられて、その10個を使って体力とか筋力とかを上げていくんだ」

 経験値って何だよ。まぁ細かいとこは気にせず聞こう。


「街に行く順番はあるけど、別に守らなくてもいいんだ。でも魔物の強さは街に行く順番どうりにどんどん強くなっていくから、下手にショートカットしたらいきなり強い魔物が現れて太刀打ちできずに死んでしまうかもしれないから気をつけてね」

 

「つまり順番どうりに街に進み、魔物を倒しながらレベルを得て、徐々に神を殺す作業にかかればいいってことか」

「うん。それが天上世界の簡単な進め方だね。まだ質問は?」

「レベルが上がった時に得た、ポイントは筋力とか上げるために使うんだよな? 振り分けられるものの種類はどれだけだ?」


「筋力、体力、速さ、剣術、魔力、異能力スキル、魔法スキル、だね。筋力、体力、速さは分かるよね? それ以外の説明をするね」

 分かるよねって確認を取るなよ。俺のこと過小評価しすぎだろ。


「剣術は剣の使い方を上げることと、剣を使った技を取得することができる。剣士になりたいならまず剣術を上げないとね。次に魔力、魔法を使う時は魔力が必要となる。魔力が高ければいっぱい魔法が発動できるし、魔力は魔法の威力もあがるんだ。でも魔力は魔法を使う者だけが上げればいい訳じゃないよ。剣術にも魔力を使う技があるから、剣士も魔力を上げなきゃならない」

 魔力って最強にして最高だな。うっかり俺の厨2病が再発しそうだ。


「次にスキルについて説明するよ。異能力スキルは自分の異能力の威力や性能をあげたり、技を覚えたりするんだ。でも異能力には種類が色々あるから、異能力スキルは人それぞれなんだ。技を覚えない異能力や、性能がすでにMAXの異能力も中にはあったりするんだ」

 色々あるなぁ異能力。さらに自分の異能力に期待が高まる。


「次に魔法スキルについて。魔法スキルは魔法を覚えていくスキルだね。色々な魔法があるよ。あと魔法スキルには面白い機能がついてるんだ」

 ほう。それはもしかして某人気小説の女性の衣類を吹き飛ばす、「ドレス・ブ○イク」や女性の胸の内を聞ける「パイリン・ガ○」とかがあるとか? 

「君、ドラクエとかのRPGゲームはやったことあるかな?」

「まあ一応……。てかよくゲーム知ってんなお前」

「ドラクエだと呪文を覚えても初めは弱い呪文を覚えてレベルを上げてくと徐々に強い呪文を覚えていったりするよね?」

 俺の問いには無視? まあ無視には馴れてます。

「この世界では覚える呪文の強さはランダムなんだ。その人の運次第で決まる。初めに覚えた魔法が最上級魔法の可能性だって無きにしも非ずだよ?」

「マジ!? 初っ端から最上級魔法とか覚えれんの!?」

「マジマジ。運が良ければね」

 そう言って笑う。あ、運ですか。じゃあ無理だな。生憎俺は神に完全に見放されてるし。俺の運量は0に等しい。


「これくらいかな? 他に質問はない?」

 そうだな。やっぱり気になったのは……。

「体力が0になって死んだら、どうなるんだ?」

「ゲームオーバー。そのまま成仏して神殺しの夢が全部パーになる」

 い、以外に難しいな神殺し……。


「それでもすぐ死ぬわけじゃないよ。6分30秒だけ有余が与えれる。その間に誰かが君を教会に連れて行ったりして助けると生き返ることができるんだ。あ、6分30秒の間はまたこの空間で僕とお喋りタイム。なんでこんな設定があるかは僕もわからない」

 そう言って笑う少年。6分30秒って、随分と微妙な時間だな。

 あと意外に長いんだなー。30秒くらいかと思った。

「あ、6分30秒を長いと思っちゃダメだよ。魔法スキルに生命を生き返らせる魔法はないんだ。だから地下深い洞窟などに行って死んじゃったら、ほとんど助からないと思うよ。だから注意してね」

 やっぱり難しいなこの世界。もっと楽に殺させて!

「でも一応、異能力には人を生き返らせるような異能力も中にはあるらしいから、そんな異能力を持った人とパーティーを組んだら心強いね」

 生憎俺はコミュニケーション能力は皆無。むしろ俺にパーティー組めるかどうかすら疑問だ。

「これくらいかな? まだ質問はある?」

 俺は少年の問いに今俺が思った疑問をぶつける。


「俺はパーティーを組めるのか?」

 俺は本気だ。それを受けて少年は目を丸くする。

「え?」

 わからなかったか? ならもう一度言おう。

「俺に仲間はできるのか?」

 ぼっち歴=生涯の俺は仲間みたいなものは作ったことがない。

「い、いやーどうだろう。それは君の対人スキルの問題じゃない?」

 アハハと笑いながら答える少年。おい、俺は真剣だぞ?

「なら、対人スキルはポイントに振り分けられるか!?」

「ないよ。他に質問は?」

 流された……。ないですよね、なんとなくわかってました。

 そうだな、最後の質問は……。


「じゃあ最後に、お前は何者だ? 名はなんと言う?」

 人間などには興味はないが、こいつがどんな存在かは気になった。

 俺の質問に少年は少し笑いながらも暗い顔で言った。ん? 暗い顔で笑っている? なんだそのありえない表情。

「僕は、ただのプログラム。君達神殺しに天上世界について教えるために作られたプログラムさ。一応人間の感情はあるみたいだよ。名前もないよ」

 そんな少年は少し悲しげな顔をしている。

「そうか、名前がないのは悲しいな。まあ名前が無ければ変なあだ名も付けられないから案外便利かもな。本当、あいつら意味わからんあだ名ばっかつけやがって、殺したかったー」

 それは小、中学生の時の話だ。俺は遠い目をしていた。

 そんな俺をみて少年は困惑していた。

「おっとわりぃ、話がずれた。お前の名前は俺が付けようか?」

 その俺の提案に少年は驚いてるようだ。え? そんなに嫌?

「いいの?」

「お前が良いなら」

「是非、お願い!」

 さっきまで冷静に淡々と説明をしていてほとんど笑う以外の感情を表にださなかった少年が、今度は年相応の顔で目をらんらんと輝かせている。

「そうだな、お前謎だらけだしな。謎といえば……そうだ! クエスチョン、とかどうだ?」

 まんまじゃねーかぁ! と自分にツッこむ俺。

「クエスチョンか……。うん、それがいい!」

 どうやらお気に召されたようだ。え、そんなのでいいんだ……。


「じゃあ、質問はもこれくらいかな?」

「うん、わかった。じゃあ天上世界に転送するね!」

 言うやいなや、俺の体が下から徐々に白くなっていった。たぶん体全体が白になったらここから離れるのだろう。

「これからは当分会えないと思うけど、元気でいてね!」

「ああ。俺が死んだ時はよろしく!」

 グッと親指を立てる俺。

「あんまり死んでほしくないんだけど、わかったよ」

 笑いながら言う少年。いや、クエスチョン。

 我ながら腐ったネーミングだなぁー。もっと良いのにすればよかった。

「君が神殺しを達成できたっていう情報が来ることを、楽しみにしてるよ」

「まかせろ。すぐにでもその情報をお前のとこにもってきてやるよ」

 と言うと、もうほとんど白くなっていった。

「じゃあな、クエスチョン」

「うん、次会うときは君が神を殺してる時だよ」

 と言って二人で笑い合う。

 って、あ! 大事なことを聞いてねぇ!

「なあ! 神を殺したらどうなるんだ!?」

「え? それは……」

 そこまで聞こえて俺の体は白に包まれた。

 しまったぁぁぁぁぁ!


 こうして俺の神殺しの旅が始まる……。前途多難だ。

読んでいただきありがとうございます。

よろしければ次話もよろしくお願いします。

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