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【新大陸の最大勢力"楽園教"】
──── 楽園教の教祖にして大魔王である私は、部下の"傲慢"と情報共有をしていた。
「こうして、シャーナ、エリュガード、メアリー、そしてエルザの4人は大海賊団シーガレオの海賊船に乗ることになった。そして、彼女達を待ち受けているのは、困難な旅路である。…といったところかな? 傲慢の罪ケイン。今のお前の娘達の状況は」
私のその言葉に、ケインはにこやかな笑顔を見せる。
私の大好きな"裏のある笑顔"だ。
「はい! まさに困難な旅路ですよね!! 俺たちのいる新大陸に辿り着けるなんて馬鹿らしい!!!辿り着いたところで我々七つの大罪のうち数体の力だけで完封できるでしょう!!!」
「そうだな」
私は上機嫌で、そう相槌を打つ。
やはり、この男こそ……私の駒に相応しい。
────ケイン・ロビンソン。
彼の才覚の真骨頂は、昔からの魔術の才能ではない。
むしろそれは、異常なほどに高い魔剣との適合度にある。
そもそも、魔剣は悪魔しか扱えず、その悪魔の中でも適合者と非適合者がいる。
そして、この男は私が今まで見てきた適合者の中で、最高位の適合度を示していた。
────心の底から思う。彼が死ぬ直前に、治療と洗脳ができて本当に良かった。
彼の存在は、私の計画にとって必要不可欠だ。
だからこそ、ますます強くなってほしい。
強者を倒し、その魂を喰らうことで、もっと私の役に立て。ケイン。お前には、心の底から、期待しているからな。
「あの〜。大魔王様。そろそろ公会議の準備が出来たようですよ」
私がそんなことを考えていると、七つの大罪のうち"暴食"の女悪魔であるエリーゼのおっとりとした声がする。その言葉とともに、私達3体の悪魔がいる個室の後ろの大扉が開く。その大扉の音はギギギッと耳障りの悪い音だったが、私の気分はそんなに悪くなかった。
私は窓辺の玉座から立ち上がり、円卓の間に向かって、背中のローブを振り払う。
ローブが地面に落ちると同時に、私達は歩みを始める。
そして、眩しい太陽の光が射すこの部屋で、私は彼らを激励し、指揮を高める。
「では、行くぞ。ケイン、エリーゼ。第257回新大陸公会議の時間だ」
────鳴り響く拍手と鳴り止まない歓声。
それらの音と共に、私達は各々の席に着く。
こうして、今月も楽園教による楽園教のための公会議が始まった。




