第1話 あの、今、おひまですか?
不思議な神域にてずっと会いたかったお母さんと出会う。いたずらっ子の白い月兎の少女と神獣捕獲大作戦。
あの、今、おひまですか?
誰も立ち入ったことのなかった未開の大陸に広がる神域の奥で、その大きくて神々しい君を見たとき、私の生きかたは決まってしまったのだと思った。
この美しい生命を追いかけるんだって。
私は涙を流しながら(世界が滲んでしまって残念だった。幻の神獣である君のことをはっきりと見ることができなくなってしまったから)感動で心が激しく震えながら、そう思った。
もう一度、しっかりとこの目で、君のことが見たいって、思ったんだ。
君に会いたいって。
研究者のレアと冒険者のセラ
大学の学生証
研究者 レア 金色の長くて美しい髪を白いりぼんで結んで、三つ編みのポニーテールのハーフアップの髪型にしている。緑色の瞳。白い肌。小柄。天才。飛び級で世界最高峰の大学エデンに入学。ようやく大学の許可を得て、研究者として神域にやってきた。新種の幻獣を発見している。(ぎこちない変な顔で笑っている写真) 好きな色。白色。
冒険者 セラ 白色の長くて美しいまっすぐな髪に大きな蝶のようなピンクの薔薇色のりぼんをつけている。青色の瞳。白い肌。小柄。世界一のお嬢様として、また凄腕の冒険者としていろいろと有名な少女。レアと同じように世界最高峰の大学エデンの考古学の学生。大学でレアと出会い、相棒になる。(自信満々の美しい顔で笑っている写真) 好きな色。ピンクの薔薇色。
神域 奥深い場所
気持ちいい。
こんな森の奥であったかいお湯のシャワーが浴びれるなんて、贅沢だな。まあ、嬉しいけど。
ふふっと笑いながら、レアは秘密基地の簡易シャワー小屋の中でシャワーを浴びていた。
久しぶりに綺麗さっぱりと身体中の汚れを落として(水浴びはしていたけど)ふかふかのタオルで髪と体を拭いて、冒険者の服に着替えをしてシャワー小屋から出ると、レアは秘密基地の観測所のところにとんとんと木の階段をのぼって戻って行った。
緑の葉が生い茂る、とっても大きな世界樹のような巨大な木のてっぺんにある森の葉のカモフラージュをしている気球の着地しているところに作った秘密基地。
「ただいま」
そう言って、秘密基地の中に入ると、「おかえりなさい。思ったりも早かったですね。もっとゆっくりとしていてもよかったのに」と言った声が返ってきた。
そこにはずっと大きな望遠鏡を覗き込みながら、神域の観測をしているレアの相棒兼護衛者である凄腕の冒険者のセラがいた。
レアを見てにっこりと笑っているセラのすぐ隣に体をぴったりとくっつけるようにして、レアは軽快な足取りで移動をして、座り込んだ。
「なにか見つかった?」
とわくわくした声でレアは言った。