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【プロットタイプ・執筆】送り狼

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

序盤のみ創作ホラーです。

後半は日常パート。

日が長くなったとは言え、自宅に着く頃には既に夜になっている。自宅まで続く一本道は数十m置きに街灯がある。けれどもその光は何時も乏しく、道の全てを照らしてはくれない。薄暗く、人通りが少なく、襲われてもおかしくない様な場所だった。

そんな薄気味悪い通りに、一人の女と出会った。

女は美しい身なりをしていた鮮やかな黒髪を方より少し長めに伸ばし、フリルの付いたシャツとカットの入ったスカートを履いていた。春が近いとは言え、まだ寒い。それ故にその格好は浮いている様に思えた。

女は街灯に凭れ掛かったまま、此方一瞥した。目が合った。見知らぬ人間なので、挨拶もせずに、そのまま前を通り去る。

すると自分の足音とは違う足音が聞こえて来た。コツコツ、コツコツ、ヒールがコンクリに当たった時の音。先程俺を一瞥したあの女のものだと察した。

この通りは人通りが少ないし、背後から襲い掛かれば女と言えど勝機はある。其れでも振り返る事が出来ないのは、振り返った後に何が起こるか分からないから。このギリギリの緊張感に息が詰まりそうになった。

漸く、マンションのエントランスに着いた。此処を抜ければ後はセキュリティが存在する。これ以上、後ろの女は入ってくることは無いだろう。

そう思って、管理人が居るのをさり気なく確認しながら、後ろを振り返った。背後には誰も居らず、ただ漆黒の闇だけが広がっていた。


「これ、実体験?」

読み終えた鏡花は、口の端を耳元まで釣り上げて問い掛けた。その不気味な微笑みは口裂け女の様な異様な空気を醸し出す。

「いいや」

確かに基盤としているのは、俺の自宅付近の近所の光景である。けれどもこんな女、一度として出会ったことは無い。これは情報収集で得た怪異を混ぜた話である。

けれどもまぁ、餌は撒いた。後は掛かるのを待つだけである。


日が落ちて、街灯だけがポツポツと灯る夜道を歩いてても、女に出会うことは無い。当たり前だ。あれはただの俺の創作なのだから。

そうして何時も通りマンションのエントランスに着くと、女が一人立っていた。気にせず素通りすると、背後からコツコツと硬い音がする。

「待つ場所としては悪くねぇ」

「怖がってんの? 自分で書いた癖に」

だったらあの場所で待ってろよ。という言葉を飲み込んだ。

「ミイラ取りがミイラになられちゃザマねぇからな」

送り狼ってご存知でしょうか?

人間の話ではなく、妖怪の話で。


夜道に歩いていると、後ろからヒタヒタという足音がして油断した所を襲う為に、着いてくる。

でも扱いさえ間違えなければ、護衛してくれるっていう。


其れを瑠衣の日常と混ぜ合わせた話。

そうしてよりリアリティを持たせる為に、鏡花が似たようなことした話。

流石に寒くて暗い夜道で待つことはしませんでしたし、それは瑠衣も勧めません。

だから『ミイラ取りがミイラになったら、ざまぁねぇな』なんですよ。


お前が襲われたら体裁もないだろうよ。

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