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ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!  作者: ありぽん


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40話 ポーション作りはジュース作りじゃないんだよ配信2

 ようやく少し落ち着いてきたコメント欄を確認して、俺は話しを進める。


「と、ラビ達まで嫌がるポーションですが、先ほどどなたかがおっしゃっていましたが。今では少し我慢すれば飲めるポーションが、お店に並んでいます。そこで今日は1番低ランクの魔力回復ポーションを作ってみようと思います」


 ポーションはもちろん、ポーションを作る生産系のスキルを持っている人が作った方が、レベルも品質も良い物ができる。

 協会では低レベルでも高レベルでも、それぞれ基準が決まっていて、生産系の人々は、その基準に合わせてポーションを作り、お店に卸している。


 だけど人それぞれレベルは違うだろう? だから協会の基準よりも、品質もレベルも良いポーションを作れる人達もいるわけで。その人達は協会に許可をとり、個人で高レベルポーションを売っている。


 例えばダンジョンに高ランクの魔獣が現れた時は、みんなレベルの高いポーションを買って、しっかり準備してから、魔獣に挑むようにしている。いつも通りダンジョンに入る時は、協会で普通に買えば良いしな。


 ただ、ほんのちょっとの回復で良い時もあるだろうあ。 そういう時は、低レベルのポーションだったらスキルなしで、しかも簡単な工程で、低レベルなポーションを作ることが出来るから、自分で作った方が安上がりなんだ。

 自分で作る用のセットも売ってるくらいで。自分で作るぶん、お安くポーションを使えますよって感じかな。


「それでは今から、少し前まで使われていたポーションを作ってみます。材料は……」


 ササっと使う材料を言ってから、全ての材料を混ぜる俺。最後に薬液を混ぜれば、これで低レベルの、魔力回復ポーションの出来上がりだ。


“え? こんなに簡単なの?”

“そうそう、これこれ”

“あの味が懐かしいぜ!”

“やめてくれ、味を思い出す。匂いが漂ってきそうだ”

“そういや匂いも酷かったな”

“あっ!”

“それはそうよw”

“あの匂い、匂いに敏感な魔獣じゃ離れるよねw”

“めっちゃ鼻抑えてるw”


 低レベルポーション。匂いもレベルに相応しく、以前のポーションの中で1番臭い。俺はすぐにポーションを捨てようとした。しかし俺から離れ、鼻を押さえているラビ達から、さっさと飲めコールが。


『きゅいぃぃぃ!』


『ぷぷぷ~!!』


『ぬにょっ!!』


『く、くしゃ! それすててても、ずっとくさいってほんとう? それはダメ、タクパパはやくのんで!!』


“何て?”

“表情でなんとなく言ってる事分かるかもw”

“捨てないで飲めって?”

“捨てると匂い残るからな”


 おい、俺だって飲みたくないんだよ。ちゃんと綺麗に流して、瓶も綺麗に洗うから、と言う俺。が、思い切り拒否拒否された。視聴者さんにもそのことを話す。


“あ~あw”

“まぁそこは最後まで責任を持ってもらってww”

“綺麗にしてさ、俺達には匂いが分からなくなっても、ラビたん達にはきっと分かるんだよ”

“あの早くしろよ感がw”

“ささ、グイッとw”


 はぁ。俺は大きはため息をついて、ポーションを飲み干した。そしてすぐ、別に用意してあったジュースを飲み。その後はサッと瓶を洗い、袋に入れて縛った後は、外のゴミ箱にしっかりと捨てた。


 それを確認してから、俺の側に戻ってくるラビ達。でも俺の匂いをクンクンと嗅いだ後、俺から2歩離れて、しかも体を逸らして立った。


“www”

“www”

“そんな体逸らさなくてもwww”

“みんなのために飲んだのにw”

“臭さに耐え、不味さにも耐えて、飲み干したのにこの仕打ちwww”

“しかもあの嫌そうな目つき”

“みんな、それためてあげてwww”


 やめてあげてと言いながら、笑いで溢れるコメント欄。そうして更に体を逸らすラビ達。俺は視聴者さんに、一旦その場を離れると伝えた後、家にいた母さんの元へ。

 そうして母さんが持つちょっと珍しいスキル『クリーン』で、匂いを取ってもらうと、すぐにラビ達の元へ戻った。


 クリーンはその名の通り、汚れや匂いを綺麗にする事が出来るスキルだ。ただ、一応使える人達はいるが、他のスキルに比べて少ないため。もしもこのスキルを持つ人が、どこかのパーティーに入ろうとすると取り合いになる。


 ダンジョン帰りは汚れることが殆どで。あまりにも汚れた時は、協会で綺麗にしてくれる場所があるから、そこへ持って行くんだけど。これがけっこう料金が高い。

 だから帰りに綺麗にしてもらえると、みんなタダですむだろう? だから人気なんだよ。まぁ換金した後に、その人に少し多めに報酬を渡すけど。


 戻った俺の匂いを、体を反らせたまま嗅ぐラビ達。匂いがなくなった事が確認できると、ホッとため息をついて俺の側で普通に立った。


“すっごいホッとしてるw”

“めちゃ匂い嗅いでたなw”

“誰かに匂い消してもらったのかな?”

“近くに消してくれる人がいて良かったねw”

“じゃないと今日はこの後、孤独ポーション配信になるところだったw”


「えー、とまぁ、こんな風に、少し前までは回復するために、さらにダメージの受けるといった感じでした。ですが今では匂いは半減、いや、それ以上しなくなり、味についても、ラビ達のように吐く程ではなくなりました。それはある果物が見つかったたおかげです」


 俺はカゴに入っている果物をテーブルに置いた。と、その果物に一気に群がるラビ達。寝ていたブーちゃんも、体だけは果物の方を向いてきた。

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