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ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!  作者: ありぽん


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第22話 肉だ肉肉!! 今日は肉の日配信だ!! 1

『皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃんと、メンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための、癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!』


“こんにちは~”

“こんちは~”

“みなさんこんにちは”

“こんちっち~”

“まってましたぁ!!”


「今日は前回の配信で、かなりのストーンバッドをププちゃんが倒してくれたので、そのストーンバッドを使った料理と、牙ネズミのローストビーフならぬローストネズミを作っていこうと思います」


“あれ、協会に売ったんじゃなかったのか”

“大量だったっしょ”

“ププちゃん、とっても楽しんだもんね”

“お肉配信助かる。うちのチーちゃんお肉大好きだからさ”

“魔獣はお肉大好き多いからね”


「さすがにちょっと多かったので少しは売りましたよ。でもうちもかなり使うんで、そんなにはって感じですね」


“そういえばさ、今日は人気のお肉配信回かもだけど、いつもより最初から見てる人多くないか?”

“登録多くなったからそう感じるんじゃない?”

“何だ知らないのか?”

“何? 何かあるん?”

“今日はもしかしたら、この前の緊急配信並に、珍しいブーちゃんを見られるかもしれないと聞いて”

“どゆこと?”

“だからさ、ブーちゃん緊急配信で、あれだけブーちゃんが動いたからさ”

“ブーちゃんはお肉が大好きだから、今回もたくさん動いてくれるんじゃって、みんな見に来てるんだよ”

“ああ! なるほど!!”

“あの配信、本当衝撃だったもんな”

“くそっ、俺忙しくてまだ録画見てないんだよ”

“俺は生で見たぜ!!”

“良いなぁ”


 そう、ブーちゃん緊急配信回。あの時は緊急にもかかわらず、たくさんの視聴者さんが見に来てくれて。その後のアーカイブ配信では、今だに視聴回数が増えている状態だ。ブーちゃん人気者だだ上がりだよ。


 それで昨日、今日の配信内容を俺達が使っているSNSに載せたら。お肉配信だから、お菓子だし好きで、見えない動きをするブーちゃんだ。もっと大好きなお肉なら、もしかしたら緊急配信の時みたいに、動いてくれんじゃないかって。その話しで盛り上がって。


 たぶんそれのおかげで、今日はいつもより最初から見に来てくれている視聴者さんが多いんじゃないかな。


“そんなに凄かったんだ”

“あれは絶対に見た方が良い”

“そしてあなたもブーちゃんファンに”

“俺は全員のファンだよ。あっ、ラビたんとププちゃんとブーちゃんな”

“いやいや、いちいち言わなくて良いからw”

“私はみんな大好きです!! 特にラプブーちゃんが!!”

“それ、あんまり変わらんw”


 分かってますよ。ええ、そうでよね。大丈夫、気にしてませよ。


「はは、みなさんラビとププちゃんとブーちゃんを、好きになってくれてありがとうございます。みんな、視聴者さんに挨拶しよう」


『きゅい!!』


『ぷぷ~!!』


『ブー!!』


“出たよw”

“ブーちゃんのいびき返事”

“あれ、わざとじゃないんだよな?”

“本当の寝てるっていうのがw”

“タイミングかなwww”

“たとえタイミングでも面白いから良し!”


 はぁ、せめて挨拶の時くらいは起きててくれよ。まぁ視聴者さんも分かってくれてるから良いけど。


 俺はまず、必要な道具について説明を始める。魔獣の下処理からだから、色々道具が必要なんだ。地球の道具じゃまったく歯が立たず、ダンジョンの素材で作られた道具じゃないとダメな時が多い。


 例えば今日使う包丁はダンジョンの素材でできている物だ。普通の地球の包丁じゃ、ストーンバッドを切ろうとした瞬間に、完璧に割れて使い物にならなくなる。

 だからこういう魔獣を使った料理配信の時は、しっかりと視聴者さんに伝えてから、料理をすることにしているんだ。後で実際に見てもらうし。


 そうして道具の説明を全て終わらせた俺は、早速ストーンバッドの下処理を始めようとした。

 こういう時、手伝ってくれるのがラビとププちゃんだ。俺が言った道具を取ってくれたり、素材を支えて俺が調理をしやすいようにしてくれたりと、手伝ってくれる。だから今日も、危ない物以外は取ってもらおうとしたんだけど……。


「それではまず、下処理からしていこうと思います。良いですか、ストーンバッドの下処理をする時は、まな板も包丁も、ダンジョンの素材で作られている物を使ってくださいね。では、まずタオルを敷いていきます。ラビ、ププちゃん、タオルを取って……」


“ん? どした?”

“何々?”

“何か問題?”

“大丈夫か?”

“急に止まっちゃったけど、どした?”


「あー、視聴者の皆さん、早速お待ちかねのものが見られるみたいですよ。晴翔、あっち」


 晴翔にラビ達を映してもらう。


“マジか!!”

“こんなに早く見られるなんて!!”

“俺は感動した!!”

“本当に動いた!! じゃなくて起きてる!! いやいや、じゃなくて”

“みんな落ち着け!! まだ座っただけだ!!”


 俺の斜め後ろ、さっきまで寝ていたブーちゃんが、いつも料理が出来上がった時のように、座ってスタンバイしていたんだ。しかもちょっと前のめりで。ただ普通に座っている時でも倒れそうになるのに、前のめり座りが長く持つわけもなく。


 前に後ろにとゆらゆら揺れた後、後ろに倒れそうになって、ラビとププちゃんがブーちゃんを支えてくれた。が、俺も一緒に支えていないから、いつもよりも重かったため、早々にププちゃんがダウン。そのせいでラビまで潰れそうになって。


 頭をフルフル振ったラビ。シュッ! っとププちゃんを救出。そのままブーちゃんから離れ、ブーちゃんは後ろにゴロンと倒れ、全員の動きが止まった。


“www”

“www”

“草”

“やばばw”

“え、今日の配信、これで良くねw”

“諦めたwww”

“お腹が、お腹がwww”

“うん、今日の配信は、みんな諦めブーちゃんのごろん配信だなw”

“www”

“おれ、だからこのチャンネル大好きなんだよw”

“そりゃあ戦闘やバトル配信も、迫力があって良いけどさ”

“そうそう、このゆるっとした、みんなが幸せになれるような、この配信が良いんだよな!!”

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