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ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!  作者: ありぽん


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第19話 癒しの力を使うために協会へ

「裕子さん、おはようございます」


「あ、拓哉君と晴翔君おはよう。ラビたん、ププちゃん、ブーちゃんもおはよう」


『きゅい!』


『ぷっぷ~!』


『ぬにょうぉぉぉ!』


「ふふ、いつも通り元気ね。ブーちゃんは相変わらずおんぶみたいだけど」


「いつも通りの日常が1番ですからね。とは言え、ブーちゃんにはもう少し動いて欲しいのが本音ですけど」


「ふふふ、そうね。ブーちゃん、今よりも丸っこくなったら、少しも座れもできなくなっちゃうかもしれないわよ」


『にゅにょ? にょおぉぉぉ』


 今のは、座れができなくなる? まぁ、何とかなるだろう。と、言ったんだ。いや、もう少し危機感を持ってくれ。


 今俺達がいるのは、協会の魔獣課だ。今日は俺のいくつかやっている副業の1つをやる日で、それを行う場所が協会内にあるんだ。

 そして今話しているのは、魔獣課受付の裕子さんだ。俺達の3年先輩で、同じ大学に通っていた。主席で卒業してからは、協会の受付として働いている。


 受付と言っても、ただ本当に受付だけをしていれば良い、というわけではない。たまたま配属されたのが魔獣課だっただで、協会でい働く人達は皆、かなりの実力者だ。

 そしてダンジョンのことで、何か問題が起きた場合。それを解決するため、すぐに現場へ向かう事になる。Sランクのダンジョンにも入ることもあるんだ。


 ちなみに裕子さん、レベルはAプラスである。大学に入学してすぐになったんだっけな? そして俺が、その頃には分かっていなかった癒しスキルについて悩んでいた時、相談に乗ってくれて、俺の支えになってくれた大切な先輩だ。


「今日はいつもの日よね」


「はい。いつもよりも頭数が多いので、少し早く来ました」


「今確認しするわね。そう言えば今日は、沼田さんがいらしているのよ」


「沼田さんが?」


「ええ、久しぶりの休みだから、遊びに来たって。ついでに課を回るって言っていたわ。みんなの気が緩んでいないか確かめるって」


「休みなら家でゆっくりしてれば良いのにな」


「じっとしていられない人だからな。だけどじゃあ、課長あたりは大変だろうな」


「うちの課はしっかりしているから大丈夫だけどね。あなた達が良く行く課も大丈夫でしょう。問題は他の課ね。まだ来て少ししか経っていないのに、3回も爆発音を聞いたわ」


「3回も!?」


「ええ。この調子でいくと、最低でもあと5回は爆発が起こるんじゃないかしら」


「そう考えると1番大変なのは、沼田さんと一緒にいる川野さんじゃないか? 毎回毎回修復しないといけないんだから」


「違いない。それで沼田さんが帰る頃には、沼田さんをガミガミ叱る川野さんの姿が目撃されるんだろうな」


 沼田さんとは、世界に20人ほどしかいないS級のプレイヤーで。そのS級の中でもベスト3に入る程の実力の持ち主だ。上級プレイヤーでも解決できない問題を解決するため、いつも全国を動き回っている。


 そんな沼田さんが、久しぶりに休みを貰ったらしく、協会へ来ているそうだ。何で休みなのに協会に来ているのか? それは沼田さんがププちゃんじゃないけど、戦うことが好きで、じっとしていることができなタイプだからだ。


 前にチラッと本人に聞いたけど、家でじっとしているより体を動かしていたい。それで協会で働いている人達が、協会の仕事ばかりしていて体が鈍っていないか、自分が体を動かすついでに確認すればちょうど良いい、と気づいたって。

 

 だからこうして、休みの時は時々協会へ来て、協会の人達を攻撃して回るんだ。他には高ランクのダンジョンに入って無双しているって、聞いたことがあるけど。


 ただ、攻撃して確認をするのは良いけれど、攻撃力が強すぎて、周りもついでに破壊。その破壊された物を修復をするのが、物限定の再生能力スキルを持つ川野さんだ。 


 彼は沼田さんの右腕的な存在で、再生スキルが1番レベルが高いのだが、珍しい事に他のスキルレベルもそこそこ高く、かなりの実力者で。今度S級になるのは、彼ではないかと言われている。


 そんな川野さんだけど。沼田さんが色々やらかすものだから、それの後始末でいつもバタバタしている。そして沼田さんを怒る川野さんの声が響き渡る、というところまでがいつもセットなため。今日も帰る頃には、怒られている声が聞こえてくるだろう。


「それじゃあ裕子さん。すみませんが、沼田さんを見かけたらで良いので、こちらへ近づかないように言っておいてもらえますか? みんなリラックスしに来ているのに、爆発音なんて、あの場所を壊されるなんて、困りますから」


「分かったわ」


 と、その時、ドーンッ!! と爆発音が。顔を見合わせる俺達。ラビ達はキョロキョロ辺りを見回している。


「はぁ、まったく。もしも行くようなら、私が止めるわ。……と、あら、本当に今日は頭数が多いのね」


「みんなの様子を見せてもらったら、疲れていた子達が多かったので、できるだけ来てもらう事にしたんです」


「そう。みんな拓哉くんに癒してもらえて良いわよねぇ。私も誰か癒してくれないかしら」


「お望みとあらば、私晴翔が」


「あ、あなたは遠慮しておくわ。大学時代、あなたどれだけの女性と付き合ってたのよ」


「女性が俺を放っておかないんですよ。なんせ俺はイケメンですから」


「イケメンは自分でイケメンなんて言わないわよ。それに本当のあなたを知ってみんなが引いたものね。私だって、自分が1番になれないのを分かっていて、付き合ったりしないわ」


「それは残念」


「はぁ、まったく。さぁ、拓哉君、許可が出たわ。いつも通りのドアから入ってね」


「はい。ほら晴翔、早く行くぞ。今日はお前の幸せの日だろう。と、沼田さんも問題だけど、お前も気をつけろよ」


「あ~、なんて幸せな日なんだ!!」

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