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ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!  作者: ありぽん


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第16話 ププちゃんの戦闘配信?1

『皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃん、メンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための、癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!』


“こんにちわ!”

“みなさんこんにちは”

“始まったぁ”

“初めてのダンジョン配信だ!!”

“初めまして”

“初見さんだ”

“いらっしゃ~い!”

“こんにちは~”


「初見の方、こんにちは。どうぞ楽しんでいってくださいね。今日は久しぶりのダンジョン配信になりますが。俺達は基本、ダンジョンでは戦わずに、魔獣達のための食に使う素材の採取や、配信に必要な物を採取しに来ています。まぁ、ちょっと、違うことを楽しみに来ている子もいますが」


 俺はププちゃんを見る。いつも挨拶の時はちゃんと挨拶をするし、カメラの方を見てと視聴者さんにリクエストされれば、カメラに向かって、ププちゃん限定の可愛い挨拶を返すが。今日は俺の周りを跳ね回り、早くダンジョンの中へ入ろうとアピールしている。


“ププちゃん、こっち見て~”

“あれ? いつもは挨拶してくれるのに?”

“あっ、初見さん以外にも、ダンジョン配信が初めての人もいるか”

“今日は挨拶は無理かな”

“何でだ?”

“今日はダンジョン配信だから”

“ププちゃんそれどころじゃないんだよ”

“言ってたろ? 違うことが楽しみな子がいるって”

“ププちゃんのことだよ”

“ププちゃん、ダンジョン大好きだから、早く入りたくて挨拶どころじゃないんだ”


「それでは今日は、Eランクのダンジョンに入りたいと思います。さぁ、みんな行こう。いいか、ちゃんと周りを確認しながら進むんだぞ」


『プププ~!!!!』


『きゅい!!』


『ぬにょおぉぉぉ!』


「……ブーちゃん、元気に返事してるけど、俺におんぶされてるんだからな? 敵が出た時は離れるかもしれないんだから気をつけろよ」


 いつもよりも元気に返事をするププちゃん。いつも通りのラビ。いつもよりに少し元気に返事をしたブーちゃん。だけどその格好はブーちゃん専用のリュックに入り、俺におんぶされている。


“w”

“ブーちゃんだけでひと荷物できとるw”

“ブーちゃんが歩いてくれたら、その分色々持てるんじゃ?”

“いつもだもんなw”

“せっかく素材をあつめても、ブーちゃん荷物のおかげで、持って帰る量が減るw”

“だけど返事はとっても元気w”


 今日入るのはEランクの、洞窟タイプのダンジョンで、薬草が良く採取できるダンジョンだ。それとププちゃんが楽しめるダンジョンでもある。


 ダンジョン前に待機している協会の人に、ダンジョンに入る許可証を見せ。ダンジョンの入り口には光の壁があるんだけど、その光の壁を潜れば、そこはもうダンジョンの中だ。


 ダンジョンに入るには前日の夕方までに、協会のホームページから申請をする必要がある。申請をすると協会が、申請した人物が本当にそのダンジョンに入れる人物なのかを確認。確認が取れれば20時までに、返信メールがくる。

 そしてそのメールに添付されている許可証をコピーして、当日ダンジョン前に待機している協会の人に渡し確認が終われば、ダンジョンの中に入れるんだ。


 それと申請するにはもう1つ理由が。申請した人がダンジョンに入って、もしも戻らなかったら……。そういうのを確認するためにも申請が必要なんだ。そしてその場合は、すぐに捜索隊が組まれることになっている。


「相変わらず、ここは花と草がいっぱいだな」


「ああ、だから色々と採取できて良い」


“本当だ。花と草だらけだな”

“俺、前にここに入ったけど、草に足を取られて、身体中草だらけで帰ったんだよな”

“暗いはずなのに、周りが光ってる?”

“ああ、ここの壁には、発光石が含まれているから明るいんだよ”


「進む前に注意点を。俺達は今日、何かがあった場合に自分達で対処できる、自分達のレベルより低いダンジョンに入っています。ですがやはりダンジョン。その何かが、予想外に危険な場合もあるかもしれません。ですからもしダンジョンに入る場合は、ずっととは言いませんが、気の抜きっぱなしはやめて下さね」


『ブー、ブー』


“!?”

“え?”

“やばっwww”

“気を抜かないでって言った側からwww”

“保護者さ~ん、背中で寝ている子がいますよ~w”

“めちゃ気抜いてるw”

“せっかく注意してくれたのにw”

“www”


 おい。俺は今、大事な話しをしていたんだが? 何いびきかいてるんだよ! 振り向くと今さっき、いつもよりは元気よく返事をしたブーちゃんが、数分しか経っていないのに、いびきをかいて寝ていた。


「あ~、放っておきましょう。どうせ俺の背中にいるんです。戦うことになっても動くのは俺ですから。ですが皆さんは、本当に気をつけてくださいね。決してブーちゃんみたいにならないでください」


 俺の真面目な注意喚起が、ブーちゃんのおかげで笑い話になったじゃないか。まったく。低ランクだからこんなまったりした感じかもしれないけど、ダンジョン本当に危険なんだからな。


「じゃあ、進みましょう。まずは前に見つけた、薬草がたくさん生えている場所へ向かおうと思います。ですが少し前のことなので、もしかしたら生えている量や植物が変わっている可能性もあります。その時は場所に移動しながら、採取していこうと思います」


“ププちゃんは?”

“先にププちゃんじゃないの?”


「あー、もしかしたら止まらなくなる可能性もあるので。なので先に採取をして、終わったらゆっくりやらせてあげようと思います。まぁ、その間、ププちゃんを監視しないといけませんが」


“ああ、なるほど”

“確かに止まらなくなるかもな”

“でも薬草採取しながら、ププちゃんの監視できる?”

“なぁ、みんなが言ってるププちゃんのって何なんだ?”

“まぁまぁ、採取が終わればすぐに見られるから”


「俺はププちゃんの監視に慣れてますから。よし、じゃあ行くぞ!」


『ぷぷぷ~!!』


『きゅい~!』


『ブー!』


 ……いびきで返事するなよ!

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