ハズレスキルかと思いきや・・・
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俺、ハンツは今日で14歳。成人になる。
なので、神殿に行ってスキル鑑定をしなければならない。
俺の兄は剣士のスキルを授かっていた。
スキルには様々な種類がある。
兄上の剣士はこの世界でアタリといえる部類のスキルだ。
大当たりもある。
剣士は剣を習うときに学習スピード1,5倍だ。
しかし大当たりの聖剣士というスキルは聖なる剣を使い、習えば学習スピード2倍だ。
だが、剣士の効果はない。
なので聖なる剣がなければ意味ないのだが、聖なる剣といっても、スライムを倒したら出てくるレベルの聖なる剣もあるので、大体の人は聖なる剣を持っている。売る人もいるのだが。
俺のスキルはなんだろうか。
楽しみだ。
・・・父上が部屋を訪ねてきた。
「神殿に行くぞ。」
「はい。わかりました。」
ちなみに俺の親は貴族である。
貴族と言っても上から3番目の位で、この国ができる前からこの地域を治めていたから結構偉いんだよな。
屋敷を出て数分歩き、神殿へ着いた。
神官がこれからスキル鑑定の儀を行うと言った。
「では、この石板に触れてください。」
「わかりました。」
遂にこの時がやってきた。
この石板に俺のスキルが浮かび上がるのだ。
楽しみだ。
スキルが浮かび上がった。
経験値増加
「これはどのようなスキルなんだ?」
父上がそう言った。
神官も初めて見るらしい。
そしてデーターベースにもないそうだ。
これはドキドキする。
俺が初めての人かもしれないのだ。
そして有用スキルだと分かったら国がスキル研究のために俺を雇ってくれるかもしれないのだ。
これは期待大。
スキルの詳細を調べるためにダンジョンへ行くことになった。
剣士のスキルの詳細も長年をかけて解明されたものである。
俺の経験値増加スキルはどのような効果があるのだろうか。
「魔物を倒すのは初めてだしな。スライムを倒してみてくれ。」
神官が言った。
「わかりました。」
父上から借りた剣を使い、スライムを倒した。
『ピコーン 経験値を“1”獲得しました。レベルが“1”上がりました。』
「経験値が1入ってレベルが1上がりました。」
「経験値、増えてないじゃないか。」
そう父上が言った。
「増加といっても1、001倍レベルなのではないでしょうか。」
神官がそういった。
「ハズレスキルか。」
父が言った。
「アタリとは言えませんね。」
「そうか…。」
なぜ、そんなスキルが俺のスキルになったんだ。
それならスキルを使わない職業に就くしかないじゃないか。
俺は父上と神官のやりとりを黙って聴いていた。
「帰るぞ。」
「はい。」
俺は自室に戻った。
帰宅中、父上は無言だった。
がっかりさせたのだろうか。
夕食を食べた後に父上に呼び出された。
「お前を、この家から追放する。」
「な、なぜですか?」
「いや、お前が嫌いだから追放するわけじゃない貴族は“使える”スキルを持っていないと外観が悪いんだ。そして、肩が狭い思いをしてしまうからな。」
「では、私は何処に行けば良いのでしょうか?」
「そうだな。この領地からは出た方が良いだろう。お前がハズレスキルを授かったことは広まってしまった。私の友人の貴族の領地で冒険者をやるがいい。なにかあったら私の友人に聞くといい。連絡は私からする。」
「分かりました。」
「では、最後に金を少しと手紙をやる。」
10ゴールドと手紙を1通受け取った。
(注:1ゴールド=1万円)
「手紙は向こうに着いてから読んでくれ。」
「はい。出立はいつですか?」
「そうだな・・・。今日の夜がいいだろう。人目につかないしな。」
3時間後
「父上、兄上行ってまいります。」
父上も兄上も見送ってくれた。
兄上は時間ができたらその領地に顔を出すとも言っていた。
今馬車に乗って向かっているフランドという場所はどのような場所なのだろうか。
5日かかるということは聞いた。
外の景色を楽しんでいこう。
・・・何事もなく5日後・・・
ここがフランドか。
きれいな街だ。
まず宿を探そう。
いい雰囲気の宿があった。
入ると可愛い女の子が受付にいた。
ちょっとドキッとした。屋敷では読書や鍛えることしかやってこなかったから、女性と話すのが苦手だ。
一泊4シルバーだそうだ。
前払いだそうなのでとりあえず5泊分払っておいた。
長旅で疲れたし今日は早く寝よう。
・・・翌日・・・
冒険者ギルドに行こうと思ったら大事なことを思い出した。
父上の手紙を読むのを忘れていた。
えーっと・・・
「なんだと?」
おっと、声が出てしまった。
手紙によると俺のスキル経験値増加スキルは、手に入れた経験値の値を2乗するものなのだそうだ。
なぜ、その事が分かったかというと、父上のスキル超鑑定は、ほかの鑑定や神殿で石板を使ったときと違い、スキルについての詳細を見れるそうだ。
だが、父上はそのことが世に知られたら過労死してしまうと考えたので世に公表しなかったそうだ。
そして、俺のスキルの詳細をあの場で使えなかった理由は国の研究の対象になるよりも、冒険者になって稼いだほうが数10倍稼げると考えたからだそうだ。
そして、屋敷で言わなかった理由は父上が所属している保守派と敵対している革新派との緊張が高まっていて、盗聴されている可能性があったからだそうだ。
それを聞いたら行くしかない。冒険者ギルドに。
パパっと冒険者登録を済まし、Fランク冒険者になりダンジョンへ向かいゴブリンを倒した。
ゴブリンは元が5経験値なので、25経験値入った。
このスキルはすごすぎる。
Sランク冒険者も夢ではない。
この調子で1日中ゴブリンを倒していたら、レベルは78になった。
レベルが上がってレベルアップに必要な経験値が上がったため、最後のほうはあまりあがらなかった。
だが、78レベルともなると中堅上位冒険者の仲間入りだ。
だが、俺は戦闘経験はスライムとゴブリンしかないので、明日戦う敵もオークにしておこう。
会計を済ますと、1ゴールドと8シルバーになった。
1日2ゴールド近く稼げるとは思ってもみなかった。
この調子で頑張っていこう。
・・・1年後・・・
俺はSランク冒険者になっていた。
今日はダンジョンボスを倒しに最下層にやってきた。
倒せたら世界初の快挙だ。
4時間に及ぶ激闘の末最後に立っていたのは俺、ハンツであった。
3600000経験値を獲得したと通知が来た。
レベルが21上がった。
これでこの世界で1番強い人間になったと言っても過言ではない。
冒険者ギルドでドラゴンの素材と引き換えに多額のお金をもらった。
そしていつもの宿に戻った。
受付の受付の女の子にまたドキッとしてしまった。
毎日会っているのにいまだに慣れない。
女性に対する経験値は全く増えないのだなと思った。
完
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実は最初はギャグ路線で行こうと思ってました。