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3人の夢師は男子高校生  作者: 椿フィナ
第1章 お客様の夢「承認」
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5 再来訪


「どうしてっ…・!どうして私の願いは叶っていないの…!どうして…!!!!!!」

そう言う彼女の目からは涙が溢れていた。


そう。これは数分前のこと。

不意に彼女がお店に現れた。

それも随分と酷く疲れた…そしてお怒りモードでこのお店のドアをバン!!と力強く開け

とても普通ではない様子でやってきたのだった。

目は腫れぼったく、長い時間泣いていたのだろうかと連想させるようなものだった。


「おぉ愛理さんではないですか。お元気でしたか?」

そんな愛理さんの様子なんて気にもせず、いつものペースで声をかけたタサン。


シュン、紘…さんと俺も含め3人は、彼女の尋常じゃない様子を見て後ずされりしてしまい

少し距離を置いた。


「願いが…願いが叶ってないの…!!!なんで…!!!夢の実を食べたのに!!!」

彼女は力強く、大きな声で言い放った。

「ほほ~う。ふふふ、そしてまたこの街に迷い込んでしまったんですね。」


「そ、そうよ…!家に帰って眠ってしまったら、目覚めたらまたここにいたの!」


俺はなるほど。と少し思った。

こういう失敗のケースもあるのか、そして叶わなかったという記憶は残っているんだな。

少し彼女と距離を置いているからか、冷静な態度でこの状況に望めた。


「愛理さん。私たちは愛理さんの願いを叶えましたよ。」

「…!?か、かなってないわよ…!!!」


「愛理さんの願いはライブ配信で1位になること。よく思い出してみてください、叶っていたじゃないですか。」

何でもおみとおしだ___そんな雰囲気でタサンは言った。


「…た、たしかにそう願ったけど…叶ったけど…。

だ、だれも…だれも私のこと認めてくれなかった!!

認めてもらわなきゃ意味がない!!!!」


認めてもらいたい____彼女はそう言っていた。

彼女の必死に訴える姿に、俺の心臓はドクンと鳴った。


「ん~ん、困りますねぇ。愛理さん、あなたの本当の夢は何ですか?

本当はもっと、違う願いがあったのではないですか。そういうことなのでしょうか?」


「…っっっ。」

タサンがそう言うと、図星といったふうに顔をしかめた。


「本当は…、」

彼女は下を向いて、涙を流していた。


「ただ…ただ、クラスのみんなに認めてもらいたかっただけなの…っ。

友達になりたいって思ってほしかった…。」

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