表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3人の夢師は男子高校生  作者: 椿フィナ
第1章 お客様の夢「承認」
7/26

3 木原愛理の回顧録②

------------------------------------------------------------------------


私は目覚めると、「んんんっ」と大きく伸びをした。

「なんかよく寝た気がする…」


いつもの日課だから、と思いスマホの画面を開いてライブ配信アプリを押した。

どうせ変わってないと思うけど、今日の順位の確認…


「え、えええ!?」

ベットにうずめていた身体がまるで漫画のような俊敏な動きでガバッと起き上がった。


「うそでしょうそでしょうそでしょ!?」

開いた画面を何度も見返した。

一度スマホを再起動させたくらい、何度も、何度も…


「ランキング1位…如月モカ…」

信じられなかった。


すごい…コメントもたくさんきてる…!

見たことがないコメントの数と「かわいい!」「良い配信だった!」などポジティブな感想がずらりと並んでいた。


「すごい…!すごい…!ようやく…努力が実ったのかも…!

よし…!これからも頑張るぞ!」


その日は学校を休んだ。身体が興奮して学校どころではなかったのである。

学校を休んで、ライブ配信をしていた。

何時間も何時間も…

絶え間なく、このアプリの画面を開いては「1位」というランキング部分ばかり見ていた。


次の日___


「すごい!また1位だ…!また…!」

心から嬉しかった。

コメントにはネガティブな言葉など1つもなかった。


一夜にして人生が好転した、と思った。

「うれしいっ…!認められている…!」


何度も何度もスマホ画面を見ては、にんまりとほほ笑んだ。


「今日もライブ配信をしたいけど…さすがに今日は学校行かないとかな…、お母さんにも仮病ばれそうだし…。」

昨日は仮病で学校を休めたけど、お母さんからは「本当に熱あるの?元気そうだけど?」と言われてしまったので、今日は学校に行こうと思った。

ライブ配信のおかげで、もしかしたらクラスのみんなは私と友達になりたいって集まって来ちゃうかも!なんてお気楽なことをを考えながら、登校中は本当に足取りが軽かった。


------------------------------------------------------------


しかし____


私のこのウキウキとした感情は全て黒く塗りつぶされることになった


「ぜったい不正だよね…!だって、ずっと最下位なのにいきなり1位になるわけないじゃん…!」


「学校も休んで配信とかやばすぎぃ」


「あいつ、前々から思ってたけどやっぱ頭おかしいよな!」


「昨日の配信ちらっと見たけど、めっちゃきもかったー!」


学校に着くと、私がいつも耳にしていた陰口は変わらず続いていた。


なんで____

なんでなんで。


私…、こんなに…こんなに

こんなにすごいのに…、1位になれたのに

誰も私のこと見向きもしない…っ


どうして…っ

全然これじゃあっ…

これじゃあ意味がないよ…っ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ