表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブオタクの異世界戦記Re  作者: 五三竜
88/195

第87話 真耶VSアポロン!格闘戦!!!

 真耶は自分の手に着いた皿の破片を落とすと、ルリータがいる方向を見た。最初は何かするのかと思ったが、隣いる男は何もしない。


 真耶はルリータの元へと走り始める。そして、男に攻撃しようとした瞬間、突如後ろから引っ張られた。咄嗟に振り返るとアポロンがいる。頭から血を流しているアポロンが真耶の襟を掴んで引っ張り殴りかかって来ていた。


 真耶はそのパンチを腕を顔の前にクロスさせ防ぐ。しかし、その威力は想像より強く、真耶は飛ばされる。しかし、背中から地面に着いたためか、直ぐに受身を取ることができ立ち上がる。


 真耶が立ち上がって前を見ると、既にアポロンはこっちに向かってきていた。それをカウンターの回し蹴りで蹴り飛ばすと、その場を全力で飛ぶ。そして、壁や天井に一瞬で移動すると、さらに壁や天井を蹴り加速しながら移動する。そうしてピンボールのように壁や天井を蹴りながらアポロンを撹乱した。


「たとえどれだけ速くても落ち着いて反撃すれば良いんだよ!」


 アポロンはそう言って周りを見渡す。そして、何とか真耶を捉えようとした。


 その時に真耶はアポロンー蹴り飛ばす。すると、アポロンは真耶の速さに対処しきれず蹴り飛ばされた。


 しかし、どうやら多少は反撃できたらしい。足に切り傷が入っている。恐らく皿の破片で切ったのだろう。


「意外と反撃されるもんなんだな」


 真耶はそう言いながらアポロンを無視してルリータの元へ向かう。そして、首元に剣を突きつけている男を倒そうとした時、やはりと言っていいほどアポロンは邪魔をしてくる。


 後ろから飛び蹴りをしてきた。真耶はそれを避け反撃をする。しかし、アポロンはそれを受止めさらに真耶の腹を殴った。


 そのせいで真耶は少しよろめく。すると、アポロンはそこを狙って蹴り飛ばす。真耶はその蹴りをもろに受け反対側まで飛ばされ壁に激突した。


「クッ……!」


 その衝撃は思いのほか強く、真耶はフラフラと立ち上がる。そして、霞む目でアポロンを見た。しかし、その時には既にアポロンはいなかった。なぜなら、真耶の真上にいたからだ。


 アポロンは近くにあった鉄パイプで真耶の頭を殴った。そのせいで真耶は頭から血を吹き出しながら倒れる。鉄パイプにはべっとりと赤い液体が着いた。


 しかし、こんな攻撃で死ぬほど真耶は弱くない。かすれそうな意識を保ち、アポロンの足を掴んで引っ張った。


 すると、アポロンはバランスを崩し転ける。その時真耶は立ち上がり、アポロンの顔を足の裏で蹴る。アポロンはその蹴りを受け上半身を地面に強打する。


 真耶はそんなアポロンを蹴飛ばし、宙に浮いた体を連続で殴った。そして、最後の一撃を顔面に当て、そのまま地面と挟みながら振り下ろす。


 アポロンはその連続した攻撃で頭や体から血を流した。しかし、直ぐに立ち上がって真耶を殴る。顔にもろにパンチを食らった真耶はよろめく。アポロンはそんな真耶をパンチや蹴りで連続で攻撃する。真耶はそれを防いだがいくつか当たってしまった。


 そして、その戦いは両者ともにフラフラな状態にさせる。そんな時、アポロンが踵を床の小さな段差に引っ掛け後ろにコケる。さらに、アポロンの後ろには壁がなく手すりがあった。そこから落ちれば5階から一気に1階まで落ちることになるだろう。


 真耶はそんなアポロンを見て走り出した。そして、そのままラリアットをしてそこから共に落ちる。2人は凄まじい勢いで床まで落ちていく。そして、真耶は机の上に、アポロンは荷物など固いものが沢山乗った机の上に落ちた。


「「「っ!?何!?」」」


「「「きゃあ!人が落ちてきたわ!」」」


「「「喧嘩か!?」」」


 その場にいた冒険者達が皆声を揃えてそう言った。そして、真耶とアポロンから距離をとる。


 真耶とアポロンは多少ふらつきながらも立ち上がり戦う姿勢を見せる。その、頑丈さにその場の冒険者達は皆言葉を失った。


「お前は本当に人間なのか?この高さから落ちて死なぬとは……化け物め」


「侵害だなぁ。お前も本当に神か?それにしては弱すぎるな」


 2人はそう言い合って睨み合う。しかし、両者ともに背中から血を流している。どちらかと言えばアポロンの方が酷かった。


 しかし、2人とも戦う手を止める気配は無い。2人はここがギルドで周りに人がいることもお構い無しに走り出し、戦いを続けた。


 真耶は、ギルドの中と言うフィールドを存分に使い、様々な動き方でアポロンを圧倒する。


 アポロンはその攻撃を対処しようと集中する。しかし、それでも対処しきれないものがあり攻撃を受ける。その度に辺りに血が飛び散っていく。


 しかし、アポロンは隙を着いて真耶に反撃をした。一度攻撃をして真耶をひるませると、今度は右足の太ももを蹴りバランスを崩させる。その隙に回し蹴りで真耶の後頭部を蹴り飛ばした。


 真耶は少し飛ばされ倒れ込んだ。しかし、フラフラな足取りで立ち上がり霞む目でアポロンを見る。すると、アポロンはもう攻撃してきていた。真耶の顔を殴り、腹を殴る。それを何度も繰り返す。


 真耶はその連撃を何とか防ごうとした。しかし、防げるものもあるがほとんど防げない。反撃しようとして腕を振り払うと背中を取られ肘打ちをされる。


 その連撃で真耶は全身に痣が出来た。そして、頭から大量の血を流す。しかし、直ぐに振り返りアポロンを突進すると、体を持ち上げ床に強くたたき落とした。


 その上から回転しながらかかと落としをくらわせる。


「ゴォェ!?」


 アポロンは声とも言えないような呻き声をあげ横を向き嘔吐する。その隙に真耶は距離を取った。


 アポロンは少しして立ち上がる。両者共にボロボロの状態なのだが、それでも向き合い戦おうとする。さすがに冒険者達もその異常な戦いを止めようとしだした。真耶とアポロンを何人がかりかで束縛する。そして、いつでも魔法を放てるように魔法使いは構えた。


「ゴホッゴホッ……!」


 真耶は咳と共に口から血を流す。冒険者達はそんな真耶を医務室に連れていこうとした。


 しかし、その刹那の隙で2人は拘束を外す。冒険者をおしのけ2人は戦いを続けた。真耶はアポロンのパンチを側転をしながら避ける。そして、ちょうど足が頭の位置に来た時アポロンの頭を蹴り飛ばした。


 アポロンはその一撃で体が縦に半回転する。頭を床に強打し体を硬直させる。


 その瞬間に真耶はアポロンの腹を蹴飛ばした。さらに、飛ばした方向に即座に走り、アポロンに追撃を加える。


「昔読んだ漫画にあった技だ。強いだろ?」


 真耶はそう言って回転しながらかかと落としをする。アポロンは再び床に叩きつけられる。しかし、それで倒れるほどやわでは無い。アポロンは立ち上がり真耶に攻撃しようとした。


 しかし、既に真耶が攻撃していた。机の上にあった皿を投げ再びアポロンの顔にぶつける。アポロンはそのせいで怯み、少し硬直する。その刹那、真耶は皿の上からアポロンを殴り飛ばした。アポロンの体はそのパンチの勢いに負け宙に浮く。すると、真耶は体を押し込みアポロンをさらに押す。そして、顔を殴られたままアポロンは体の向きを地面と平行にされた。さらに、アポロンの真下にはギルドのカウンターがある。真耶はアポロンの顔面を殴りながらそのカウンターに叩きつけた。


 アポロンの体は容易にカウンターを破壊し床に叩きつけられる。さらに、真耶のパンチがアポロンの顔面を押しつぶす。カウンターに叩きつけられたこと、皿をぶつけられたこと、殴られたこと、カウンターに置いてあった鉄製の物語背中にぶつかったり刺さったりしたことなど、様々なことが重なりアポロンはこれまで以上の大ダメージを負った。


「……はぁ……はぁ……終わりだな」


 真耶は手に着く皿の破片を払い、血まみれのグーパンを前に構えながらそう言った。


 その目の前には、ボコボコにされた挙句全身から血を流すアポロンが倒れていた。

読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ