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モブオタクの異世界戦記Re  作者: 五三竜
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第135話 2人の戦い

 ━━一方その頃、アイティール達は……


「なんで真耶ったら、あなたみたいななんの取り柄もない子に肩入れするのかな?」


 モルドレッドはアイティールにそんなことを聞いた。しかし、アイティールはそんな問い掛けに答えることはない。問答無用で切りかかる。


「あぁ見えて真耶はロリコンだから、あなたがその体で誘惑したのでしょ?真耶はお尻大好きだから、毎日揉ませてるんでしょ?」


「してにゃいにゃ!」


 流石のアイティールもそこまで言われれば反論してしまう。そして、怒りながら言い返すと、モルドレッドはその攻撃を難なく躱し、ニヤリと笑って言った。


「あなたは見た感じ戦闘向きじゃないでしょ?もっと戦いの方に集中した方がいいわ。じゃないと死ぬわよ」


 モルドレッドがそう言った時、突如アイティールの背後から赤い光線が襲ってくる。それは、モルドレッドのディスアセンブル砲だった。


 アイティールはその光線が来ることが分かっていたかのように全て躱す。そして、流れるような動きでモルドレッドを蹴り飛ばす。


「っ!?」


 モルドレッドはその流れるような動きに一瞬動揺し体を硬直させた。そのせいで蹴りが直撃してしまう。しかし、直ぐに体勢を立て直し反撃に出た。


「散りなさい!”リトルブラスター”」


 モルドレッドは右手を前に突き出しそう唱える。すると、その手から高密度に圧縮された魔力の光線が放たれた。その光線は地面をえぐりながらアイティールを襲う。アイティールはそれを見て慌てて右に躱した。


 そして、先程までアイティールが立っていた場所にあったものは全て跡形もなく消滅してしまった。


「にゃにゃ!?威力高すぎにゃ!」


「この程度でそんなこと言うんだ。まだまだね」


「う、うるさいにゃ!にゃあは火力重視じゃにゃいにゃ!それに、こんないたいけな少女をいたぶるなんて鬼畜にゃん!」


「あら残念。私もいたいけな少女よ」


「うぐっ……!」


 アイティールはそう言い返されてしまい、何も言えなくなる。しかし、口では何も出なくとも、行動は出来る。アイティールは気持ちを入れ直し煙玉を取り出した。そして、それを勢いよく地面に投げつける。


「にゃにゃにゃ……”分身の術”にゃ」


 アイティールの声が聞こえる。その数秒後に煙の中から5人のアイティールが出てきた。


「っ!?」


「にゃにゃ!これでもにゃあは忍者にゃ!”忍法にんぽうほむら吐息といき”」


 真ん中のアイティールはそう言って炎を口から吐く。それは、空気を燃やし尽くしながらモルドレッドを襲う。


 しかし、それだけで終わらなかった。右隣のアイティールが1度印を結んで魔法……いや、忍術を唱える。


「”忍法にんぽう・”水玉みずたまりゅう”」


 そのアイティールが放った水玉はかなり早いスピードでモルドレッドに向かって飛んでいく。そして、空中で急に形を変え龍に変わった。


「なるほどね……”ストライプアウト”」


 モルドレッドは何かを察し光線を放つ。すると、その光線はストライプを描きながらアイティールを襲う。


 アイティールはそれを見て慌てて避ける体勢をとる。そして、スレスレでそれを躱して前進する。しかし、その攻撃で分身はやられてしまった。


「っ!?いや、まだよ!」


 アイティールは分身がやられてもなお前進する。幸いなことに繰り出した技は消されなかった。モルドレッドはそれを見てさすがに後退し避ける。アイティールはそんなモルドレッドを見て、どこからか手裏剣を取りだし投げた。さらに、クナイも取りだし構えると、飛びつき上から襲いかかる。


「っ!?」


 モルドレッドはアイティールの流れるようなクナイによる攻撃を何とか躱しどうにかその場から離れようとする。しかし、アイティールの攻撃はかなり速く逃げられそうにない。


「舐めないでよね!」


 モルドレッドはそう叫ぶと剣の柄の部分のようなものを取りだした。しかし、それは何かの機械のようで、ただの剣の柄ではないとわかる。


「何……っ!?」


 アイティールがそれに気を取られていると、突如目の前に光線のようなものが襲ってきた。アイティールは慌ててそれを躱してモルドレッドから距離をとる。


 アイティールがモルドレッドの姿を見ると、その恐怖心を煽るような光景に言葉を失う。なんと、モルドレッドはビームサーベルのようなものを持っていたのだ。


 恐らくだが、先程取りだした柄はビームサーベル用の柄だったのだろう。そして、ビームの部分はディスアセンブル砲を改良したもの。それはとにかく危ないものなのだとアイティールは即座に理解した。


「『ルインソード』よ。これで終わりね」


 モルドレッドはそう言ってルインソードを何回か振る。そして、剣の具合を確かめる。


「……やばいにゃんね……!」


 アイティールはその剣を見てクナイを構える。そして、走り出した。


「馬鹿な人ね!」


「それはそっちにゃ!」


 アイティールはそう叫んでクナイを投げる。さすがのモルドレッドもクナイを投げるとは想定していなかったらしい。モルドレッドは慌ててクナイを切断する。しかし、その後ろのちょうど見えない場所にもう1つのクナイを飛ばしていたことに気が付かなかった。まるで影のように飛んできたクナイはモルドレッドの右腕に突き刺さる。


「うぐっ……!」


「もらったわ!」


 アイティールは座り込むモルドレッドを見てそう叫んだ。モルドレッドはクナイが刺さった痛みで膝を着いてしまう。おそらくクナイに毒が塗られていたのだろう。そのせいでモルドレッドの足に力が入らなくなる。


 そして、そんなモルドレッドの目の前には燃え盛る火炎と高密度に圧縮された水の龍がいた。


「やっ……!」


 モルドレッドはそれを見て少し声を出す。しかし、そんな声も虚しく誰にも聞き届けられずモルドレッドは炎に包み込まれた。


「熱い……!っ!?うぷっ……!」


 モルドレッドがその炎の熱にやられている時、あとから水の龍がモルドレッドを襲った。


「うぐっ……!あ……ぐふっ……!」


「にゃあの勝ちにゃんね。”水獄牢すいごくろう”にゃ」


 アイティールは手を空に突き出した。するとその手の先には水が集まっていき、モルドレッドを閉じこめる水の牢屋が出来た。

読んでいただきありがとうございます。

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