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モブオタクの異世界戦記Re  作者: 五三竜
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第127話 ポセイドン

「そう言えばだど、真耶さん達はこれからどうするの?」


「どうするって?」


「いや、これから真耶さん達は何するのかなって思って」


 真耶はクロウのその問いかけに一瞬だけ言葉が詰まる。そして、心配させないように言った。


「ま、少しこの街の近くを調べてみるよ。もしかしたら、なにか痕跡があるかもしれないからね」


「そうなんだ。じゃあ、俺たちは何をしてたらいい?」


「ここに隠れてるんだ。出てきたらダメだぞ?」


 真耶はそう言ってクロウの頭を撫でると、階段を昇って外に出ていく。アイティールもその後を追って出ていった。


「ね、ねぇ、お兄ちゃん。どうするの?行くの?」


「……うん。多分行かなきゃならないから」


「……分かった。でも、その前に荷物を準備しよ?あれを持っていかないと……」


「そうだな」


 クロウとリンネルはそう言ってアジトの奥に向かって歩き始める。そして、それぞれの荷物おきから荷物を取りだし準備を済ます。そして、クロウはある道具を手に取ってそれをポッケにしまった。


「よし、行こう」


 そして、2人も外に出ようと階段を登り始めた。しかし、階段を昇ってすぐに気がつく。なんと、外に出るための入口が塞がれているのだ。


「これって……?」


「真耶さん達だ。俺たちが出ないように閉ざしてる。みんなで壊そう!」


「「「うん!」」」


 クロウの言葉を聞いた皆は、それぞれ道具を持ってきてその閉ざされた扉を破壊し始めた。


 そして真耶達は……


「ま、分かってたんだけどね。ずっと感じてたよ。お前の湿気臭い気をね。なんでお前がここに選ばれたのかすぐに分かったよ。この街の近くに巨大な湖が3つあるからね。だからお前が選ばれたんだろ?なぁ、ポセイドン」


 真耶がそう言うと、真耶の目の前にたっている、三股の槍を持った男は殺気を放ち始めた。そして、真耶に向かって言う。


「お前ごときが俺を殺せると思ってるのか?」


 ポセイドンはそう言って真耶を睨みつける。


「いや、そんな話してないだろ?義務教育からやり直したら?」


 真耶は呆れながらそう言い返した。すると、後ろからアイティールが何かを言ってくる。


「どした?」


「真耶、ポセイドンの能力は知ってるにゃんね?だったら速攻で片付けないと厄介にゃ」


「確かにな。ここは湖が近いし、今日の天気は……」


 真耶はそう言って空をむく。すると、鳥達が低空飛行をしていた。さらに、雲行きは怪しく雨雲と思わしき雲が上空に停滞している。


「分かってるにゃらもうやるにゃんよ」


「了解」


 真耶はそう言って駆け出した。そして、腰に帯刀しているプラネットエトワールを抜いてポセイドンに切り掛る。


 ポセイドンはその刃をその槍で受け止めた。


「トライデントか。特殊能力が色々あるんだろうが、関係ない。”雷絶らいぜつ雷閃光らいせんこう”」


 その時、真耶の姿が消える。そして、それと同時に光の軌跡が出来た。その軌跡はポセイドンの体を何度も切り裂いている。どうやらこの軌跡は真耶が通った後だったらしい。


「速い……!?面白い!”水龍すいりゅう乱喰らんぐい”」


 ポセイドンはトライデントを地面に突き刺した。すると、地面から水の龍が現れ真耶を襲う。真耶はその龍を見て剣を構え直すと、大ジャンプをして空中に飛び上がる。


 すると、龍は空まで真耶を追ってきた。真耶はそれを見てニヤリと笑うと、今度は空中をけって龍に突っ込む。


「舐めるなよ。”旋風せんぷう螺旋らせん裂空斬れっくうざん”」


 真耶は龍の口の中に入って回転しながら切り裂く。すると、龍は首を切られて霧散した。しかし、ポセイドンは動揺しない。真耶が着地したのと同時に真耶に襲いかかる。


 真耶はその巨大なトライデントを見て即座に剣を握りしめ顔の前に持ってきた。すると、振り下ろされたトライデントを防ぐことが出来る。


「っ!?お前……やっぱり強いな。だが、大振りな攻撃が当たると思ってんのか!?”真紅しんく炎神ほのかみ”」


 真耶はトライデントを防ぎながら攻撃をする。すると、ポセイドンの体に炎の斬撃が3つほど当たった。


「っ!?完全に剣を封じたはずだったのだがな……。まさか、攻撃してくるとは」


「フッ、見た目で全てを決めない方がいいと教わらなかったか?まぁ、知っていたところで防げはしない。”疾風しっぷう五月雨さみだれり”」


 真耶の姿が消える。そして、一瞬でポセイドンの背後に来た。ポセイドンはその速さに一瞬思考が追いつかないが、すぐに自分の体が切られていることに気がつき動揺する。


「やるにゃんね」


 その時、唐突にアイティールの姿が現れた。しかも、何も無かった場所にだ。ポセイドンはその異常な光景に戸惑い体が硬直する。


 すると、体にクナイが刺された。それを刺されたことで頭がハッキリとする。しかし、何故か体は動かない。どれだけ力を入れても、まるで何十トンもする重いものが乗っているかのように動かない。


「残念にゃ。体を硬直させたにゃ。もう動かにゃいから諦めるにゃんよ」


「っ!?クソ!」


「お前、1番弱かったかもね」


 突如真耶の声が聞こえる。そのため、後ろに真耶がいることがすぐに分かった。真耶はポセイドンを見ながら笑っている。そして、剣を構えて振り上げた。


「死ね。”雷絶らいぜつ雷切らいきり”」


 雷を帯びた剣が振り下ろされる。その刃は容赦なくポセイドンを襲う。刃と首までの距離が段々と縮まってきた。


 その場の誰もが終わりを確信した。そして、手を抜くことなく殺そうとする。しかし、ポセイドンだけは諦めていなかった。なんせ、まだ本気を出していないから。


「”神格化アポテオシス”」


 その時、強い衝撃が発生する。その衝撃で真耶とアイティールは弾き飛ばされてしまった。


「やっぱりこうなるか」


 真耶はポセイドンを見ながらそうつぶやく。ポセイドンはそんな真耶を見ながらニヤリと笑うと、段々と空に上がっていく。


「こうなってしまえばこっちのものだ。皆死んでもらおうか」


 ポセイドンはそう言ってトライデントを降った。すると、真耶達がいる街に近い湖から巨大な水のヤマタノオロチが3匹現れた。


「第2ラウンドだ」


 ポセイドンのその言葉で再び戦いの火蓋は落とされた。

読んでいただきありがとうございます。

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