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主人公 アズレイン=ランドルフ(6歳 拗らせ幼女)

何とか投稿出来ました。

一週間位、ずっとこんな感じで四苦八苦でした。

また、よろしくお願いします。

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。


突然ですが、私、アズレイン=ランドルフ(通称 アズ)は、クラウス様とフィアナ様が、恋に終止符をうっている事など露知らず、頃合い同じくして、ランドルフ侯爵家の三女として、産声をあげた。


ランドルフ侯爵家は、父様と母様、そして少し歳の離れた兄様と、双子の姉様たち、そして私の6人家族。


私は、4人兄妹の末っ子、と言う事もあってか、とーても可愛がられ、甘やかされて育てられた。

そのため、人見知りで、恥ずかしがり屋の性格になってしまい、人と話す時には、すぐに顔が赤くなってしまうのだ。


兄様や姉様達は、小さい頃よく兄妹喧嘩をしていたみたいだけど、私は歳の差がありすぎて、全く相手にしてもらえない。


それどころか、いつも兄妹皆が、私に悪い事や困り事が起きてないか、目を光らせてくれていて、私が泣き出したり、訴えたりする前に、先回りして動いてくれる。


だから、私は、


“床に寝そべり、ジタバタと手足を動かして、大声で泣きわめき、おねだりをする…。”


なんて経験をする必要は、これまでの人生で、一ミリたりとも無かった。


そうして、自分の意見を言う必要もなく、蝶よ花よと、育ててもらったものだから、人見知りが強くて、他人と、どうやって話をして良いのかわからない、残念な幼女となって、しまったのだった…。



ーーーーーーーーー



クラウス様とフィアナ様の、悲劇的なお別れ騒動(王族への輿入れを悲劇的と言うのは、不敬だけれど…)の時は、赤ちゃんだった私も、あれから6年余りの歳月が流れ、いっぱしの幼女になっていた。


物心と言うか、世の中の事が見えてくるのって、何歳くらいなのかな。

私は、世間で何が起こっているかなんて、当たり前だけど全然関心が無くて、世界は優しい家族のみ。という、小さな世界で生きている。

だから、もちろん、お二人の出来事は、ほんの少しも知らない。


当時は、リッシュベルト王国・直系王族のリアム王太子と、この国に三家しかない公爵家のうち、筆頭公爵家であるハワード公爵家次期当主・クラウス様が、同じく公爵家の令嬢であるフィアナ様をめぐって、三角関係が勃発。という大変な事が起きてしまったのだから、国中が噂話で大騒ぎになったみたいだ。


(実際はフィアナ様に一目惚れした、リアム王太子が、婚約者であるクラウス様を押しのけて、三角関係で悩む暇も無いくらい、素早く、強引に結婚したのだけれど。)


けれど、登場人物が、その様な身分の方たちなものだから、誰が注意するわけでもなく、お咎めを恐れて人々は自然と口を慎んだため、現在公に噂話する人はいなくなったようだった。


ちなみに、この国を支える公爵家・三家とは、

中央のリード(総締)・ハワード公爵家 (クラウス様の家系)

東のブレーン(文官系)・エヴァンズ公爵家 

西のオフェンス(武官系)・ガルシア公爵家 (フィアナ様の家系)

この三家であり、それぞれ王都の中の、どの位置にお屋敷があるかで、それぞれ名称がある。






そして本日は、そのクラウス様が公爵をされているハワード公爵邸にて、久しぶりにお茶会が催される事となっていた。


ランドルフ家は御招待を、一家で受けたため、私もハワード公爵邸の庭園に、お邪魔していた。


私は、これが初めてのお茶会への御招待という事もあって、今朝は興奮のあまり、すっっっごく、早くに目が覚めてしまっていた。


ベットに入って、一旦は眠ったのだけれど、外がまだ、夜の暗闇に包まれている頃から、目が覚めてしまっていた。

どれくらいベットの中で、時間が過ぎるのを待っていたのだろうか。ようやく少しずつ日が昇り始め、部屋の中に太陽の明かりが、だんだんと差し込む様子を、ウズウズと眺めていたのだった。


それから、屋敷の使用人達が、眠い目を擦って、朝の準備を始める物音が、聞こえてきたのをいい事に、一人で起き出し、顔を洗い、髪を念入りに梳かし、ドレスに着替えたのだった。


「お…おは、よう、ございま…す。アズレイン様。」


いつもクールで、何事にも動じない、侍女のミアが、一瞬引きつった表情を浮かべ、私を見て目を細めた。


「おはよう、ミア。今日は、いよいよ公爵邸でのお茶会でしょ。私もう、うれしくて、すごい早起きして、準備をすませてしまっ…た…のよ…?」


と、興奮してミアに話しかけたけど、途中でミアのこめかみに、青筋が浮かんでいる様な気がして、声が小さくなっていった。


(ミア、なんか怒ってるみたい…。)


シュンとしている私を見て、ミアはすぐにいつもの、口角だけ引き上げた、全く笑ってない笑顔を浮かべると、


「あー、だいたいの事情は把握しました…。た・い・へ・ん・お・じょ・う・ず・に・で・き・ま・し・た・ねー。」


と、カタコト言葉で褒めてくれたのだった。


あらかじめ言っておくと、ミアは、私が生まれた頃から、ずっと私の侍女をしてくれている。

だから、私に対して、愛想笑いやおべっかを言うこともなければ、雇い主のお嬢様と言う、配慮も遠慮もない。


ちょっと辛辣で、今回みたいに、嫌みったらしい事なんかも、遠慮なく言われちゃう時があるけど、基本私に甘くて、毎日痒い所に手が届いちゃうくらい、世話を焼いてくれている。


ただ、表情が出にくくて、愛情表現がわかりにくい。貼り付けた笑顔か、無表情で私を甘やかしてくるから、ちょっと怖い…。

これが、いわゆるツンデレってやつかしら?


けど、ミアは本当に優しくて、私の大切な味方だ。この日も、


「いつも、リヴァイ様達の影で、常に、ぼーっとしてるアズ様が、子供らしく興奮して、失敗をやらかすなんて…可愛らしい。

もっと、思うままに動いてくださって良いのですよ。ミアは、いつでもアズ様のお手伝いをしますからね。」

と、言ってくれた。



この後は、結局ミアに、

「ドレスを着て朝食に行って、万が一お食事をこぼしでもしたら、大変でしょうから、一度、普段着のドレスに戻しましょう。」


と、せっかく着替えたドレスを、さっと脱がされ、洗顔も、髪を整えるのもやり直しされた。


そんなこんな、余計な仕事を増やして、バタバタしながらも、ミアは私を完璧に可愛らしく、準備し直してくれた。


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