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火の鳥の娘  作者: FON
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プロローグ

頑張って書きます。途中や止めにならないようにします。

プロローグ


 例えば――昔々あるところに。

 はたまた――Once upon a time there where.

昔々のあるところにあったかもしれない物語は、世界に数多存在する。由来、成り立ちは様々だが、そのどれもがある共通点を持っている。

――もしもそうなら面白い、ということだ。

 海に住む人魚が人間の王子様に恋をする。桃から生まれた少年が、鬼退治をして平和を守る。

 突拍子もない話だが、なるほど確かに面白い。そんな話が新聞の一面をかっさらえば、毎日は新鮮味に溢れたものになるだろう。それは誰もが一度は想像する光景だ。

そして突如、その願いは叶えられることになった。

 始まりはゴスラーだった。世界遺産に認定されたドイツの古都、ゴスラー。魔女伝説の町とも呼ばれ、毎年四月三十日には住民が魔女に仮装して祭りを開いていた。俗に言う『ヴァルプルギスの夜』である。

――その『ヴァルプルギスの夜』に、本物の魔女が現れたのだ。ほうきに乗って空を飛ぶ老婆が、木の杖を振りまわし火の粉をまき散らしたとのことだった。一時世間はその話題でもちきりだったが、結局は派手な見せ物だろうということで本気にされず、事態は幕をおろした。

 ギザの大スフィンクスが観光客にクイズを出し始めたのがそれから数週間後。日本近海の海底に謎の建設物が発見されたのはさらに数か月後のことだった。侵入してみると、中では魚たちが躍り、楽しそうに宴を開いていたそうだ。

 科学の領域で対処しきれない現象の数々。科学者たちはそれらに対し、半ば投げやりに、半ば畏怖の念を込めて、こう結論づけた。

――これは、『魔法』によって引き起こされたものだ――と。

そして現在。西暦二千百年。

 我々人類は大きな技術的発展を遂げていた。具体的に言うと、二十三世紀に入るよりも早く、ドラ○もんの秘密道具と同等の物が作れるようになっていた。

 もしも○ックスやタイムマシンは流石に無いけれど、四次元ポケットやどこで○ドアはある。けれどそれらの夢のようなアイテムでさえも、もはや時代遅れになろうとしていた。

 今の時代、技術は毎日のように、飛躍的上昇を遂げているのだ。昨日新しかったものは、今日の夕方にはもう古くなっている。

 時代は『魔法開拓時代』。次々に現れた神話や伝説上の代物を研究、解析し、人類の糧として利用していく時代。

 『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』

 SF作家アーサー・C・クラークが残した有名な言葉も、今となっては時代錯誤と言わざるを得ないだろう。確かに科学と魔法は似ていた。近づくことは出来ていた。

――だがそれは、発達した科学と、未発達の魔法を比べた時の話だ。それほどに、この二つには、強い上下関係があった。

 よって彼の言葉を借りるのならば、こう言い換えるのが最適だろう。

『充分に発達した魔法技術は、奇跡と見分けがつかない』と。


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