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第二十四劇『どうやらハズレ?スレイアーツを目指せ』

ナリィ「ミトスはね、少しの間だったら、もとの姿に戻ることが出来るんだ。」


ライファ「『ヘルユノス』に『時間』を奪われてたんじゃなかったか?」


ナリィ「うん。確かにそうだね。」


ファム「ミトスは封印がどうって言ってたよね?」


ナリィ「確かに封印されたさ。だけど、ミトスは『あの力』で、『ヘルユノスの力』と共鳴させて、一時的だけど、封印を弱らせることが出来るんだ。」


ライファ「そうだったのか…。」


ファム「でも、だったらどうしてミトスは、今こんなに…。」


ナリィ「反動だよ。」


ライファ「反動?そういや、さっきもそう言ってたな。」


ファム「どういうこと?」


ミトス「…『呪い』だからね。」


フォテ「ミトスさん!」


ファム「ミトス〜!」


ゲキ「ミトスが目覚めた。やったね。」


ミトス「心配かけてゴメンね皆。」


ファム「そんなこと…ミトス〜!」


ライファ「おい、『呪い』ってなんだよ?」


ミトス「うん……アイツの技は、一種の『呪術』だから…。『呪術』っていうのは、完全に解かない限りダメなんだ。解くのに失敗すると、かけられた『呪い』が反動として、襲ってくるんだ。」


ファム「ミトス…。」


ライファ「それがさっきのあれか?」


ミトス「うん。体に激痛が走り、『呪い』が強くなっていく。」


ゲキ「それって最悪、もうミトスの『力』じゃ元に戻れないくらいの『呪い』になるってこと?」


ファム「え?ホントなのミトス!」


ミトス「……今まで、封印を解いたのは三回…。一度目は『ラナ』で…二度目は『スワン山』…。」


ライファ「『スワン山』?確か…バイパーってヤツが…。」


ミトス「うん。ちょっとカッとなって無意識に解いてた。まあ、あの時は解いたと言っても、ほんの1、2秒だったけどね。だから反動も、ほとんど無かった。」


ナリィ「やっぱりあの時、解いてたんだね…バカミトス。」


ミトス「ゴメンねナリィ。でも今回は少し、長く『力』を使い過ぎたね。まだ体に『力』が入らないや。」


ライファ「全く…無茶し過ぎだぜ。見かけによらず短気なんだからよ。」


ミトス「あはは…。」


ゲキ「んしょ。(ミトスを持ち上げる)」


ミトス「うわ、ゲキ?」


ゲキ「中、行くんでしょ?俺が連れてったげる。」


ミトス「ゲキ…。」


ライファ「へへ。」


ファム「ああ〜ゲキずるい〜!」


ミトス「……はは、ありがとう!」


ライファ「でもよ、行き止まりだぜ?フォテ、何か分かるか?」


フォテ「んとですね……確かカミュさんが、こちらから来ましたよね?ですから……やっぱり!」


ライファ「どうした?」


フォテ「こちらに隠し通路があります!」


ライファ「…こいつは…。」


フォテ「ええ、隠し通路というより、無理矢理作った道ですね…はは。」


ライファ「アイツがか?」


フォテ「恐らくは…。」


ライファ「んじゃ、オレらも、その通路を利用させてもらおうぜ。」


ゲキ「ミトス、大丈夫?」


ミトス「大丈夫だよ。ありがとうゲキ。」


ゲキ「でも、やっぱミトスは強いね。」


ミトス「…。」


ゲキ「俺も強くなれるかな?ミトスみたいに。」


ミトス「ゲキは強いよ。僕の友達は、皆強いよ。だからゲキも強い。」


ゲキ「…照れるね。」


ライファ「何くっちゃべってんだ?さっさと行こう……。」


ミトス「どうしたのライファ?」


ライファ「アイツは…アイツは何処行った?」


ミトス「え?」


ライファ「ダハハ野郎だよっ!何処行ったんだっ!」


ファム「何言ってんのよ。バジリスクってヤツならあそこに……いない……何でっ!」


ミトス「そんな…動けるわけないのに…。」


ナリィ「ミトスの技をまともにくらって、全身の骨が粉々のはずなのに…。」


ゲキ「…アイツなら。」


ライファ「知ってんのか!」


ゲキ「……何だっけ?」


ライファ「いやだから!ダハハ野郎がどうしたんだよっ!」


ゲキ「あ、そうだ。アイツなら、ミトスを介抱してる時に、出てったよ。」


ライファ「何で言わなかったんだよっ!」


ゲキ「…忘れてた。」


ライファ「忘れんなっ!」


ファム「でも、どうやって?アイツは骨が粉々なんでしょ?」


ミトス「…多分、下半身…歩くのに必要な部分を石化したんだよ。」


ライファ「…成程な。ヤツの能力あってのってわけだな。」


ナリィ「だけどさ、痛みまではとれないはずだよ?歩く度に相当の激痛があるはずなのに!」


ライファ「ふん、なかなかの根性じゃねえか。」


フォテ「ぜ、絶対恨んでますよぉ!ま、また襲って来たらどうするんですかぁ!」


ライファ「は、上等だぜ。今度会ったら、オレが砕いてやるぜ!」


ファム「ううん!ミトスにあんな『力』を使わせて!今度はアタシがやるわっ!」


ゲキ「俺もやりたいな。」


ナリィ「皆…血気盛んだよね。」


フォテ「はは……あ、この中ですね、ミトスさん。」


ミトス「うん…。」


ライファ「開けるぜ。よっと。」


フォテ「…中はあまり広くはないですね。」


ミトス「…この文字は…。」


ライファ「かなり小さい遺跡なんだなぁ。」


フォテ「そのようですね。『ソーラレイ遺跡』は、最古産の遺跡の一つです。『古代ルナリシス文明の遺産』と言われているんです。」


ミトス「だからだね、あちこちに『ルナリシス文字』が刻まれている。」


フォテ「でもおかしいですね…。」


ライファ「何がおかしいんだ?」


フォテ「あ、いや……この中…声が聞こえないんです。」


ライファ「声?『極め』が使えないってのか?」


フォテ「今まではこんなこと無かったのに…。」


ゲキ「『極め』…何だっけ?」


ナリィ「…後で説明したげるよ。」


ゲキ「優しいねナリィ。」


ナリィ「…はぁ。」


ライファ「…あるのはこの台だけか?」


フォテ「祭壇のようですね。」


ミトス「…。」


ライファ「…どうやらハズレだったみてえだなぁ。」


ファム「ミトス…。」


ミトス「フォテ、この祭壇に何が置かれていたと思う?」


フォテ「恐らくは『覇黄石』じゃないでしょうか。」


ミトス「やっぱりそう思う?」


ライファ「確かカミュって奴が持ってったアレだろ?『ヘルユノス』が欲しがってるって石…それって何なんだ?」


ファム「確かただの『覇黄石』じゃないとも言ってたわよね?」


ミトス「『覇黄石』っていうのは、それぞれの大陸でしか発見されない稀少鉱石の一つなんだ。鉄よりも頑強で、様々な光を放つ鉱石なんだ。前に僕が持ってた『真紅石』もそうだよ。紅い光を放つんだ。」


ライファ「何でそんなもんを『ヘルユノス』は欲しがってんだ?」


ミトス「ただの『覇黄石』じゃない…か……一体ここに安置されていた『覇黄石』は、何なんだろ?」


フォテ「…声が聞ければ良かったんですが…。」


ライファ「ま、そう言うな。何に使うかなんて、『ヘルユノス』に会った時に聞きゃいいんだからよ。」


ミトス「…そうだね。はぁ…でも残念だったなぁ。結局『蒼の秘宝』は無いのかぁ。」


ナリィ「振り出しだね。」


ミトス「ま、仕方ないよ。」


ライファ「これからどうすんだ?」


ミトス「そうだね…『スレイアーツ』に行こうと思う。」


ライファ「何でだ?」


ミトス「ほら、カミュが言ってたでしょ、『スレイアーツ』に行けば、何が起こってるのかが分かるって。」


ライファ「ああ、そういや言ってたな。」


ゲキ「…そうだっけ?」


ナリィ「はいはい、後で説明したげるからね。」


ゲキ「やっぱ優しいやナリィ。」


ナリィ「…はぁ。」


ライファ「んじゃさっさと…ん?フォテ、何してんだ?」


フォテ「いえ、祭壇に刻まれている文字を書き写しているんです。後で解読しようと思うんで。」


ミトス「フォテ!『ルナリシス文字』を解読出来るの!」


フォテ「あ、はい、しばらく時間を頂ければ。」


ミトス「凄いやフォテ!」


ライファ「そんなにスゲエのか?」


ファム「アタシに聞かないでよ!」


ミトス「だって!『ルナリシス文字』を解読出来るなんて!解読出来る人なんて、『アストア』にも数人しかいないんだよっ!」


ライファ「『アストア』?何処だ?」


ミトス「『最高学府研究国・アストア』、全ての知識が集まる国だよ!」


フォテ「そうですっ!創立者『アストア=バンクーガ』博士が、世界中を旅し、あらゆる『理』、『可能性』を書き記した『アストア全書』、僕も愛用している本なんですっ!携帯用ですが…。」


ミトス「最初は小さな研究所から始まったんだよね?」


フォテ「はい!彼の好奇心、探求心は止まることを知りません!彼が行った様々な研究は、後にこの世界にとって大きな存在となり、今では国という大きな国家まで誕生することになったんです!僕もいつかは彼のように、世界中を記録した『未知の財産目録』…『フォテ全書』を作るんですっ!」


ミトス「フォテならきっと出来るよ!僕も協力するからね!」


フォテ「ありがとうございますミトスさんっ!」


ライファ「あ〜あ、二人で盛り上がってやがんな。」


ファム「ミトスも好奇心旺盛だものね。」


ゲキ「ミトス元気。良かったね。」


ライファ「おい!そろそろ行こうぜ!」


フォテ「一緒に見つけましょう!『七大財産』を!ミトスさんっ!」


ミトス「楽しみだよね〜!」


ナリィ「ホントついてけんわ…。」



(バジリスクは)



バジリスク「はあはあはあ…ぐ……ちきしょうが…。ダハ…ざまあねえぜ…まさかあんなバケモンだったとはな…。ふぅ…『警獣隊』なんか呼ばれてたまるかよ。あんなトコ、二度とゴメンだぜ!」


?「ターゲット補足。」


バジリスク「誰だっ!」


?「久しいな、バジリスク=フィンガー。」


バジリスク「テ、テメエは!」


?「不運だったな。せっかく脱走したというのに捕まるとはな。しかもまた…俺にな。」


バジリスク「くっ…。」


?「言わなかったか?次に悪を行うと…殺すと。二度は無いと。」


バジリスク「ハ…ハハ……何だ…あれだ…オレも出来心でよ…。お、おとなしく捕まるからよ…な?」


?「悪は…どうあっても悪だな。」


バジリスク「お、おいおい…殺すなんて…せ…正義の『警獣隊』の任務じゃないんじゃないのかい?」


?「正義を貫くための殺生は、許される行いだ。」


バジリスク「ほ、ほら、見ての通りオレはもうボロボロだ。て、抵抗なんて出来ねえよ?逃げたりもさ…だから…な?」


?「それは好都合だ。追う手間が省ける。」


バジリスク「なっ!」


?「抵抗したければするがいい。最も、お前が抵抗したところで、お前の未来は決まっているがな。」


バジリスク「…う…うわぁーーーっ!」


?「正義の名の下に…散れ…バジリスク。」


バジリスク「や、止めろぉーーーっ!」


?「…『斬刀・悪断アクダチ』っ!」


バジリスク「ぐわぁぁぁーーーーーっ!」


?「悪は何があっても悪だ。……こちら『四色獣』、『黒刀のゼツ』。ターゲット、バジリスク=フィンガーは………自害していた。」



(ミトス達は)



ミトス「さて、『スレイアーツ』に向かおう!」


ナリィ「おう!」



(しばらく歩く)



ライファ「ん?」


?「ポロロ〜ン、ポロロ〜ン。」


ライファ「何だ?」


?「ポロロ〜ン、ポロロ〜ン。朝起きて〜パジャマが〜濡れ濡れ〜〜おぉ〜〜ラビリンス〜♪」


皆「…。」


?「しかも〜何故か〜〜私の秘部周〜辺〜〜おぉ〜〜〜気がついたぁ〜〜〜これは〜〜汗だぁ〜♪」


ライファ「寝小便だよっ!」


?「寝小便っ!」



次回に続く


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