第二十二劇『ダークネス降臨?ゲキの実力』
ライファ「『ランドベア』?」
ゲキ「わぁ〜熊だ熊。」
ランドベア「グアァァァッ!」
ナリィ「うわあっ!何てパワーだよ!」
ライファ「ミトス、どうすんだ?」
ミトス「フォテ、『ランドベア』のこと教えて!」
フォテ「えっとですね…。」
ランドベア「ガアッ!」
フォテ「!」
ミトス「危ないフォテッ!」
フォテ「ひっ!」
ゲキ「動かないでねフォテ。」
フォテ「え?」
ゲキ「『通背脚』…はっ!」
ランドベア「グガァーーーッ!」
ライファ「ナイスだゲキ!」
フォテ「え……えっ!い、今確か僕の背中から!」
ゲキ「……何だっけ?」
フォテ「…い…今あなたがやったんじゃ…。」
ミトス「あは!ゲキの『通背脚』はね、障害物を通して、その先に衝撃を飛ばすことが出来るんだよ。」
フォテ「…す、凄いですね…。」
ミトス「障害物の厚さにもよるけど、ゲキならたとえ厚さ3メートルの壁でも、衝撃を通すことが出来るんだ。」
ゲキ「その通り…ピース。」
フォテ「え…忘れてたんじゃ…。」
ライファ「無駄だぜフォテ。ゲキはミトスが言や、思い出すんだよ。はあ…都合のいい記憶だぜ。」
フォテ「照れるね…ピース。」
ライファ「褒めてねえっ!」
ファム「はいはい、そんなことより、まだ終わってないわよ!」
ランドベア「ガア…。」
ライファ「へぇ、ゲキの『通背脚』をくらって立つとはな。」
ゲキ「手加減したからね。」
ライファ「何でだよ!」
ゲキ「俺はライと違って動物好きだし。熊はキュートだよね。」
ライファ「そ…そうかよ…。」
フォテ「で、ですが『ランドベア』はかなり狂暴な肉食生物なんです。一度人を襲うと、次もまた必ず人を襲います。」
ライファ「そいつぁ、ほっとけねえな。」
ファム「どうするのミトス。」
ミトス「ライファの言う通り、人を襲うなら放っておくわけにはいかないよ。」
ランドベア「グガァッ!」
ファム「きゃあっ!」
ライファ「じ、地震を起こしやがった!」
フォテ「ひぃっ!」
ミトス「皆気を付けて!来るよっ!」
ランドベア「ガアッ!」
ライファ「へ、『力』比べかぁっ!うらっ!」
ランドベア「グアッ!」
ライファ「ぐっ……お…おらぁっ!」
ランドベア「グガーーーッ!」
フォテ「『ランドベア』を吹っ飛ばすなんて…。」
ゲキ「馬鹿力…。」
ライファ「おい、聞こえてっぞゲキ!」
ランドベア「ガ…。」
ライファ「トドメだ!剛…。」
ランドベア「グオォォォーーーッ!」
ライファ「な、何だ?」
ゲキ「雄叫び…だね。」
フォテ「ま、まさかっ!」
ミトス「どうしたのフォテ?」
フォテ「『ランドベア』は、常に二匹で行動するんです。」
ナリィ「それで?」
フォテ「一匹が狩りをし、一匹が寝蔵を作るんです。」
ランドベア「グオォォォーーーッ!」
フォテ「そしてあの雄叫びが、仲間を呼ぶための信号だとしたら?」
ナリィ「そ、それじゃ!」
ランドベア2「グ…。」
ファム「は、挟まれたわよ!」
フォテ「き、気を付けて下さい!『ランドベア』は…。」
ランドベア1「ガアッ!」
ランドベア2「ガアッ!」
ライファ「なっ!地割れだとっ!」
フォテ「コンビネーションが完璧なんですぅ〜〜〜っ!」
ライファ「は、早く言えってぇ〜〜のぉ〜〜〜っ!」
ミトス「…フォテッ!上っ!」
フォテ「ひぃっ!岩が!」
ミトス「くっ!」
フォテ「ミトスさんっ!」
ゲキ「!」
ミトス「痛てて…。」
フォテ「大丈夫ですかミトスさんっ!」
ミトス「あはは、平気平気!ちょっと擦り剥いただけだよ。」
ゲキ「ミ…トス…。」
ライファ「お、おいおい…。」
ナリィ「まさかゲキのヤツ…。」
ファム「ちょ、ちょっとゲキ!か、かすり傷よかすり傷!え?かすり傷っ!ミトス大丈夫っ!」
ゲキ「ミトスが…傷った……これ誰のせい?……ミトスが傷…ぐ…。」
ライファ「だ、だから落ち着けって!」
ナリィ「そ、そうそうそう!ミ、ミトスならすぐ治るしね!」
ファム「ミトス!大変!早く手当てしなきゃ!ばい菌入ったら大変だわ!ミトス死なないでっ!」
ライファ「おいおい、そんなに言うとゲキが…。」
ミトス「だ、大丈夫だよファム。痛たた。」
ファム「痛いのミトス!……ゆ…許さない…。」
ゲキ「死ぬ程の……ミトスを傷つけやがって…。」
フォテ「へ?あれ…口調が…。」
ナリィ「あちゃあ…。」
ライファ「出やがった…。」
ファム「ミトスによくも…。」
ゲキ「ミトスによくも…。」
ファムとゲキ「覚悟出来てんなっ!」
フォテ「え…?」
ファム「『掌技・逆雨』っ!」
ランドベア1「グアァァァーーーッ!」
ファム「まだまだぁ!ミトスの受けた痛みはこんなもんじゃないわよっ!」
ゲキ「死ねっ!死ねっ!死ねぇっ!全身の骨砕けて死ねやぁっ!うらっ!」
ランドベア2「グガオッ!」
ゲキ「おら立てやぁっ!たかが動物の分際で何やってんだ!ああ?動物は動物らしく、ひっそり暮らせやっ!」
フォテ「……た…確かさっきは動物好きって…言ってたような…。」
ナリィ「あ〜あ。」
ライファ「ファムはいつものことだが、ゲキもああなったら、もう止まらねえな。」
ファム「調子に乗ってんじゃないわよっ!」
ゲキ「一度だけじゃ物足りねえっ!二度死ねっ!二度!生まれ変わって即死ねっ!」
フォテ「……あの…ゲキさんは一体…。」
ライファ「アイツはな、滅多にキレたりはしねえんだ。」
フォテ「まあ、普段はおっとりした方ですからね…。」
ライファ「だけどな、一度キレちまうと…手がつけられねえ。」
フォテ「ファ…ファムさんと同じなんですか?」
ライファ「い…いや…。」
ゲキ「ん?おいこら筋肉馬鹿!テメエがぼさっとしてやがるから俺のミトスが傷を受けんだよ!聞いてんのか?てかテメエが命はってミトスを守れよな!テメエの筋肉はそのために使うんだろが!役に立たない筋肉なら、削ぎ落として肉屋にでも売れやぁっ!」
ライファ「ファムよりタチが悪ぃんだよ…。」
フォテ「な、成程…。」
ナリィ「オイラ達の間じゃ、あのゲキを『裏ゲキ(ダークネス)』って言ってんだ…。」
ゲキ「おいチビ、テメエも地ベタに這いつくばってねえで、ミトスを守りやがれ!この役立たず猫がぁっ!」
ナリィ「猫って言うなっ!」
ミトス「まあまあ二人とも。」
ゲキ「ミトス、お前もお前だ。危ないことは、このアホバカコンビに任せて、俺の胸の中にいなよ。」
ナリィ「ア…アホ…。」
ライファ「バ…バカ…。」
ミトス「はは……あっ!ゲキ、後ろっ!」
ゲキ「ちぃっ!ふざけんなっ!」
ランドベア2「グガッ!」
ゲキ「俺がミトスとラブってんのに、何邪魔してんだ?覚悟出来てんのか?ああ?」
ランドベア2「グ…。」
ゲキ「殺す!」
ライファ「出るぜ。」
ゲキ「はぁぁ…。」
フォテ「け、『勁』が足に集まっていきます!」
ライファ「見てろよフォテ。ヤツの『飛脚』の技をな。」
ランドベア2「ガア?」
ゲキ「テメエには、百の衝撃をくれてやるよ!『百崋繚乱』っ!」
ランドベア2「グガオォォォーーーーーーッ!」
フォテ「す、凄い…。」
ライファ「『飛脚』の真髄は『速さ』なんだってよ。」
フォテ「で、では百の衝撃というのは…。」
ライファ「お前には見えなかったろうが、ゲキはあの一瞬で百発の蹴りを入れてやがるんだよ。」
フォテ「はぁ〜本当に皆さん凄いんですね。」
ゲキ「…ん?あれ?熊が倒れてる………何か疲れた…。」
ライファ「そうか…疲れたかよ…。」
ナリィ「もとのゲキだね。」
ゲキ「あ、そっか。俺がやったんだっけ………そうだっけ?」
ライファ「そうだっての…。」
ナリィ「あっちも止めなきゃね。」
ファム「『崩掌』!『崩掌』!『崩掌』っ!」
ナリィ「ひ、悲惨…。」
ライファ「ど、同情するぜ…クマよ…。」
ゲキ「…ファムってキレると怖いよね。」
ナリィ「ゲキが他人のことを言う?」
ゲキ「……何か言ったっけ?」
ナリィ「…もういいよ。」
ファム「ミトス〜〜〜!仇とってあげたからねぇ〜〜〜!」
ミトス「うぷ!はは、ありがとうファム!」
ファム「ミトス〜〜〜!」
ゲキ「あ、いいないいな。俺も抱いていい?」
ライファ「それは止めとけ。絵面的に…内容が変わっちまう。」
ゲキ「そうなの?」
ミトス「あはは、じゃあ先に進もう!」
(先に進む)
ライファ「ん?何だここは…。」
フォテ「ここが『ソーラレイ遺跡』の入口、『バターフロア』です。」
ミトス「この先に『蒼の秘宝』が…。」
ナリィ「行こうミトス。」
ミトス「うん。」
ライファ「……ん?誰かいるな。」
ミトス「え?…あ、あの人達は確か…。」
?「おいおい、どうすんだ?行き止まりじゃねえかよ!何とかしろよな!」
?「少し黙っててくれる?アンタが喋ると気が散って、思考がストップするだろ?」
?「へ〜いへい……ん?おい『カミュ』。」
カミュ「だから少し黙ってろって……ん?」
?「…銀髪のガキ……何処かで…。」
カミュ「確か質屋で会った…。」
?「おおそうだそうだ!ん?ちょっと待てよ……銀髪のガキで『ソーラレイ遺跡』に来やがった…。」
カミュ「どうやら、アイツがそうみたいだね。」
?「テメエがミトスか?」
ミトス「!」
ファム「何でミトスの名前を!」
?「さあてな、何でだろうなぁ?」
ライファ「答えやがれ。」
?「何だテメエ?死にてえのか?」
ライファ「面白ぇじゃねえか。誰を死なすって?」
?「ダハハ!いいねぇ、オレと戦るか?」
ライファ「後悔するぜ?」
?「ダハハ!そりゃテメエだ!」
ライファ「行く…っ!」
ミトス「待ってライファ!」
ライファ「な、何だよミトス?」
ミトス「君達………『ヘルユノス』を知ってるの?」
カミュ「…だったら?」
ミトス「アイツは何処にいるの?」
?「テメエらの後ろだ。」
ミトス「えっ!」
?「バカがっ!はあっ!」
ミトス「!」
?「……ほう。」
ライファ「ふざけんなよテメエ!」
?「オレのパンチを防ぐとはな。」
フォテ「……あ…。」
ゲキ「どしたのフォテ?」
ライファ「不意打ちとは、結構面白ぇことすんじゃねえか。」
ファム「アンタ達、卑怯だわ!」
カミュ「俺は関係ない。そのオッサンが勝手にやっただけだ。一緒にされちゃ困る。」
ライファ「テメエら一体何だ!」
フォテ「『バジリスク=フィンガー』…。」
バジリスク「へぇ。」
ライファ「知ってんのかフォテ?」
フォテ「な、何故ここに……あなたは…今獄中のはず…。」
ミトス「…。」
ライファ「てことはコイツ、犯罪者か何かか?」
フォテ「そ、その人だけではありません…。そ、そこにいる人も…。」
ライファ「アイツもか?」
フォテ「『カミュ=セイバー』、二人とも、れっきとした犯罪者です。」
皆「!」
フォテ「『警獣隊』に逮捕され、服役中のはずなのに…。」
バジリスク「忘れたなぁ、そんな昔話はな!ダハハ!」
カミュ「そんな昔でもないだろ?」
ミトス「何だか分からないけど、『ヘルユノス』のこと、知ってるなら教えてもらうよ!」
バジリスク「ダハハ!やってみなガキィ!」
次回に続く