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1人の男性は座り込んでいる
理愛の前に片膝を付いて顔を見ると
いきなり背中に背負って歩き出した。
理愛自身は
意識が鮮明ではなくて
置かれている状況を理解してない。
だから
急に背負われても
抵抗を一切見せないでいる。
夜の暗い中で
肩に傘を掛けていては
理愛の姿は凄く見えにくい。
男性
「こんな出逢い方するなんて…思わなかった。
君も思いもしなかっただろうな。
これからは大きく色々変わるだろう…。」
そう呟きながら歩いて行く。
ーマンションー
男性は背負いながら
片手でセキュリティーを解除した。
部屋に入って
理愛をベッドに寝せると
突然、起き上がり男性に抱き付いた。
理愛
「何で…。」
誰も何も言ってないのに
発する言葉は意味不明になってる。
男性は少し驚きながらも
理愛を拒否せずに抱きしめ返すと
ゆっくり理愛は身体を手が撫でていく。
男性は拒否をせずに
ただただ理愛の手を素直に
受け入れる事しかしなかった。
そして
男性にキスをすると
男性も理愛の舌に吸い付いてきた。
ーーーー
一通りの行為が終わると
男性は薄い布団を理愛に掛けた。
それから
理愛の髪や身体をタオルで拭き
男性は自分のパジャマを着せた。
お酒のせいか
理愛は深い眠りに
落ちてしまい目を覚まさなかった。
それから、理愛の着てた
実習着を乾かそうとしたら
胸ポケットに何か入ってるのに気付いた。
不思議に思って
胸ポケットに手を入れてみると
二つ折りのカードケースが入れてあった。
中身を確認すると
学生証や赤ちゃんの写真が
カードケースに挟めて入っていた。
男性は写真を気にせず
理愛の学生証だけを見てから
誰も聞いてないが言葉を口にした。
男性
「一生の運命を変えてしまうかもしれない、
悪いと思うけど、いつか理解してほしい…
そう、信じたいんだ。」
そう言うと
カードケースを持ったまま
理愛の隣で横になって寝しまった。
ーーーーーー
AM7時01分
暖かい場所、暖かい身体、暖かい光
身体が宙に浮いてるようにふわふわしている。
ゆっくりと
目を開けると…理愛は目を見開いた。
手足を動かそうとしたが、出来ない。
自分の隣には
見知らぬ男性が寝ていて
自分の手足は縛られていたからだ。
少しジタバタして
縄を緩めようと努力してると
その振動のせいか…男性が目を覚ました。
男性
「…目が覚めたか。」
伸びをしながら理愛に話し掛ける。
理愛は言葉を返そうとした時に
頭が割れる様な感じに頭痛が走った。
縛られてる両手で頭を押えた。
こんなにも
酷い頭痛や眩暈、怠さは
初めて経験するものだった。