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ー2ヶ月後ー
入学当初の忙しさや
学校生活も身に付いて
多少の余裕ができ始めた。
その頃からだった。
今までは目もくれなかった
学科の女子数名が拓斗に言い寄ってきた。
女子の気持ち
専学生活を潤わせたい
理愛はこの気持ちを手に取る分かった。
勿論だけど
この学科の誰もが
2人が付き合ってるのは知らない。
だけど
学校内で知らしめなかったのは
2人のどちらかに矛先が向かない為だった。
知らないうちに
どちらかとも無く恋愛に対して
意志と関係なく無意識の守りを作ってた。
だから…
友達という希楽にも
幼なじみとしか伝えなかった。
短い休憩だけでも
拓斗の周りには女子たちが
目に止めて欲しくて集まってくる。
理愛の後ろが拓斗の席だから
会話の内容はよく聞こえてきていて
聞きたくなくても受け答えも聞こえる。
ーお昼休憩ー
理愛は希楽に誘われて
いつも通りランチルーム行って
2人で食事をしながら話していた。
希楽
「最近とかさぁ、
取り巻き多くて本当に邪魔なんだけど‼
だからランチも誘われなくなったしさぁ。」
いくらランチルームで
拓斗に興味がない人だからと
周りに聞こえる様な声で話してきた。
理愛
「仕方ないよ。
長くて大変なこの専学生活には
癒しや支えが必要なんだと思うよ?」
理愛は静かに宥めるように
小さめな声で控えめに答えた。
そんな希楽は理愛と対象的だった。
希楽
「でも、アプローチしないと
山下君は振り向いてくれないし…
誘ったら女子に恨まれそうだし…
どっちを選択しても取り巻きが邪魔。
でも、絶対に諦めたくないの。」
こんな
同じ様な話を
希楽と何回したのか…。
この話をする度に
理愛にはストレスしか感じず
時に変な焦りさえ感じてしまってた。
ここまで話すと
必ず女子に囲まれた
拓斗がランチルームに来る。
ランチルームの
出入口は一緒で1つで目に付く場所にあり
どうしても顔を上げると視界に入ってしまう。
勿論だけど
気持ちを知らない
希楽に会釈することすらない。
周りに知られない様にしてる
理愛に対してもそれは例外ではなかった。
それは…
目や手で合図することもなく
囲まれてるからメールも不可能だった。
学校で2人で話せるのは
通学、帰宅、相モデルの時のみ
自宅でも段々と会話が少なくなっていった。
ー放課後ー
相変わらず
拓斗の周りには取り巻きがいて
女子たちと楽しそうに会話したりしてる。
理愛にも我慢の限界だった。
群がる女子たちをかき分けると
拓斗の腕を素早く掴んで歩き出した。
そうして
誰もこない様な場所として
思い付いた場所まで早歩きで向かった。