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AM7:13
拓斗
「あー頭が痛てえし。」
片手で頭を抑えて言っていた。
理愛
「20を過ぎてる人が自業自得でしょ。
お酒臭さは抜けたけど…問題は二日酔い。」
そう言いながら
朝食とビタミン剤を渡して言った。
理愛
「ビタミンCは血中アルコールを
排出してくれるから飲んでね。」
拓斗
「先輩たちに次々注がれて
断る時間だってない感じだったんだぞ。
仕方なく付き合ったんだからな!」
自分には非がないと言いながら
少し拗ねたような声で話してくるが
話題の話から1テンポ遅れて話してくる。
理愛
「でも、自己責任だと思うけど…
だって飲んだのは自分でしょ?
とにかく専学に行く準備して。」
拓斗はガラステーブルに
置いてあった水でビタミン剤を飲み
ダルそうにしながら身体を動かし始めた。
軽い理愛の知識は
医師と看護師の間から生まれて
色々な事と教えてくれたからだ。
理愛
「こんな場面で役立つなんて
思わなかったけど…教えてもらってて良かった。
全く世話が掛かるんだから…。」
朝食の支度をして
微笑みながらボソッと言った。
拓斗
「何か言ったか?」
理愛
「ふっ、何も言ってないよ。
朝食の支度してるから準備して。」
拓斗
「そんな急かすな、頭痛いんだから…。」
拓斗が視界から
見えなくってから
またボソッと言葉を発した。
理愛
「何て地獄耳なの?
聞こえてたら怒っちゃうよね。」
そして
着替えから戻ってきた
拓斗は床に座り込んだ。
理愛は朝食を
ガラステーブルの上に
数品運び、2人で朝食に手を付けた。
――――――
二日酔い位では
専学を休むわけにはいかず
軽い頭痛を抱えたまま車に乗り込んだ。
だからと言って
拓斗に運転させるのは不安で
理愛が代わって運転をしていた。
そんな車内で
急に話を理愛に振ってきた。
拓斗
「そう言えばさ…
ランチで一緒にいた人って友達?」
理愛
「あぁ、言ってなかったっけ。
席が隣で成り行きで友達になった感じ。
私はあんまりいい気はしないけどね…。」
この時の
理愛には薄々だったが
希楽に対しての妙な違和感に感じていた。
拓斗
「いい気しないって何で?
自分とは馬が合わないとか?」
理愛
「私が友達になろうって言ってないし…。
上手く言えないけど、そんな感じだと思って。」
完全と言える
確信が持てなかったから
理愛は拓斗には言わずに黙っていた。
拓斗に対する
希楽の好意も行動してないから
暫くは何も言わないでいる事にした。
拓斗
「俺以外の周りは
女子のみだし、結構キツイな。
でも、相モデルが理愛で良かったよ。」
理愛
「それは私も同じだよ。
相手違ったら、気になって仕方ないし。」
そんな会話で
二人は微笑みながら専学に向かった。