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沈められて伸びた(生存時間)

 おはようございます。

 相変わらず川を流されてますが、そろそろヤバイ感じになってきました。

 まあ、おくるみに籠って感じで、川に流されてたんですが……ただいま浸水してるなう。

 とはいえ、沈んで死ぬよりは体力的な感じで、先にお亡くなりになる気がしないでもないですが。


「あうあうあうあ(意識がハッキリしてるのは) あううあうあう(何かの嫌がらせとしか思えない)」


 もっと成長してから、記憶の復活とかして欲しかったわ。

 とりあえず、染みてくる水を御包みを口でしがんで水分補給。

 身じろぎすら、マトモに出来ないので、これが精一杯……これで、そのうち誰かが拾ってくれるとかしないと、本気でお亡くなりっぽいな……。

 因みに意識は向けないようにしてますが、下は垂れ流しでエライ事になってます。

 腹に物が入ってなかったのが良いのか悪いのか、どうせ、水で濡れてるし関係ないかもだが。


 っておい、籠が何かにぶつかった。

 ぐらりと揺れる!? と感じた瞬間、籠がひっくり返って水に投げ出されていた。

 本来、赤ん坊は泳げるらしいが、体力が削られてて布で巻かれてるとか、絶対に無理です。


「あうあうあー(ああ、お迎えが見える)」


 目の前に、茶色の髪を水藻のように川の水に揺らめかせ、視点の定まらない青い瞳をまんじりともさせず、此方をボンヤリと見て……いないな、というか「どう見ても水死体です」という感じの、人形のような女性が流されて居ます。

 俺をひっくり返してくれた下手人はコイツのようですね。

 何故か、どこかで見たような覚えのあるメイド服じみた衣装を着ているのが気になるも、どうやらエラい人の所で何か粗相をしたか、知ってはいけないものでも知ったとかで、始末されたとか何とかでしょう。

 この世界どんだけ難易度高いんだよ!!

 まあ、俺もここで終わりっぽいので、一人で寂しく川のもずく、いや藻屑か……よりはマシなのかもしれませんが、最後に仕返しがてら、ヒトモミくらい良いでしょう。

 うん、谷間モロ出しで無駄にエロい感じの衣装&結構ありますねで、意外に堪能しました。

 いや、死体相手になにしてるんだ俺!? とか深く考えるのはやめましょう。


「契約可能対象確認……エリザベス起動再開……起動規定数値に達していません……エラー。

 魔力が足りません、魔力を注入してください」


 ぶっ、目の前の水死体が突然、ボソリと口から泡と一緒に言葉を発しました。

 そして俺の脳裏に叩き込まれる情報と、存在を書き換えられるような不快感と苦しさ。


「ああうあうあうあ(ちょっと待てよ、このまま静かにイカせてくれ) あああうあああああ(イタイイタイイタイ)」


 どうやらこのまま死なせてはくれないっぽいな。

 なんだか、書き換えの影響か、体に力が戻ってしまっているような。

 そして、今までなかった筈の力の知覚と、それを使うための情報と技術。

 どこからともなく、アナウンスが流れている、


――契約可能な破棄された侍女型魔導人形と接触。

  特典の開放条件を満たしました。

  作品名「メイデン・コンセプト」のスキル体系が解除されました。

  体力値・疲労値・魔力値が追加されました。


 って、コイツ水死体じゃなかったのか。

 侍女型魔導人形とか、そんな奇特なもんが、この世界あるのかよ。

 つかメイデン・コンセプトとか、懐かしいなって、いやそういう事じゃなく。

 開放条件厳しすぎるだろってのでもなくて!!


「スキル発動。魔力注入!!」


 あうあうと、気持ちだけで叫びながら、さっきヒトモミした胸に手を伸ばし、得たばかりの魔力という力を叩きつけた。


「規定の魔力値を確認。 起動します」


 その言葉を最後に聞きながら、俺は魔力切れなのか、意識がブレーカーを落とすように途切れた。





 名前:


 術士レベル1(メイデン・コンセプト)


 魔力:0/5

 体力:3/10

 疲労:85%/100%


 スキル(メイデン・コンセプト)

 機械補修(1) 魔力2ポイント

 魔力注入(1) 魔力3ポイント



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