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悪にルールを求めるなッ!

作者:

リハビリ作です。

戦隊ヒーロー物は小学校で卒業したので違和感あるかも。

拙い文ですがよろしくお願いします。

『小僧、貴様を改造して生き返らせてやった。それでといってはなんだが、とある星で侵略活動してくれんか?』


酔っぱらい運転のトラックによる交通事故で死んだらしい俺。

気が付いたらはるか昔に見た戦隊ヒーロー物の悪の親玉のような格好をした人がUFOの中でそう言ったのが始まりだった。

禍々しい見た目と口調とは裏腹にプロジェクターを使った分かりやすい説明と用意されていた書類のために(あんたは何処のサラリーマンだッ!?)と突っ込みたいのだが…フッと先ほどの俺を改造したという言葉を聞いた瞬間に脳裏に自爆スイッチという言葉が思い浮かんだために言葉を呑み込んだ。

とにかく、話を要約すると


①彼らはとある銀河系から来た宇宙人で文明レベルは地球とは雲泥の差である事。

②その銀河系では地球の戦隊ヒーロー物が大ブーム。今回みたいに死んだ奴を生き返らせ、他の星を侵略させる様を放送している。

③特典としては侵略セット一式とその星では莫大ともいえる財産等。

④一定期間、侵略活動を行ったらその後の人生は好きにして良い。特典もそのまま。

⑤でも、できることなら番組なので面白くしてもらえたら嬉しい。彼らの給料やボーナス的に…


以上である。

…お前らはTVの番組プロデューサーかッ!?

で俺は悪の親玉役の俳優かよッ!?

まぁ、二度目の人生を謳歌できるチャンスではある。

俺は二つ返事で了承すると悪の親玉は書類を数枚出し、彼の指導の元、サインと捺印を押した。

そして、先ほどから気になっていたことを聞いた。


「あんた、実は地球人でサラリーマンッて言う落ちじゃないよな?」


契約書類とか捺印とかプロジェクターとか…、突っ込みどころが多すぎるぞ。


「我が言うのもなんだが…こんな顔でスーツを着たサラリーマンがいると思うか?」

「…取引先の受付嬢が悲鳴をあげるな」



さて、その後は俺の仕事場である星につく間の五日間の間にさらに詳しい説明兼講習会を受けた。

これから行く星は俺の故郷である地球に限りなく近いらしい。

そこで俺は数年間の準備期間を得て、一年間の侵略活動に勤しまなければならない。

準備期間は主に秘密基地の設立に怪人の製造が主になる。

それらは侵略セット一式で簡単にできるらしい。

講習会で怪人製造機の説明を受けているときに実習があったので実際に作ってみた。


「ではこれより実技を始める」

「質問が…」

「まだ、説明はしていないのだが…なんだ?」

「ドラゴンボー「これより実技を始めるッ!」…チッ」


講師は見た目がナメック星人でした。

さて、目指すはスタイル抜群の女性の幹部の怪人だ。

作り方はまずは培養液に素材の元となるものを入れる。

例えば、キノコの怪人を作りたければシイタケをぶち込めばいいのだ。

俺は幹部クラスは強くなければという思いでトラの毛とサメの牙、ワシの羽を入れた。

教師が最初から複数の素材を入れたのはお前が初めてだ、と言っていたが面白ければいいのだよ。

だから、ナメック星人が目を離した隙にイモリの黒焼きと火星人の皮膚と彗星の石を入れた。

もう一度言う。

面白ければいいのだよッ!

次にパソコンで能力値を入力する。

ランダムで出る初期能力値にボーナスポイントを振り分け、見た目や性格、能力に要望を入力する。

そして、スタートボタンを押すと製造開始である。

スタートボタンを押し、培養液が泡立ち始めるのを見て、フッと思った。


(これの開発者も絶対に地球に詳しいんだろうなぁ…)


契約書類に番組放送、このゲームっぽい製造方法に妙に懐かしさを覚えた、苦笑いで。

数時間後、これによって出来たのが…


「ぁぅ~、恥ずかしいのですよ~」


幼女であった。

完成間際の培養液の中身を見た瞬間、悔し涙を流し、床を何度も叩いた俺は悪くないと思う。

培養液に浮かんだ幼女の裸を見て、心拍数が上がったのは当たり前で決して俺がロリk(検閲削除)。

俺の目の前で顔を真っ赤にし、自身の体を抱きしめるように体を隠す幼女にナメック星人が持ってきたタオルを渡した。

もちろん、顔は背けている。

幼女に気を使ってでは無く、未だに流れる涙を見せないためである。


そんなこんなで俺の仕事場である星に着いた。

時間は深夜で場所は丘の上にある展望公園のような場所だ。

そこから見える夜景は地球と変わりない綺麗で人工的で懐かしい風景だった。

乗ってきた宇宙船を見ると初めの悪の親玉と宇宙船でお世話になった方々が勢ぞろいせていた。

悪の親玉が一歩前に出ると俺もその前に立った。

ちなみに幼女(名前は羽入。だって、見た目がそのままだし)は俺の後ろであうあう言ってた。


「では、一六四八六番。ここではお前は新たな人生を歩むことになる。我らはお前に富と力、お前は我らに人生を提供する。相違は無いか?」

「無い」

「ここでお前は数年の準備期間の後にこの星の侵略活動を行う。期間は一年で成否は問わない。求めるは喜劇、悲劇、愛憎劇に拘らぬ独創性。相違無いか?」

「無い」

「これにより契約は施行される。最後にお前の人生を狂わせた謝罪と第二の人生に幸多かれと願う我らの思いを受け取ってほしい」

「むしろ、感謝している。ありがとう、心からお礼を言わせてもらう」


そう言って頭を下げた。

色々と悩んだが善意では無いにしろ、蘇生してもらい、色々と優遇して貰っているのだ。

罵詈雑言浴びせる気が欠片も無いわけでは無いが彼らにもそれを受ける義務がある事を自覚していることは知っている。

なら、それだけで十分だ。


「では今後は定期通信が主な通話手段になる。何かあったらそれで頼む。最後にお前といた五日間は実に有意義だった。お前には船員一同、期待している」


そう言って手を差し伸べる彼に俺は力強く握り返した。

そして、笑顔を浮かべながら、彼に問う。


「最後に確認だけど、面白そうであれば好き勝手にしていいんだよな?」


その問いに彼は力強く断言した。


「それこそ我らの望むところだ」


そう言って宇宙船は彼らを乗せて去って行った。


「よし、では行くか」

「はいなのですよ~」


俺達は歩き出した。

すでに家は用意されているらしいのでそこが拠点となるだろう。

俺は宇宙船の中で考えた色々なエグイ計画が実行できるとなると思うと笑みがこぼれた。


「お家に着いたらまずは何をするのですか~?」


ちょろちょろと俺の周りを走りながら問いかける羽入に俺はこれから長い付き合いになる相棒の頭に手を乗せ、頭を砕かんばかりに力を入れた。


「決まっている。まずはお前の教育だ。スパルタでいくぞッ!」

「なっ、何故なのですか~!?」


見た目がそっくりで名前も同じなのに喋り方だけ違うのは許さん!

こうなったらキムチ嫌いとシュークリーム好きも矯正してやる。


………

……


それが今から数年前の話だ。

現在の俺はとある高校の生徒として授業をまじめに受けている。

二回目の高校生活ということもあって成績は上位をキープし、肉体を改造済みなので運動もそれなりにできる。

生徒会の副会長とバスケ部の両立もしているという以前の人生と比べれば雲泥の差ともいえる。

さて、表の説明はさておき、裏の説明を始めよう。


組織名【秘密結社 ビハイター】

ボスはもちろん自分。

羽入を秘書的ポジションにし、四天王と三十の怪人と戦闘員が構成する。

侵略セット一式で開発した兵器をある程度駆使して、それなりの被害を与えている。

本気を出せば侵略など簡単なのだがプロデューサーからも視聴率のために程々のするようにと言われているので程々にしている。

真面目な物からギャグ的な物などあらゆる侵略活動をしていたのだが半年ほど前にやっと彼らが表れたのだ。


【武道戦隊 バトレンジャー】

そう名乗る五人の武道の達人ヒーローが組織の作戦を邪魔しだしたのだ。

生まれて間もない怪人、しかも、失敗作を処分するよりはと思い、適当な街に放り出したのだがそいつが暴れているときに奴らが初めて姿を現したのだ。

最初の頃は二人だったのが徐々に増え、今では戦隊ヒーローらしい五人となった。


ここまではいいのだ。

ここまではごく普通ともいえるヒーロー番組だ。

さて、ここで俺はタブーを色々と犯した。

最初の怪人がやられた後に俺はとある準備を行った。

用意するものは怪人が二体。

一体はやられ役の弱い処分予定だった蟻の怪人。

もう一体は現四天王、当時はもっとも優秀だった隠密性の高いコウモリ素材のヴァンパイアの怪人。

ヴァンパイアの怪人に撮影機材を持たせ、それの操作法をレクチャーしたのだ。

そして、アリの怪人を適当に街に放り出す。

ヒーロー登場でテンプレ道理に撃破される。

そこで、生前に見たテレビだとヒーロー達は秘密基地に戻り、軽くミーティングをしてから帰るかその場で変身を解除し、現地解散が一般的である。

そこで俺はヴァンパイアの怪人にこう命令したのだ。


「お前の隠密スキルで奴らの素顔の撮影と素性を調査してくれないか?」


作戦は成功。

つまり、テレビ的には第二話で敵に正体諸々がばれたのだ。

ちなみにプロデューサーに聞いたところ大反響で視聴率は鰻登りらしい。

この前は宇宙中からファンレターが届いた。

…日本語で翻訳してほしかった。


「相棒ッ、帰りにゲーセン寄ろうぜ。新台入荷のサービスデーだぞ!」

「…んっ、ぁあ」

「どうした、考え事でもあるのか?」

「いや、どんな宇宙人の言語でもお前の授業中のノートよりは解読しやすいと思っただけだ」

「そりゃあねぇよッ!?」


帰りのホームルームが終わると同時に俺の腕を掴み、催促するのは龍宮 鉄平。

剣道部所属の熱血漢である。

以前、色々と問題のあった教師を縁があってこいつと二人で成敗した縁でこいつは俺を相棒呼ばわりしているのだ。

成績下位でお調子者、トラブルメーカーのこいつだが何故か憎めないので俺もこいつのことは親友だと思っている。


「バカと鬼畜二人、テスト前は寄り道禁止だよ。これは警告一だね」


そして、丸めた教科書で俺たちの頭を叩いた女子生徒が龍宮 翡翠。

赤毛のロングで活発な鉄平の従姉弟である。

同じ名字のためによく龍宮夫妻と呼ばれてからからかわれているが傍から見ても両思いなのは間違いない。

ちなみにバカは鉄平の事で問題教師にちょっと表に出せない嫌がらせをしたのが一部漏れたらしく、それを知った翡翠から鬼畜呼ばわりされている。

ただ、軽く情報を操作して変態教師のレッテルを張らされ、実家からは縁を切られ、町を歩けば通報され、ヤクザと警察とヤンデレに追われるように仕向けただけなのに。

と言いつつも翡翠も周りから鬼嫁呼ばわりされているのだ。

翡翠が言っている警告というのはカウントダウンである。

俺達が問題を起こすとこの警告が貯まり、警告三になると鬼と化すのだ。


「とは言っても俺は勉強してもしなくても赤点決定ッ!」

「同じく、勉強してもしなくても学年トップッ!」

「死ねッ!!」


翡翠の拳骨が落ちた。

ちなみにこいつは空手部で全国大会出場者。

つまり、強化人間の俺でもすごく痛ぃ…。


「(この鬼嫁が…)悪いが鉄平。俺は生徒会に用事があるから翡翠と行け」

「はあっ、翡翠と?」


間の抜けた顔の鉄平を横目に俺は鞄を持って教室から出ようとする。

ドアから出る前に後ろに顔を向け、呆れた顔で告げた。


「たまには嫁さんとデートでもして来いっていってるんだよ。んじゃあな」


教室を出た瞬間に扉を閉め、全力で生徒会室に逃げ出した。

後ろから龍宮夫妻の怒声が聞こえたのは気のせいであろう。


………

……


生徒会室の戸を開けると二人の女子生徒がお茶を飲んでいた。

片方は水篠 藍。

ショートの髪が少し癖毛のある書記の後輩だ。

習字が得意という理由で推薦され、流れで入ったらしく、あまり生徒会活動にやる気が無いがいい子である。


「あっ、先輩。ちょうど良いや。そこのコンビニでポテチ買ってきてよ」


堂々と先輩の俺をパシリ扱いにしなければ実に生意気な後輩なだけなのだ。

俺はツカツカと水篠に近づくとあいつも感づいたのか席から立ち上がり、おもむろに俺に金的を放ってきた。

俺はその足を掴み、バランスを崩した水篠を引き寄せる。


「あっ…」


すると傍目からすれば正面から抱き合っているように見える。

水篠は顔を赤くし、もじもじとし出すがやがて、潤んだ目で俺を見上げた。


「せ…先ぱ…ぃ……」


俺は水篠の気持ちに応えるべく、水篠を強く抱きしめるために彼女の背中に手を回す




…ことなく、脇に手を入れ、くすぐった。


「ぁんっ、あっ…あはははははッッ!」

「お前が俺に勝てるとでも思ったか、水篠ちゃん?」

「ちゃん呼ばわりするなぁああああはははははッッ!!」


耳元で囁くように呟くと水篠は怒り、笑い、悶えるといった忙しい様で苦しんでいた。

ちなみに彼女とは同じ古武術道場の門下生であり、今のところは彼女に無敗であったりする。


「ごめんなさいって言わないとモードが変わるぞ」


一旦、手を緩め、水篠に問いかける。

伊達に数年もこいつの相手はしていない。

弱点は知り尽くしているのだ。


「もっ…もぉどぉ……?」


息を絶え絶えにし、服が若干乱れたその姿はそそるがそれを耐え、耳元で囁いた。


「モードが変わるとくすぐる場所が変わります。…主に性的な場所に」


ビクッと水篠の体が震えた。

俺は笑みを浮かべ、水篠の耳に舌を這わせた。

丹念に、念入りに愛撫するように優しく。

水篠の息が荒くなり、小刻みに震えだした。

俺は右手を水篠の体に…と思った所に水篠の強烈な肘打ちが俺の鳩尾にクリーンヒットした。

水篠は俺の拘束から逃れ、己を体を抱きしめて、真っ赤な顔でこちらを睨みつけた。


「先輩の変態ッ!どスケベッ!鬼畜ッ!」


その姿は実に可愛らしく、もう一度愛でていたいのだが鳩尾の痛みでちょっと動けそうにない。

そこでクスクスと微笑むもう一人の女子生徒がいた。

彼女は穂坂 瑠璃という先輩で現生徒会長。

ほんわかとした雰囲気の彼女だが壇上に立つと何故か皆が協力的になり、話し合いがスムーズになる不可思議現象を起こす人だ。

おっちょこちょいなのに書類仕事は完璧。

方向音痴なのにこの辺の大地主の娘さん。

料理をすれば皿を割るが和洋中なんでもO.K。

本当に不思議な人なのである。


「本当に二人ともラブラブさんなんだねぇ~」

「なっ…!?ちっ、違いますッ!」

「もぉ~、てれちゃって、かわいいなぁ~」

「違いますってば!誰がこんな変態とッ…!」

「あっ、副会長君も今、お茶を用意しますね~」

「生徒会長ぉぉぉおおおおッ!!」


マイペースな生徒会長と一緒に今日は水篠で遊びながら仕事を終えたのだ。

さて、仕事を終えた俺達は校門前で別れ、それぞれの帰路についた。


―【表】の日常が終了した―


―これよりは【裏】の仕事だ―


町ではとある事件が起きていた。

小学生達が次々とまるで神隠しにでもあったように行方不明になっていくのだ。

警察が家族などから事情を聴くと子供からフッと目を離した時に何処からともなく笛の音が聞こえ、子供が吹いたのかと思い、目を向けると忽然と姿が消えていたのだという。

町の人の証言には誰一人として子供のすがたをみた者はいないという奇怪な事件。

無論、犯人は【秘密結社 ビハイタ―】の怪人。

目的は特になし。

テレビを見ていたときにハーメルンの笛吹きを思い出したので思いつきで考えた行き当たりばったりの計画なのだ。

とりあえず、怪人には倉庫で子供達を監禁するように伝えた。

それから数日後、主人公補正なのか監禁場所の倉庫の場所がバトレンジャーに気づかれたのだ。

警察が分からないのになんで素人が知ることができるのだろうか、毎回疑問に残るのだが?

ともかく、今は怪人とバトレンジャーが対峙しているところだ。


「なっ、何者だチュー!?」


ちなみにネズミの怪人。

二足歩行で鎧を着た毛むくじゃらな人間の胴体にネズミの頭をそのまま乗せただけの姿。

ぶっちゃけ、やられ役なので見た目は適当に製造してみた。

さて、ここで定番の名乗りが入る。


「「「「我ら、正義の闘士 バトレンジャーここに在りッ!」」」」


思うのですが彼らは毎回恥ずかしくないのでしょうかねぇ。

さて、ヴァンパイアの調査結果ですでに正体がバレバレの彼らである。

この時代、バトレンジャーの事と彼らの顔写真と共に住所、電話番号をネットやそこらの通りで情報をばら撒けばバトレンジャーの存続どころか彼らの人生に終止符を打つことができる。

これもヒーローの正体をばらすというタブーを犯しているがすでにプロデューサーにも了承は得ているので大丈夫だろう。

だが、とある理由からそれはしないつもりだ。


【バトレンジャーレッド】

主に剣を使って戦う男性。

調査結果、本名を龍宮 鉄平。


【バトレンジャーブルー】

主に素手による格闘技で戦う女性。

調査結果、本名を龍宮 翡翠。


【バトレンジャーイエロー】

主に槍術で戦う女性。

調査結果、本名を水篠 藍。


【バトレンジャーグリーン】

主に合気道を用いて戦う女性。

調査結果、本名を穂坂 瑠璃。


え~と、つまりは皆が俺の知り合いだったのだ。

この調査結果を見た時は飲んでいたコーヒーを吹き出し、書類をグシャグシャにしてしまったのは良い思い出だ。

当初の計画では怪人達の町での好感度を上げ、ヒーローの好感度を下げることで町の住民を味方につけるという作戦だった。

見た目が着ぐるみの怪人を製造し、町で奉仕活動。

情報操作によるヒーローの社会的ダメージ。

これが基本方針だったのだ。

たとえば、怪人が幼稚園のバスジャックを起こしたという情報を意図的にヒーローに流す。

しかし、実際は着ぐるみ怪人が園児のお世話をするために乗っただけの正式な幼稚園からの依頼である。

バスは日光が強いからとカーテンを閉めさせることで外部からの視界を遮る。

あとは何とかバスを止めようとするヒーローとそこに現れる着ぐるみ怪人。

戦闘はバスの外なので着ぐるみ怪人があくどい台詞でヒーローを騙しても園児には聞こえない。

戦闘後に園児が見るのは大好きな着ぐるみの人を殺したヒーロー達である。

案の一つではあるが計画の準備と実際にシュミレーションを重ねた結果、成功確率は高いことが証明されたのだ。

しかし、それは俺が計画の中断を指示した。

この計画書を見たときにもっと面白い事を思いついたのだ。


さて、程々にネズミ怪人が奮闘し、バトレンジャーがピンチになってきたのでネタばらしだ。

俺は倉庫の屋根から飛び降り、ネズミ怪人の頭の上に着地した。


「チュゥゥゥゥウウウウウッ!?」


さて、親玉である俺が仲間である怪人に攻撃しても良いのかと疑問が出るであろう。

これには問題ない。

なぜなら俺は…


「正義の闘士 マジレンジャーブラック。ここに推参ッ!」


俺という悪の親玉がヒーローとなり、スパイ活動をしているのだ。

番組の最終回間際には敵と相打ちになって死んだふりをし、皆との涙の別れ。

悪の親玉の元にたどりついた彼らの前で俺は正体をばらし、彼らに絶望と、視聴者には驚愕を与える計画だ。

続きは次回の放送で。

健全なる肉体に正義の心有りッ!!









カット!

「あっ、プロデューサー。こんな感じでいいですか?」

「視聴率は上がったが…鬼畜か、貴様は?」


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― 新着の感想 ―
[一言] 全力で続きを求みます。 お願いですからもっと笑わせてください。 というか一年間の撮影期間が終わった後の話みたいなものを切に求みます!
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