第7話 ガンカケのカップル
「新年あけましておめでとうございます」
正月。謹賀新年。
俺とまどかは、地元の大きな神社へ初詣に来ていた。
「やっぱり、すごい人だね……啓司くん」
「正月だからね。迷子にならないように手を繋ごう」
俺たちは人混みをかき分け、賽銭箱の前へと進んだ。
まどかは、白のコートにピンクのマフラー。
今年も自慢の彼女は、相変わらず可愛い。
俺たちは、賽銭箱に5円玉を投げ、手を合わせた。
(今年もまどかと仲良く過ごせますように……)
まずは、彼氏としての健全な願い。
そして、ここからが本番だ。
俺は強く目を閉じ、神に念じた。
(今年こそ、収益がプラスになりますように……)
(いっぱい、先バレ聞けますように……)
(相性の良い台が出てきますように……)
煩悩の塊のような願いを捧げ、目を開ける。
横を見ると、まどかも真剣な表情で、長い時間手を合わせていた。
「ふぅ……。啓司くんは、何をお願いしたの?」
「え? あぁ……『今年も二人で健康にいられますように』ってね」
「わぁ、素敵! 私も一緒だよ!」
まどかはニコッと笑った。
だが、その長い祈りの時間は、健康祈願だけでは説明がつかない気がする。
きっと、今年も勝てるように祈っていたに違いない。
◇
参拝を終え、俺たちは社務所へ向かった。
お目当ては「お守り」だ。
「可愛いお守りがいっぱいあるね! 縁結びに、健康祈願……」
まどかが色とりどりのお守りを物色する。
しかし、俺の狙いは一つだ。
俺は、ある御守りに手を伸ばした。
そこには、力強い筆文字で《《勝守》》と書かれている。
本来はスポーツや受験の勝利を願うものだが、俺たちギャンブラーにとっては〈必勝祈願〉のアイテムだ。
(この〈御守り〉にしようかな……)
そう睨みを利かしていると、白い手がその〈御守り〉を掴んだ。
紛れもないまどかであった。
彼女が《《勝守》》を持つ理由は分かる。
ここは一つ、それを何故選んだのか、理由を聞いてみるか。
彼女は、何と答えるか、好奇心が湧く。
「まどか、何の御守り買ったの?」
まどかは、御守りの入っている袋を軽く握りしめた。
「わ、私……今年は大きなプロジェクトがあるから、そこで負けないようにって意味で買ったのよ」
俺はその理由で納得出来た。
確かに、まどかは前々から、今年は大きなプロジェクトが控えていると話していた。
それなら、彼氏としてやることは一つ。
(俺も、その〈御守り〉買おう)
まどかのプロジェクトが上手くいってほしい……
「俺もその〈御守り〉買うよ」
「ん? 何で?」
「まどかのプロジェクトが上手く行くように……そして、俺の仕事も上手く行くようにって」
俺は、その話を聞き、まどかと色違いの《《勝守》》を購入した。
まどかもお揃いの〈御守り〉を持ち、ニコッと笑顔になった。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
まだ初詣行けていないので、早く行きたいです。
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