第4話 ゲキアツな展開
夏も過ぎ、過ごしやすい気候になった10月。
スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋と言われる季節となった。
そんな俺も、〇〇の秋を堪能していた。
「リーチ!!」
もちろん、パチンコの秋である。
今日は、朝の目覚めも良く、朝の星座占いも1位。
心身ともに、とても調子が良い。
そんな日は、パチンコの成績も良かったりする。
体調が悪かったり、寝不足で行くと負けるオカルトを俺は信じている。
俺は昼過ぎから、ちょっと離れた、〈最近出ると噂のパチンコ屋〉さんの門を潜った。
今日は2人とも休みであるが、俺は、午前中に通院があった。
そのため、まどかとは夕方から俺の家で、会う約束になっている。
(それまで、パチンコを堪能しますか)
◇
時刻は14時
今日は〈やれる日〉であった。
既に、新作ゲームが買えるくらいの利益が出ている。
(よし……そろそろ、勝ち逃げするか……)
俺が席を立ち、他に良さそうな台がないか辺りを物色していた、その時だ。
「あれ? 啓司くん?」
すると、背後から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
そう、紛れもないまどかの声であった……。
(まどか? 何故ここに?)
俺は、不意の出来事に動揺してしまった。
わざわざまどかと会うはずのない、遠くの店を選んだはずだったからだ。
「まどか、珍しいね……パチンコ屋さんで出会うなんて」
「う、うん……暇なときとか、〈たま〉に打ちたくなるんだよね」
まどかは、正直にパチンコを打っていたことを話した。
〈たま〉にではないことは、知っているが……。
「啓司くんもパチンコ打ちに来たの……?」
「え、あぁ、病院が終わって、まどかと会うのにも時間があったから、新台打ってみたいなーって」
お互い、〈多少〉の嘘をつきながら、牽制し合っている。
「それなら、私も一緒に打ちたいな……? ねえ、ノリ打ちしようよ……!」
「え。それいいねぇ!」
俺は、まどかからの意外な提案に心が弾んだのであった。
そして、ギャンブル好きしか知らないような〈ノリ打ち〉という単語に、「ボロが出ているぞ」と突っ込みたくなった。
(彼女とパチンコを打てるなんて……)
俺は、ずっと彼女とパチンコを打つのが夢だったのである。
俺たち二人は、並んで新台を打ち始めた。
しかし……。
「負けちゃったね……今日は、お茶漬けで済ませようか……」
「そ、そうだね……」
結局、二人とも負けてしまい、夜ご飯は質素なものになってしまったのである。
不純な動機で夢を叶えた代償は、空っぽの財布と、お茶漬けの味だった。
「でも、楽しかったね。また、一緒に来ようね」
「まどか……そうだな! またリベンジしよう!」
そして、まどかに、真実を話そうか迷った……。
しかし今は、心の奥にしまっておくことにした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ノリ打ちすると、勝っているときでも、続けないといけなくて、負けるケースってありますよね。
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