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目玉焼き大論争

作者: 七草小鳥
掲載日:2025/08/31

世界は、ある日、二つに分かれた。

いや、もっと正確に言えば、「意見が分かれた結果、物理的に分裂した」のだ。

分裂の原因は、とても些細なことだった。

──「目玉焼きには、醤油か、ソースか」

この論争があまりにも長年続き、感情のしこりが地球のコアにまで到達した結果、地殻は真っ二つに割れた。

 東側は醤油派。伝統と深みを重んじる、理知的な人々の世界。

 西側はソース派。自由と個性を愛する、情熱的な人々の世界。

二つの世界はそれぞれ国を作り、法律を整備し、教育にまでその信念を叩き込んだ。

──そして、日々、互いのSNSに向かって、こう叫ぶのだ。

「目玉焼きにソースとか正気か! 卵の味を殺してるだけだろ!」

「醤油は無難なだけ! ソースこそが味の革命だ!」

争いはエスカレートし、経済制裁、情報戦、果ては「卵供給ルートの遮断」にまで発展した。

外交官同士の会談も、途中で「じゃあ目玉焼き出しますね」で破談する始末。

それぞれの世界にスパイを送り込んだり、白熱したソースや醤油の銃撃戦が起こったりした。

そんな中、ひとりの少年が立ち上がった。

彼の名はエイル。15歳。

「ぼ、僕は……! ケチャップ派なんだ!!」

──その瞬間、世界はもう一度割れた。

 

今、世界は三つに分かれている。

そして今日も、SNS上でこうして罵り合っている。

 

「ケチャップは子供の味覚!」

「ソースこそ至高!」

「醤油を理解できない舌の貧困!」

 

その横で、スクロールするコメント、《塩派の俺、静観》


そうして、もう一つの派閥が名乗りを上げようとしていた。

「卵が食えないやつは蚊帳の外かよ」

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― 新着の感想 ―
好みはそれぞれで良いですよね 因みに私は、醤油、塩胡椒、呪い、モザイク、魔法等……気分によってかけるものをローテーションで変えています
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