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100. 再会

 ロビンは見る物全てが珍しいらしい。

 目を輝かせて窓の外を眺める姿を微笑ましく見ているうちに、領境に差し掛かる。


 ラザフォードとノアゼット領の境界はレーヌ河が隔てていて、ノアゼットへ入ると、この先はノアゼット領の領都オルブライトと王都へ向かう大街道とゲインズ領など南部領へ向かう小街道とに分岐する。


 領境の関所前は街道整備の工事の荷車や商隊で混雑しており、騎士達が大勢警備にあたっていた。


「……普段より警備の数が多い気がしますけど、何かありましたか?」


 通常は10から20名の騎士が立つ関所前に、今日は30名程が並んで通り過ぎる人々へ目を光らせている。

 どうしたのかと思ってエリオットに尋ねると「王宮第二騎士団ですよ」と言う答えが返って来た。


「船着き場や街道の工事で人の往来が多いと、置き引きなどの窃盗が多くなったり犯罪者が紛れて移動しやすくなるそうです。実際、工事現場から資材を盗もうとした広域窃盗団の団員数名が捕まりました」


 夜闇に紛れて、煉瓦や工事道具を盗もうとした輩がいるらしい。

 窃盗の常習犯として指名手配されていた人物達は逃げ足が速く、なかなか捕まえられなかったのだそうだが、一昨日の夜に第二騎士団達によって無事確保されたと言う。

 そうなのかと感心して聞いていると、「あっ」とロビンが声を上げた。


「あそこにこの前お屋敷に来た騎士様達がいますよ」


 よく気付いたなと思うくらい離れた場所に、ひときわ鋭利な空気を纏った5人が立っている。

 確かに言われてみると、5人は先日屋敷を訪れた第二騎士団団長とその部下達だ。

 先日は連日のブラックなお仕事で悲壮感漂う彼らだったが、今日は顔色も良くて安心する。


 最近、屋敷では多忙でくじけそうな時は、第二騎士団を思い浮かべて勇気をもらう使用人が続出していた。彼らに比べたら、自分達はまだまだだなと頑張れる気がするらしい。

 使用人の仕事で人間の限界に挑むのは止めて欲しいのだが、何故か流行っている様で、「くっ……」とか言いながら、通常は4人で作業するものを、従者のオランドが長い廊下を1人でモップ拭きにチャレンジしていた。

 庭では草むしりチャレンジが発生して、ぺんぺん草等の雑草は根こそぎ引っこ抜かれた。

 もはやよく分からないが、屋敷が綺麗になるし、楽しそうなのでいいかと見守っている。


 何だかんだで「今日は皆さん、ご飯は食べれているかな……」と、時々料理人がふと思い返すほどに、わが屋敷では第二騎士団は親近感を抱かれているのであった。


 フェリシテが声を掛けたほうが良いだろうかと思った瞬間、ぱっ、と超人的な聴覚で声を聞き付けたかのように第二騎士団団長がこちらを振り向く。

 えっ⁈と思ったのも束の間、驚く速さでダッシュして来た団長が瞬きの間に馬車の脇までやって来て、汗一つかかずに涼しい顔で丁寧な挨拶をした。


「――これはラザフォード夫人とヴァルニア卿ではありませんか。先日は大変なおもてなしを頂き有難うございました。第二騎士団全員感謝をしております。本日はどちらかにお出かけですか?」


 第二騎士団長、カーク・ロイスヴァルクの優雅な礼を、ロビンがカッコイイ!と言いたげなキラキラした目で見る。


「御機嫌よう、ロイスヴァルク卿。お元気そうで何よりです。無事にお務めを果たされたようで良かったです。今日は食糧調達の交渉へ赴くところなのですよ」

「本日は警備にあたって頂き有難うございます。第二騎士団のお陰で窃盗団も捕まり、安心して領民が過ごせております」


 フェリシテとエリオットが礼を返すと、団長が「それは道中のご無事をお祈りします」と再び丁寧に頭を下げた。

 するとその後、少し逡巡してから団長が思い切った様子で顔を上げ、フェリシテの方を真剣な表情で見返した。


「――――その、先日、夫人に失礼な事を申しました。改めて謝罪致します」


 そう言って深々と腰を折る団長に、度肝を抜かれる。

 何の事だ⁈と焦っていると、団長はバツが悪そうに縮こまって「……グランデールの件です」と呟いた。


 グランデール。

 屋敷を出発した第二騎士団は、堤防の決壊で浸水した村へ向かったのだ。

 救済されたに違いないと思ってはいたが、どうなったのかとフェリシテは身を乗り出した。


ご覧いただき有難うございます!

本日お話が短いので、来週までにもう少しお話を追加する予定です。(*_ _)ペコリ*


最近風邪が流行っていますので、皆様お気を付け下さい……!

作者は先月、ブラックなお仕事スケジュールの中で風邪をひいて地獄絵図でございました。

一足先に地獄を見た作者でした……


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