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証拠

 ガラガラと便利屋兼万事屋カメンムシのドアが開いた。デザ・ロアが申し訳なさそうにたっていた。

 「こんにちは、カルナさん」

 「ん?あれ?君、今日学校じゃなくて?」

 「通学途中です、ここはその、学校から近いので」

 「ふむ」

 この前突き放したせいでつなげる言葉を思いつかず、デザはしばらくみせの品をみわたす、なんだかよくわからない骨董品やリサイクル品もおいてある。値段をはってあるのをみるとどうやら売り物らしい。

 「あの、夢のなかのことって信じます?魔女はゆめと深い関係を持つって聞くんですが」

 「ああ、それは魔女の最も強力な魔術が幻覚を見せる事だからよ」

 「ああ、それじゃあ、あの夢ももしかしたら……」

 「夢って?」

 デザ・ロアは今朝見た夢のことを詳しく説明した。

 「それはモロに関係あるかもね、もしかしたら魔女がまじないで夢をみせたのかも、魔法災害の有力な情報になるから、いまから資料を書くわ、まっててね」

 そういうとカルナは、そそくさと先ほどまでデザに聞いていた情報を瞬時にすさまじい筆の速度で資料にかきおえた。

 「はあ、つかれたー」 

 そういいながら彼女はバタンと両手をひろげカウンターに眠るような姿勢で倒れこむ。

 「でもよかったわ」

 「?」

 「私、とても人間にその強く感情移入しちゃう事があって、初めは疑われるのよ」

 「どういう風に?」

 「ペテン師だって、いやもしくは怪しいと、なれなれしいからね」

 「でも疑っていませんよ、どうにかしてくれれば」

  突然にすっとカルナが手を伸ばして、デザの動きを制止する。

 「本当に?」

 「いや、ちょっとは、でもほかに頼るひともいませんし」

 クスリとわらって、水晶玉を取り出し、デザロアの目の前に差し出した。

 「まあ早くこれを見せるべきだったわね」

 水晶の中にはマントをした、背筋のすらっとした老人が後ろ向きにたっており、こちらをふりむき微笑んだ。そしてこう切り出したのだった。

 「突然驚かせてしまってすまない、私の学院の魔女がお世話になっているようだね、“魔法災害”の予知が私のところにきて、彼女のところにもきた、学院の担当者によって観測もされたが近いうちにそこらで起こることも間違いない、だから私が直接“カルナ”君を指名したんだ、まあ彼女は色々特徴がある人物だが悪い子じゃない」

 「これは……」

 「そう、これは私たちのとてもえらい大先生、希星魔女院の院長件大長老からの映像よ」

 水晶玉をカウンターの前の台の上において、得意げに彼女は椅子をくるくるとまわしながら答えた。その道中で、書類もそばにおいてみせた。

 「こ、これって本当に、教科書にのってる、署名も同じだ、市の指名もある、カルナさん本当にあなた魔女だったんですね」

 と興奮気味にデザは、水晶の中を覗きこみ、書類を眺める。水晶の中の大長老は、堂々としたようすで、優しく語り掛けるのだった。

 「……デザ・ロア君、私の学院の魔女たちが必ず君の手助けをするよ」

 「これなら、これなら本当に、僕はこの人を護衛として頼ってもいいのかもしれない、もしかしたら今朝の事も」

 「あ~あ~」

 しばらくカルナは、興奮する彼の話を流し聞きしつつ、くるくると回りつづけていた。


 しばらくするとデザは学校に向かうというので、カルナはその後ろ姿を見送った。ニコニコして手を振ったあと、距離のあいた彼と彼女との間につむじ風がふいて、何者か、女性のものらしき笑い声が聞こえた。

 「魔女の“悪厄”、もしくは“災厄”どこかで苦しんでいる魔女がいるんだ、院になじめずに……」

 そうつぶやく彼女はどこか、悲しげな顔をみせていたのだった。 

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