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ろくでなし

便利屋カメンムシの前で、一人の青年がたちつくす、しばらくして店の引き戸を開け、ガラガラと音をたてはいっていたがそのまま入口に突っ立って、腕を組んでいた。

 その様子を、お菓子を食べながら雑誌を読んでいたカルナは、目の端で確認しながらも自分のその作業に集中したいのかずっと客を無視しつづけていた。すると客のほうが、その様子に耐えきれずに舌打ちをした。

 「……」

 そこに立っていたのは、デザ・ロアだった。

 「あ、なんでここが……」

 「なんでも何も」

 デザがいうには、最初つけられている感覚がしたのは、ちょうどこのあたりだろうとしらみつぶしに店をしらべていたら、カルナの店を発見したらしかった。

 「あんた、勘が鋭いね」

 「そんなことより、ここに来たのは理由があったからだ、昨日なんでトールズたちと話をした、彼らは今回の事と関係あるのか?」

 「私は何もしてないよ、事情なんて知らないだけで、ちょっと勘が働いたっていうか」

 「なんで俺の日常にかかわってくるんだよ」

……雑誌で顔を隠した。

 「別に……」

 「とにかく、人間の事に首をつっこみすぎるな、俺はなるべく平穏な日常が過ごしたいんだ」

 彼はそういって勢いよく店をでていった。

 「リーヌにもよく言われるよ、人間の事に首を突っ込むなって」


 カルナの店を出た後、そのまま下校の道中へいく、件の友人トールズが例のコンビニで立ち読みをしていて、様子をみにコンビニに入ると、隣に一人びくびくした青年がいて、彼に威圧されていた。どうも状況を察するに今度は一人で別のいじめられっ子らしき少年に金をせびっているらしかった。

デザ  「よお」

トールズ「やあ、またあったな」

 しばらくして、店に入り、軽食とお菓子を買ったあと、デザロアは店をでかけた、その瞬間ふと思い立ち、トールズに話かける。彼らは窓際の一番前の陳列棚のところにまだ居座っていた。

デザ  「なあ、ほどほどにしとけよ」

トールズ「ああ、って、はあ?」

デザ  「……」

トールズ「……」

 しばらくすると、トールズは顔をそらして、ばつが悪そうにいじめられっ子からはなれる。ふりむきもせずデザ相手にぽつりとつぶやくのだった。

トールズ「デザ、お前も昔は……お前が初めに逃げたんだ、お前も昔は悪いことを」

 そう言いかけたところでデザはその店をでた。確かに悪いことをした。だが桁が違うことを、どこかで理解していた。小さな、つまらないいたずらや、禁止されている事を破ること、学校を抜け出すこと、その程度の事を、いつからか友人のトールズは、止められなくなったのだ……あの日から。

 立ち入り禁止区域の、古びた家屋と、それから列車横、金網のフェンスをぬけて度胸試し、二人だけで覆面をして……安全装置はあった。直ぐ真横に抜け穴を用意して。あの頃のデザは、進路に迷いむしゃくしゃしていた。だから彼をさそった。あの時の自分が何よりくるっていたことを、デザは覚えている。だから先に逃げたことも、犯人として彼、トールズだけが捕まったことも、今でも後悔しているのだ。後悔だけは。彼のタガを外したのは自分かもしれないと。



 




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