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リーヌ

 深夜、病院でデザを見守るリーヌの所に連絡が入る。黒いスーツのエージェントが、耳打ちで何事かをつげた。そしてくしゃくしゃの手紙をてわたされ、リーヌは顔を覆った。

「カルナの文字だわ、すぐに長に連絡して、“この場所に必ず結界をはるように”」

ロズ刑事がその様子をみてかけつける、一階で買ってきたコーヒーをてに。

「何かあったのか?」

 リーヌはすべてを話した。魔法ゲートによって異界にある魔女界との扉が開いたこと、ある魔女界の家族がつれさられたこと、どうやらそれが今回の一連の“魔法災害”事件を引き起こした犯人の家族らしいこと、ゲートの傍に手紙がおちていたこと。

「手紙にはなんと?」

「西城壁を守れって」

 そちらは希星魔女院が守りを固めることにして、警察には、デザの警備と、もしものときに応戦に加わるようお願いをした。

「それから……」

「どうして心配そうなんだ?」

「手紙に、古代の禁術のことがかかれていて、私は、カルナを助けにいかなくちゃいけないの」

「デザはどうする?」

「ほかの高等研究生が対応する、レムという私の同期」

「じゃあいいじゃないか……」

 少し思い悩んだような顔をみせ、病室のそとの椅子ににこしかけ、刑事にもらった缶コーヒーをかかえながら、彼女は語り始めた。

「彼女は、カルナは特別なの、これは、一部の人しかしらない事だけれど、古来から魔女は感情を共有できない存在なの、けれど彼女は、昔から人に感情移入して、その行動によって魔女にさえ、人間が大事だと思わせることができた、彼女が、希星魔女院の孤児として、希星協会にひきとられてから、ずいぶんと魔女界も変わったわ、彼女がいなければ、魔女は人間をこれほど大事にしなかったかもしれない」

「え?盟約によって守るという話じゃない」

「もちろんよ、でもそれは盟約によるもの、魔女は人間を“数”でしかとらえられない、倫理観が人と違うから、けれど彼女は“人”をみてしまう、救うべき人かそうでないかを」

「それで、君の心配は?」

 ロズ刑事はコーヒーをズズッとすすった。

「敵は希星魔女院のそれも、かなりのエリートだったらしい、これも調査不足で……いや、情報が隠されていたのかもしれないけれど、とにかく相手は二人いるの、もし私がカルナと協力して片方をたおしても、デザの方を一人で担当してどうにかなるか」

「敵はそんなに強いのか?君の同僚は?」

「私と同等の力を持っているけれど、それに、カルナと力をあわせれば双方をどうにかして守ることも不可能じゃないわ、問題はカルナの心情よ、あの子はデザという子を気に入りすぎていた、あのこ、動揺しなければいいけど」

「ふむ……」

 ロズ刑事も今の話を聞いて迷っていた。実は、警察上層部では魔女たちに“協力”するより、自分たちは人命の保護を別で優先したほうがいいのではないかという思いもあったのだ。いずれにせよ現場の判断にゆだねられてはいたが、ロズ刑事は、優秀な刑事で、特に魔女の件に関してはとても優れた能力を発揮するので、信頼も厚いのだ。


 

「母さん、リサは最近見舞いにこないね」

「え、ええ」

 デザは母親と会話をしていた。痛みがひどく目が覚めたら母も眠れない様子で、話相手をしてくれた。

「まさか今回の件と」

「い、いえ、関係ないわよ……きっと彼氏でもできたんじゃないかしら」

「……」

デザはその場合別の意味で心配になるのだったが、母親は、デザにこういって、安心させるのだった。

「あなたは“災害”のショックで記憶をうしなった、人の事を心配しなくていい、十分ひどい目にあったのだから、あなたはここでこうしてやすんでいればいいのよ」


 しばらくして二人が眠りにつくと、リーヌがデザのベッドの脇に、綺麗な花柄の手紙を置いて、その部屋をでた。


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