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83.メイカさん、メリーちゃんとお風呂…姉問題

〔マグ〕


私は今悩んでいる。


一緒にお風呂に入るのを断った時のメイカさんとメリーちゃんの背中がとても悲しそうだったから、ついコウスケさんにお願いして代わってもらったけど……。


何を話せば良いのか分からないっ!


あ、あれ……?おかしいな……?

いつもは聞いてみたいこととか、話したいこととかあったはずなのに、いざ話せる状況になったら何を話せば良いのか分からなくなっちゃった……!


ど、どうしよう…どうしよう……!?


今は脱衣所で服を脱いでるところだけど、お風呂に入ったら2人とおしゃべりするわけで……。


そ、そのとき変なこと言ったらどうしよう……!?

コウスケさんがせっかく信じて代わってくれたのに、このままだとみんなに心配をかけちゃうよぉ……!


「……マーガレット?」

「ひゃっ!?…メ、メリーちゃん…どうしたの……?」

「……脱がないの?」

「えっ?あっ…う、うん、今脱ぐよ……?」


いけないいけない……。

先の心配ばっかりして今が疎かになってた……。


「マーガレットちゃん…本当に大丈夫?無理してない……?」

「だ、大丈夫です…!」


まだお風呂にも入ってないのに、もう心配をかけてしまった……。


ふぅ…落ち着いて……まずは手順を確認しようねマーガレット……。


えーっと…まずは服を脱いでカゴに入れて…浴室に入ったらまず頭と体を洗って…そのあとにお風呂に入ると……よし。


じゃあまずは服を脱ぐところから……んしょっ…と……あっ、そうだ!危ない危ない……メモ帳と時計は出しておかないと……。


…忘れないように着替えの上に置いて…これでよしっと……。


ゴソゴソ…


あとは下着……今日着てたのは、ココさんが入れてくれたピンクの水玉模様の入ったインナーとパンツ……。


…うん…やっぱりかわいいデザイン…!

ココさんにもちゃんとお礼を言いたいな……。


…それにしても…コウスケさんが毎日トレーニングをしてるから、村にいた時と比べて少しはしっかりとした体つきになってるはずなんだけど……う〜ん……。


…よく分かんないなぁ……。

やっぱり、6日じゃまだ分かんないか……。

ちょっと残念……。


…でも…朝昼夕っていっぱい食べてるのに、そんなに太ったように見えないのは良かった……。


と、いけないいけない。

また手が止まってた。


私は下着も脱いでカゴに入れると、待たせてしまってたメイカさんとメリーちゃんに謝る。


「お、お待たせしてごめんなさい、メイカさん、メリーちゃん……」

「ううん、気にしないで。さ、一緒に入ろ?」

「は、はい…!」


メイカさんが浴室への扉を開ける。


…いつも見てるけど、やっぱり大きいお風呂だなぁ……。


貴族の家には付いているらしいけど、私の家には無かったなぁ……。

こんなにお湯が必要なもの、ロッサ村じゃとてもじゃないけど贅沢すぎて……


「ほらほらマーガレットちゃん。まずはこっちで体を洗わないと」

「あっ…は、はい!」


う〜ん……なんだか、すぐに考え込んじゃうなぁ……。

ずっとコウスケさんに任せてたから、体を動かすのを忘れちゃってるのかも……。


…いつも夢の中でコウスケさんと会うときは気にならないんだけど……あっ、そっか。

いつもコウスケさんにくっついて座ってるからだ。

まったく動いてない……ハッ!


また考え込んでしまった私はハッと気がつくと、すすす…っと空いてる椅子に座る。


えーっと……まずは頭からだよね…?

いつもコウスケさんは……えーっと……。


「マーガレットちゃん?マーガレットちゃんも良かったら私が洗ってあげようか?」

「えっ!?えっと……」


私がどう洗っていたのか思い出そうとしていると、隣でメリーちゃんを洗ってあげてるメイカさんがそう聞いてきた。


さ、さすがにそれは……あー……


「……お願いしても良いですか……?」

「うん!ちょっと待っててね!」

「はい……」


…うん。

知ってる人に任せよう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「マーガレットちゃん、お湯に入るときはゆっくりね」

「はい……ん……」


メイカさんに洗ってもらったあと、先に終わったメリーちゃんが待っている浴槽に向かった私たち。


メイカさんに入り方を教えられながら、ゆっくりとお湯の中に体を沈めていく。


…あぁ……これは……


「はふぅ〜……!」


あぁ〜…自然に声が出ちゃうぅ…気持ちいいぃ……!


「あぁ〜……!」


隣でメイカさんも声を上げながらお湯に浸かっていく。


はぁぁ……いつもコウスケさんが入ってるのを見てたし、ほんのりと暖かくて気持ちいいって感じてたけど……これはすごい……。

いつもとは段違いに気持ちがいい……。


これはコウスケさんがいつも声を上げてるのも分かるよ……。


…そういえばコウスケさんはいつも肩まで浸かるよね……。


そう思い出し、私も真似して肩までお湯に浸かってみた。


「はぁぁ〜…!これはぁ……!」


気持ちいいぃぃ〜!!

はぁぁ〜…疲れが抜けていく感覚がするぅ〜……!


「ふふふ、マーガレットちゃん、すごく気持ち良さそうね」

「はい…これは…すごいです……」


はぁ…なんだか…気持ち良すぎて眠くなってきたような……。


「……マーガレット、寝ちゃダメ」

「ん……ありがとう…メリーちゃん……」


隣にいたメリーちゃんが私を揺らして起こしてくれる。


んー……危なかった……。

本当に寝るところだった……。


「あはは、気持ちは分かるよマーガレットちゃん。でも寝たら危ないからね〜。眠らないように頑張らないと」

「はい…頑張りま…す……!?」


そう言ってくれるメイカさんの方を見た瞬間、私の眠気は吹き飛んだ。


メ、メイカさんのお胸が……う、浮いてる……!?

ぷかぷかしてるっ!


メイカさんの胸は、フルールさんやユーリさんほどではないけど、それでも十分大きくて、形も整っていてとても綺麗なお胸がっ!


「マーガレットちゃん?」

「あっ…す、すいません……」

「うふふ、気になる?」

「!?」


思わず見つめてしまっていた私に、メイカさんが自分の胸を持ち上げて聞いてくる。


ふわぁぁ……!

たぷたぷだぁ……ハッ!?


一瞬見入ってしまった私は慌てて目を逸らす。

しかし先ほどの光景が忘れられず、ついチラチラとメイカさんの胸を見てしまう。


そんな私の様子を、なんだかだらしがない表情を浮かべながら見ていたメイカさんが言った。


「はぁぁ〜……!マーガレットちゃん可愛いぃ〜……!でもそれじゃあコウスケのことは言えないねぇ〜?」

「うっ……!」


た、確かに……。

うぅ…でもなんとなく男の人が女の人の胸に目をうばわれる気持ちが分かった気がする……。

これはすごい……!


……コウスケさんも…最近はあんまり無いけど、いろんな人のおっぱいに目を取られてたし、やっぱり大きい方が好きなのかなぁ……?


そこまで考えた私は自分の胸を触ってみる。


…同年代の子よりはある…と思う……。

分からないけど……。


ほんの少し膨らみがあるけど……う〜ん……。


チラッとまたメイカさんの胸を見てしまう。


……ま、まだ子供だから……私だって成長したらこれぐらいは……


「うへへへ……悩んでるマーガレットちゃんも可愛いわぁ……!大丈夫、マーガレットちゃんもきっと大きくなるよ!」

「ふえっ!?」


なんで考えてることがバレてるの!?


「それにコウスケは胸の大きさで女性の価値を決めるような人じゃないでしょ?」

「な、なんでそこまで……!?」

「あ、やっぱりコウスケのこと考えてたんだ」

「えっ…あっ!?」


引っ掛けられた!?

メ、メイカさんったらぁ……もう……!


「胸を大きくするにはお肉を食べるのがいいってどこかで聞いたことがあるよ。コウスケはお肉とか好きだし、多分任せておいても大きくなるよ」

「あう……」


また自分の胸を見せつけるように持ち上げながらメイカさんが話す。


お肉かぁ……確かにそれなら毎日のように食べてるし、なんならいつもギルドに行く途中に並んでる露店に串に刺さったお肉を売ってるお店があるし……。


まさかコウスケさんにお胸を大きくしたいからお肉をいっぱい食べて欲しい……なんて言えないし……メイカさんの言う通り、任せちゃおうかな……?


で、でも…あんまりお肉ばっかりだと……お腹が……。


「大丈夫!コウスケいつも運動してるし、そう簡単に太らないって!」

「はぅっ!?」


メ、メイカさん……!

それはそうなんだけど……わ、わざわざ言わなくてもぉ……!


わ、私の考えてること全部メイカさんには分かるのぉ……!?


「あ、あれ?マーガレットちゃん?なんでメリーちゃんの方に寄ってくの?」

「……メイカ、全部言うのダメ。良くない」

「ガーン!?」


私がメリーちゃんの方に避難すると、メリーちゃんがそう言ってくれた。


メイカさんは良い人なんだけど……ちょっとデリカシーが……。


「……よしよし、マーガレット。お姉さんが守ってあげる」


メリーちゃんがそんなことを言いながら私の頭を撫でる。


…お姉さん?


「…メリーちゃん」

「?」

「メリーちゃんがお姉さんなの?」

「……うん、そう。わたしはマーガレットのお姉さん」

「むぅ……」


…なんか納得いかない……。


「でも私の方がメリーちゃんより背は高いよ?」

「……でもわたしがお姉さん」


むむむ……。


「…お姉さんなら1人で着替えたり、体を洗ったりするんじゃないの?」

「……誰かにやってもらうのもお姉さんの特権」

「むぅぅ…!昨日はコウスケさんに全部やってもらったし……!」

「……お兄さんに甘えるのは妹の特権」

「むぅぅぅ!」


私だってコウスケさんにもっと甘えたいのを頑張って我慢してるのにぃ!


「ずるい!」

「ふふふ……お姉さんだから」

「私の方がお姉さんだもん!」

「……わたしがお姉さん」

「むぅぅぅぅぅ!!」

「……(ぷく〜)」


お互いに一歩も譲らない展開。


むぅぅ……!

絶対私の方がお姉さんなのにっ!


「はぁ…はぁ…!」

「……ん?」

「?……!?」


と、そこで私の後ろから荒い息遣いが聞こえる。


メリーちゃんがビクッとしたので、私も振り返るとそこには…


「はぁ…はぁ……!マ、マーガレットちゃんとメリーちゃんが…はぁぁ……!可愛い子たちが可愛いケンカしてるぅぅ♡」

「!?」


メイカさんがすごい顔荒い息遣いでこちらを見ていた。


「メ、メイカ…さん……?」

「はぁ…はぁ……幸せ……♡」


私が恐る恐る話しかけると、メイカさんはとても嬉しそうな顔で……沈んでいった。


「…………」

「………ハッ!?メイカさんっ!?ちょっ!?ど、どうしようっ!?コウスケさんっ!コウスケさーんっ!!」

(んー?終わった?)

「メ、メイカさんが…!メイカさんが沈んじゃったぁ!!」

(どういう状況っ!?)


この後コウスケさんの指示で、呆然としていたメリーちゃんと2人がかりでメイカさんをどうにかお風呂の淵に引っ掛けて、フルールさんに助けを求めて事なきを得た。


……あんなに悩んでたのに……あははは……。

…でも…うん。

こういうの、好きだな。

メリークリスマス!

昨日だけど。


完全に忘れてた。

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